根深い対立があるとき

2019年9月7日

対立は、二人の人の間に価値観や信条、興味についての意見の不一致や反対があるときに始まります。合意できないということ自体が対立ではありませんが、その原因になります。対立は意見の不一致が相手を排除したり、無力化したり、見くびったりするように働いたときに起こります。

対立が言葉によるものもあります。ここでの目的は相手に自分の論理を受け入れさせ、それをを押し付けることです。また別の場合には、対立が直接的な行動につながることもあります。こういった行動とは、公然とメールを送ったり、こっそり暴力をふるうことかもしれません。いかなる場合にも、目的は同じです。それは、自分が相手に勝ったという地位を得るということです。

そうはいっても、どちらの側も勝つことができないという場合もあります。その場合には、3つの道があります。一つ目は、ただ「過ぎたことは過ぎたこと」にすることです。つまり矛盾を無視し、両者が合意できる点を強化するということです。両者の主張を考慮に入れた合意を思いつくことで問題を解決するという方法もあります。

二つ目の道は、距離をとるために境界線を設定することです。この場合は、対立が人間関係を終わらせます。三つ目の道は、何が何でも意見の不一致を貫き通すことです。この最後の例では、問題が心にわだかまりを残し、深く根付いた対立になってしまうのです。

「暴力は決して対立を解決しないし、その結果が劇的になることが少なくなることもない。」
―ヨハネ・パウロ2世―

根深い対立

根深い対立

対立は当事者のどちらも相手をやっつけられないと心にわだかまりを残します。これを説明するとすると、両者が平等につりあった時です。しかし、誰も勝てないということで水に流すのではなく、その不一致がしつこく残るのです。状況は変わらず、未解決のまま残ります。

このタイプのシナリオは対立している両者の間に強い絆が無いと起こりません。そうでない場合は、問題から距離をとるか、相手に近づかないようにするという決定的な行動をとるのです。

一方で根深い対立には、たくさんの価値観、信条、興味関心が関わっています。また、激しい対峙の要素も含んでいます。これらのタイプの問題は、恋愛関係や友達、家族の間でとてもよく起こります。

人間がいれば、そこには対立があります。実際、多くの対立は解決することができません。しかし、私たちはそれに対処できるようになります。だれだれはある話題について私たちに合意しないのはわかっているので、火に油を注ぐ代わりに、それをあまり重要視しないことにする、といったようにです。これはこのタイプの問題を処理するのに柔軟で健全な方法です。健全でないのは、意見の不一致を膨らませ、常に限界まで持っていくことです。

根深い対立に解決法はある?

全ての人間の対立には解決法があります。ときにそれは少しの善意があれば可能になります。それがないと、本当に些細な意見の不一致でさえも、人間関係を壊してしまい兼ねません。根深い対立は、両者が解決にたどり着くことよりも、自分の意見を維持することに価値を置いているときに起こります。両者が相手に自分の信条を押し付けられないことが深刻な敗北であると思っているのです。

エルサレム、テルアビブ、ヘルツリーヤの大学の研究グループが、対立について興味深いことを発見しました。彼らは、人が対立に深くかかわっているときについて研究を行いました。この場合、その人は相手が主張している論理を脅威として見ています。言い換えれば、その人は相手に賛成することは、自分自身と対立することになると感じているということです。自分を犠牲にしたり自分の力を弱くするのを恐れているのです。

ライトを手にする女性

この観点から、研究者はテストを行いました。イスラエルの狂信者に彼らの信条に関わるビデオを見せました。その内容は、彼らがパレスチナ人に抱く信条を支持しているものですが、それを別次元の極端さにまで引き上げる内容でした。例えば、完全排除、退廃、そして世界中のイスラム教に石を投げつけることなども含んでいました。

このビデオは研究対象者の信条と相反するものではありませんでした。それどころか、それをさらに過激にしたものです。

その結果は、それを見た人は自分たちの信条を見直すことの方が多かったのです。つまり、彼らは自己批判と内省への扉を開くことになったのです。最もすばらしい点は、この態度の変化は長続きするものだということが証明されたことです。心理学者はこれを「思考のパラドクス」と呼んでいます。それは二つの対立する立場が共に生きることができるということを認める能力です。これはあなたの人生にも適応できると思いますか?