願いの木:バグワン・シュリ・ラジニーシの話
願いの木は、バグワン・シュリ・ラジニーシの最も有名な話のひとつです。ラジニーシは、ガンジーや当時の他のリーダーを非難していたものの、精神的な師として捉えられていました。20世紀の最も重要な宗教的指導者の一人として見られています。
ラジニーシは、かなり議論を呼ぶような性格の持ち主です。素晴らしい話し手、変わった思想家として彼を見る人も多くいます。高級車のコレクション、アメリカからの強制送還などで覚えている人も多いかもしれません。
彼を英雄と見ていた人も、悪者と見ていた人もいます。しかし、彼をどう捉えるかに関わらず、その教えが正しいことは理解できるかと思います。皮肉にも、彼は人生の中で自分の教えを幾度となく破ってきました。しかし、彼の話や知識には語り継がれるだけの価値があります。今回ご紹介する願いの木の話には、ラジニーシが素晴らしい知恵の持ち主であったことが良く現れています。
「恐怖に注意を払いすぎないでください。自己催眠にかかってしまいます。恐怖に生きているということを繰り返すと、人生が恐怖に支配され、恐怖に左右されます。自分でそれを助長してしまうのです。」
-ラジニーシ-
ラジニーシの願いの木
このラジニーシの話は、ヒンドゥー教の天国のコンセプトについて話しています。ヒンドゥー教では、天国は素晴らしいもので溢れています。この素晴らしいもののひとつが、願いの木です。この木には特別な魔法の力があります。普通の木のようですが、人間が求めるものを一瞬でかなえる力をもっています。
物理的なものに取りつかれている男がいました。彼の精神生活は貧相なもので、すべての時間とエネルギーを自分の目の前にあるものだけに注いでいます。ある日、男性は眠りに落ちて、彼の精神だけが漂い始めました。起きている時にこんなことが起こるのは不思議ですが、自然の摂理に間違いが起こることだってあります。だから、彼の精神はこの世の先へと漂っていきました。
突然、男性の精神は様々な方向に分岐する場所にたどり着きます。どの道へ進めばよいかわからず、一番近いものを選びます。彼が選んだ道は。直接楽園へとつながっていました。
実現する願い
男性がたどり着くと、魔法の庭にあるすべてに魅了されます。とても美しい場所でした。しかし、自分が天国にいるとは思ってもみません。だから、男性はふつうの場所にいるかのようにふるまいました。疲れるまでしばらく歩きます。男性はしばらくねむることにしました。気づかずに、彼は願いの木の下にうずくまります。快適な場所を見つけると、男性は眠りに落ちました。
目を覚ますと、お腹がすいたなと思い、「お腹がすいたなぁ、おいしい食べ物があったらいいのに」と言います。驚くべきことに、自分の目の前においしそうな食べ物があわられました。どうしてこうなったのか深く考えずに、男性は食べ始めます。頭の中にあったのは、お腹を満たしたいという思いだけでした。
食べ終わると、のどが渇いてきました。それから、「喉が乾いたなぁ。何か飲み物があったらいいのに。」と口に出します。すると、目の前においしいワインが現れました。男性はすぐにそれを飲み干します。
不安を掻き立てる最後
お腹も満たされ、喉も潤うと、男性は自分に起こっていることが普通ではないことに気づきます。男性は何かおかしいことが起こってるのではと思い始めました。男性は怖くなってきます。「夢を見ているのか、お化けが魔法をかけているんだろうか?」
これを口に出した瞬間、願いの木が男性が言ったことを現実のものにしてしまいます。突然たくさんのお化けが現れて、男性を馬鹿にしたりからかったりし始めました。男性は恐怖におののきます。そしてあまり考えもせずに、叫びます。「こんなのひどい!ヤツラ僕を殺すつもりだ!」
ここまでくれば想像できるかもしれませんが、お化けは男性を殺してしまいました。ラジニーシの話には重要な真実を含んでいるように思われます。これは言葉の力の話です。わたしたちは、自分の望むものを何らかの形で引き寄せます。自分の人生にこうなって欲しいという希望があるなら、その欲求があなたをその道へと誘います。もちろん他にも重要な要素はありますが、ここが出発点です。言葉でもって、意識と意思を形作ります。だから、信じることが難しくても、心の中にあるものを信じれば手に入れることができるのです。