ネイティブ・アメリカンの狼まじない

· 2019年2月9日

狼まじないとは、心の薬のことです。これは、その他のセラピーやその派生物とはまったくの別物です。ネイティブ・アメリカンは狼を見ることで、人々の心を癒すことができると考えており、そのことからこのような名前が付きました。

狼はネイティブ・アメリカンにとって、恐れや崇拝の対象です。彼らは、長い年月の中で狼に関する多くの知識を蓄積しており、それがこの生物への大いなる信仰につながっています。さらに彼らは狼を模倣することで、自分を成長させ、傷を治し、逆境に立ち向かうことができると考えています。

狼まじないは西欧社会では馴染みのないものです。むしろ、私たちの文化において狼は忌み嫌われる対象です。事実、多くの児童書の中で、狼は悪の権化の悪者として描かれています。さらに、獰猛で危険な「狼男」の神話なども存在しています。しかし、この動物から学べることも多くあるのです。

狼:ネイティブ・アメリカンにとって恐れの対象

狼はとても儀式的な行動をする動物です。そのうちの1つは、ヒエラルキー社会の形成です。これは彼らにとって確固たるもので、群れのなかでのオスとメスのボスは絶対的な立場を有しています。他の動物と違って、リーダーは群れの中で一番足が速い必要はありません。しかし、一番知的で器用でなくてはなりません。

また、一般的な見解と異なり、狼に野暮な性格はなく、一匹で行動することもありません。彼らは常に群れで行動するとても社会的な動物なのです。もし、彼らが単独行動していても、それは群れにとって都合が良いからです。狼は滅多なことがない限り喧嘩はせず、基本的には戦いを避けます(もしくは必要最低限で済ませます)。さらに、彼らは同族を殺すこともありません。

「群れの強さとは狼であり、狼の強さとは群れである。」

-ラドヤード・キップリング-

オオカミの絵

ネイティブ・アメリカンによると、狼は優れた追跡能力と身を隠す能力、家族を守る力を持っているといいます。このような動物は狩りの最中に自らの獰猛さや力を顕示することはありません。その代わりに獲物を観察、分析し、気づかれないように行動します。彼らは自らの環境を分析し、次の一手を考えることにた長けています。彼らは「消える」術を心得ており、狼の天敵たちが彼らを見つけることができません。そして、彼らは戦術的な作戦を用いて、必要な時だけ狩りを行います

狼まじない

ネイティブ・アメリカンにとって、狼は案内人です。私たちはみな、狼のような何かを心になかに有しているといいます。人生には勇気や知性、高貴な精神を活用しなくていけない瞬間というのがあります。そんな時、狼まじないをかけるのです。大きな壁を越えようとするとき、自分の中の内なる強さと力を解き放ちます。

原住民とオオカミ

ネイティブ・アメリカンは、狼の魂が自分たちの一時的な味方になると信じています。彼らは、大胆さや忠誠心、寛大さ、自由な心を私たちにもたらしてくれるのです。狼の魂には武骨さや勇気が込められており、だからこそ、禁じられたことや危険なことを決意するときの助けとなるのです。

狼まじないを行うときは、乱雑な力を表現させます。ネイティブ・アメリカンは、狼と魔女は暗闇の中でも心地よく過ごせるように、常に手を取り合っていると考えます。つまり、自分が誰からも見られていないときこそ、魔法や自由な心は解き放たれるのです。そのとき、私たちは今まで見つけることができなかった道や解決策を見つけ出すといいます。

ネイティブアメリカンの絵

内なる狼を起こす

ネイティブ・アメリカンの伝統に従えば、内なる狼を起こすためには、まず自分の夢に注意を向ける必要があるといいます。自分自身の内なる思いは、無意識として夢の中に現れます。だからこそ、夢の世界を把握することが大切なのです。そうすることで、自分をより理解して勇気を出すことができます。

狼まじないと同様に、自分自身を観察して、偏見なく自分の行動を評価することは重要です。私たちの魂は恐怖や責任、過去の経験に囚われているため、こうすることによって、日常生活の妨げになっている出来事に気付くことができるのです。

次のステップは行動に移すことです。なにかをなし遂げたいと思うとき、いつまでも好機や現実が変化することを待っている必要はありません。正直かつ寛大な心で、今自分がしたいことに向かって進んで行っていいのです。これができていれば、狼が道を切り開いてくれるはずです。

「狼になれ。彼らは自分に厳しく、決して諦めない。そして後ろも振り向かないのだ」

-ドゥルーブ・ラゾット-

López Portillo, P. (2016). Los Postes totémicos de la costa noroeste de América del norte.