ノーム・チョムスキーのフェイクニュースとポストトゥルースへの意見

2019年9月2日
ポストトゥルースは、フェイクニュースを人々が重要な決定を下すための判断材料へと変えました。本記事ではチョムスキー氏によるリスクアセスメントについて学んでいきましょう。

フェイクニュースは決して新しいものではありませんが、最近ではポストトゥルース政治のツールへと変化しました。ポストトゥルース政治は、個人的な意見や認識を変えさせ形作るために、真実を歪めることです。フェイクニュースがこれらの歪みをメディアで炎上させるのです。

ポストトゥルースとは、昔で言うとプロパガンダです。プロパガンダは真実とは関係のない「半分の真実」を作り上げる方法でした。しかし、それは繰り返されるため多くの人に信じられるのです。

新自由主義に反対する政治活動家として、ノーム・チョムスキー氏はポストトゥルースに対して懸念を抱いているのです。

“大衆文化からプロパガンダのシステムに至るまで、あらゆるところで、人々に無力感を与え、唯一の役割は決定事項を承認し消費することだけだという圧力が常にある。”

―ノーム・チョムスキー

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感情とポストトゥルース政治

チョムスキー氏によると、アメリカとイギリスの新自由主義政治により、ここ数十年で生活の質が低下しているといいます。事実、多くの人々は怒りと恐怖が混ざり合った感情を抱き、それが最終的に不信感と現実逃避に変わっているのです。

感情はポストトゥルース政治と大いに関係しています。人々は、たとえつじつまが合わなくても個人の感情に訴えるものを信じる傾向にあります。つまり、あるアイディアに対する感情的なつながりが強ければ強いほど、そのアイディアを信じるということです。

最近の移民余剰により、憎しみや外国人に対する嫌悪感復讐、生活状況に対する苛立ちなどの感情が高まっています。その結果、その「真実」が現在の感情に近ければ近いほど、より多くの人がそれを信じるのです。人々は、客観的な証拠に基づく事実より、満足感を得られるものを信じるのです。

“深く考えずに日常を過ごすことができるのであれば、人々は何でも信じるのです”

―リバ・ブレイ

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マスメディア、ソーシャルメディア、そして嘘

歴史が始まって以来、偏見は自然の力でした。ガリレオが地動説を撤回させられたのも偏見のためです。しかし、現代ではマスメディアとソーシャルメディアの力によりまったく新しい次元にシフトしました。

フェイクニュースはものの数秒で炎上します。フェイクニュースをもっともらしくするためのツールも多く存在します。また、フェイク画像やサウンドバイトを作ることもできます。これは、「みんながそう言っているなら、正しいに違いない」という現象を作り上げているのです。

チョムスキーとポストトゥルース

ノーム・チョムスキー氏にとって、ポストトゥルースは政治に限定されるものではありません。経済学、心理学、ライフスタイルに関連する他の多くのものにも歪んだ現実があるのです。経済に関して、消費者は全員、体系的に騙されているとチョムスキー氏は主張しています。

車を例にして考えてみましょう。車を購入する際、その車について情報を集めますか?その車は本当はどんな車なのでしょうか。実際にはどういう車かを証明できる独立した情報源はありますか?

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現代人は孤独で無力感を抱いているとチョムスキー氏は考えています。そのため、個人主義を促進する心理的イデオロギーがあるのです。今やあなたの問題はあなただけの問題であり、それは私たち一人ひとりが対処するべき個人的な問題と見なされています。

現時点で必要なことは、昔の哲学に耳を傾けることです。インターネットやその辺の情報に頼りすぎてはいけません。新しいアイディアを疑い、平凡が炎上するのを防ぐ責任が私たちにはあるのです。

  • Fowks, J. (2018). Mecanismos de la posverdad. Fondo de Cultura Economica.