脳髄の解剖学

2020年2月17日
今回の記事では、中枢神経系の上部の大部分にあたる脳髄の解剖学についてお話します。主な機能は、情報の操縦と統合、推論、判断、行動管理です。

今回は、中枢神経系上部である脳髄の解剖学についてお話します。脳髄は頭蓋骨の中にあり、情報の統合や指示、推論、判断、行動管理を行います。生理的分類では、前脳、脳中部、後脳の3つに分けられます

脳の領域それぞれには異なる活動を行う特別な部位があります。身体活動の管理、内的および外的情報の受容が、脳髄の行うすべての機能における主な役割です。

脳には、身体的要素と精神的要素を繋ぐ役割があります。また、感覚器を通して外から得る情報を脳の情報に適応させるのも脳の働きです。

脳髄は非常に広域で、人間の脳の構造の大部分が脳髄なのです。そのためその中には何千という異なる部位があります。

脳髄

 

脳髄の解剖学―前脳

脳の前部にあるのが前脳です。ここは胎児の形成で最初に発達する部位の一つです。また、前脳の構造をつくる部位は2つあり、終脳と間脳と呼ばれます。

 

終脳

終脳は前脳でもっとも大きな部分で、上部に位置します。身体的および自律神経の統合がもっとも多く見られる部位です。

終脳は両生類と哺乳類で異なります。両生類は非常に発達した嗅球をもち、哺乳類は大脳半球が2つに分かれています。さらに、終脳の様々な部位を次に示します。

  • 後頭葉:視覚的感覚操作を行います
  • 頭頂葉:感覚および運動の情報を処理します
  • 側頭葉:聴覚を処理します
  • 前頭葉:判断、推論、受容、運動調整などの高等な機能を司ります
  • 線条体:大脳皮質および大脳基底核から情報を受け取ります

終脳には複数の部位があり、多数の精神的プロセスが行われています。中でも、感覚からの情報や脳の他の部位からの情報の処理がもっとも重要です。前頭葉ではより精巧な機能にも役立っています。

 

間脳

間脳は、前脳に位置するもうひとつの領域です。終脳の下にあり、中脳と接しています。

間脳の構造には、非常に重要な脳の要素があります。主な部位は視床と視床下部です。

  • 視床下部:視床の基底にある小さな部分で、自律的内臓機能や性的衝動をコントロールします。また、食欲、のどの渇き、睡眠の調整における重要な役割を果たします。
  • 視床:間脳の大部分で、重要な部位です。主な機能は臭い以外の感覚からの情報の収集です。大脳皮質と直接つながっており、感情や気持ちの発達で重要な役割を果たします。
  • 視床腹部:視床と視床下部の間にある小さな部位です。主に灰白質から成り、小脳および赤核からの情報を受け取ります。
  • 視床上部:これは視床の上にあり、松果腺および手綱核から成っています。視床上部は大脳辺縁系に属し、メラトニンの生成を司ります。
  • 視床後部:視床上部の上に位置し、神経インパルスの通り道としての働きがあります。また、脳脚から聴覚皮質へと循環します。

 

第三脳室

第三脳室は間脳上部で頭蓋の衝撃を和らげ、間脳下部を保護します。

 

脳髄の解剖学―脳中部

脳中部は脳の中心です。脳幹の上部で、橋と小脳を間脳とつなぐ役割を果たします。脳中部は主に3つの部位に分けられます。

  • 前面:この部位には、灰白隆起と穿孔があります。これは、眼球運動神経から発生した小さな穿孔の存在を意味します。
  • 後面:上部結膜のアームと視覚ベルトからなります。隆起と膝状体をつなぐ役割をします。
  • 次部:上丘と下丘に分けられる隆起である四丘体があり、視覚反射を調整します。また、後部と下部は聴覚反射も調整します

脳中部の主な機能は、運動インパルスが白質から脳幹へ、脳の上部から下部へと筋肉に届くようにすることです。主に感覚インパルスや反射を伝え、脊髄と視床を繋ぎます

 

脳髄の解剖学―後脳・菱脳

後脳、菱脳は、脳の低部にあります。第四脳室を囲み、下は脊髄と接しています。小脳と隆起のある中脳と延髄が含まれる髄脳から構成されます。

中脳

第二脳室で、菱脳の上部に当たります。脳の機能に重要な小脳と隆起の2つの部位に分かれます。

  • 小脳:感覚と運動の統合が主な機能です。また、脊髄と脳の上部をつなぐ神経接続が多い部位でもあります。
  • 隆起:髄質と中脳の間にあたる脳幹の一部です。主な機能は小脳と似ており、中脳と脳の半球上部を繋ぐ役割をします。
脳髄 解剖学

髄脳

髄脳は菱脳の底部に位置します。ここに円錐状の延髄があり、脊髄からのインパルスを脳へ送る構造になっています。