「精神的糖尿病」は本当に存在する?

2型糖尿病には様々な要因が関係します。感情は要因の一つになるでしょうか?精神的糖尿病は存在するのでしょうか?
「精神的糖尿病」は本当に存在する?

最後の更新: 24 2月, 2021

「私は精神的糖尿病?」ストレス、不安、負の感情が自分の糖尿病に関係しているかを医師に尋ねる2型糖尿病患者がどれほど多いかに、あなたは驚くかもしれません。これは本当にあり得るのでしょうか?見ていきましょう!

すい臓で生成される基礎的で必要不可欠なホルモンであるインスリンを、体が効率よく処理することができない状態が2型糖尿病です。インスリンは食べ物をエネルギーに変えるのに役立ちます。インスリン抵抗性(インスリン生成の制限)があると、血糖値がゆっくり上がる原因となり、様々な弊害が生じます。

ストレスやその他の精神的要因は、多くの代謝プロセスに影響します。例えば、強い感情はコルチゾール値を高くし、その結果体はグルコースを多く放出したりするのです

感情と糖尿病が複雑に関係していることは間違いありません。ストレスにより人が自動的に糖尿病になるのであれば、90%(あるいはそれ以上)の人が、糖尿病を患うでしょう。なので糖尿病の発症が、精神的要因に完全に依存しているのではないということは明確です。しかし、ストレスや不安はライフスタイルに影響し、それが糖尿病などの健康問題につながることもあるのです。

精神的 糖尿病

精神的糖尿病は存在しない

糖尿病の治療は簡単ではありません。これは公衆衛生の大きな問題となっており、糖尿病の診断を受ける人の数は増えています。マンチェスター大学のJuliana Maina Wanjiru教授が行った研究では、2型糖尿病の原因に関する教育を進めることがこれまでにないくらい重要になってきているということが示されています。

糖尿病の増加率や寿命への影響を見ると、これは無視できる問題ではありません。2型糖尿病は、症状が出始めるまで何年も気づかれないことがあり、55~60歳まで診断されないこともあります。残念ですが、これは子どもにも多い慢性病です。次に主な原因をご紹介します。

糖尿病の原因は?

この記事の最初にもお話したように、十分なインスリンが生成されない、あるいは効率よく対処できないと、糖尿病になります。インスリン問題につながる要因はいくつかあります。

  • 不健康な食生活:多くの人が食生活の多様性にかけ、砂糖や加工食品を摂りすぎています。食習慣は、糖尿病発症の大きなカギとなります。
  • BMI(ボディマス指数)や体重の増加。
  • 高血圧。
  • 座りがちな生活スタイル。
  • 遺伝の影響もあります。

糖尿病のタイプ

上にも示したように、精神的糖尿病は存在しません。糖尿病にあるのは1型と2型のみです。

  • 慢性的ストレスと高血糖には関係性があります。
  • 脳はアドレナリンとコルチゾールの高数値をエネルギーが必要なサインだと解釈します。その結果、血流により多くのグルコースを放出するよう体に伝達されます。
  • これにより糖尿病になるのではありません。これらの値が下がると、この状態から回復し、通常の血糖値、通常の代謝に戻ります。
  • 膵臓が十分なインスリンを生成しない、あるいはインスリン抵抗性がある場合、血糖値の上昇に対処することができません。

糖尿病と感情に関しての科学的視点

ストレスのみで糖尿病になる人がいないことはお分かりいただけたでしょう。これに関する調査により、議論する価値のある興味深いデータが出ています。

テルアビブ大学は、2006年、仕事の燃えつき症候群と糖尿病の関係に関する研究を行いました。これにより、興味深い結果が出ています。また、ノルウェー科学技術大学が行った大規模な研究においても同様の結論が出されています。精神的糖尿病自体についてお話することはできませんが、感情的要素とその他の要因を組み合わせると、これが糖尿病発症に大きく関係する可能性もあるのです。

うつ病と慢性的燃え尽き症候群は、ライフスタイルを変化させ、偶発的糖尿病の臨床的予測因子になりうる

長年仕事での燃え尽き症候群を経験している人を想像してみてください。時間とともに、うつ病を発症し、全体的なライフスタイルが変化します。食事が変わり、座りがちになり、不眠症になります。これらの変化すべてが糖尿病のリスクファクターなのです。

まとめると、負の感情と糖尿病に直接的な関係はありません。精神的糖尿病は存在しないということです。しかし、うつ病などの要因は、特定の行動や食生活を変えることがよくあり、これにより糖尿病になるケースがあります。精神的健康と身体的健康は繋がっているので、自分を大事にしてあげましょう!

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