性的虐待によって少年や男性が受ける傷跡

21 9月, 2019
自分が生きている社会を、進歩的な社会だと考えたい人が多くいますが、少年への性的虐待という点から考えると、私たちの社会を進歩的な社会だと呼ぶのは難しいでしょう。男児への性的虐待という問題に対する明確な統計はまだ示されていないのです。

少年への性的虐待は、近年の歴史の中でも私たちが注意を払うべき深刻な問題の一つです。

性的虐待は、少年と少女のどちらにも起こりうるもので、どのような場合にも許される行為ではありませんし、被害者にとっては恐怖の体験です。

ある統計によると、少年への性的虐待の数は増えており、より詳しく研究する必要があると考えられています。オーストラリアで実施された調査では、男児11人に1人、女児4人に1人が、何らかの形で性的虐待の被害を受けたと推定されています。

虐待者、つまり加害者は圧倒的多数で男性(97%)ですが、性的虐待の被害者の約26%は男子と男性です。米国で実施された同様の研究からも、類似した結果が得られました。性的虐待の被害者の多くは、生涯を通じてその傷を抱えて生きていくことが多く、忘れることができない心の大きな重荷となります。

性的虐待による心的外傷は、一見すると明らかではない形態のトラウマとして被害者に現れることも多くあります。例えば、気分が浮かないけれどなぜだかわからないときなども、実は性的虐待による傷が影響していることがあるのです。

性的虐待がはびこる社会の中で、近年では多くの女性が痛みを抱えながらも立ち上がっています。

性的虐待を受けた少年や男性の中には、汚名や烙印を押されたように感じる人もいるため、なかなか声をあげる人は多くありませんが、子供の頃に自分が受けた性的虐待を明らかにしようと立ち上がっている人もいます。

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沈黙の文化

子供の頃に性的虐待を経験した少年や男性が、それについて話すのは簡単なことではありません。家父長制度に基づく社会では、少年は父親という権力を持つまでは家の中でとても弱い存在です。

非常に弱い存在である少年の感情面へと入り込み、小さい頃から当然のように虐待をするという残酷なケースも見られます。

性的虐待の被害者である男性が自分の受けた被害を認める時、自分の性的指向についての攻撃、不信感、疑い、不信に「男性らしさ」をさらけ出すことになりますが、これは、性的虐待の痛みが2倍になるほどの辛い経験です。

また、被害者の男性が将来的に誰かを虐待する傾向もあります。虐待の被害者にとって、「誰も自分を信じないだろう」という考えがまず浮かび、自分に実際に起きた「あのこと」を受け入れるのが非常に困難になります。

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少年への性的虐待

少年への性的虐待では、加害者である虐待者が性的な喜びを求めているとは限りません。多くの場合、被害者をコントロールし、屈辱を与え、自分の権力を誇示する目的があります。

被害者が男性の場合は特に、性的虐待を受けることで被害者の性的アイデンティティ、男らしさ、将来の恋愛関係や性的な関係に対して深い傷や大きな影響を当たることがあります。

この傷は簡単に癒えるものではありません。また、性的な暴行によって傷つくのは身体だけではありません。

心理的虐待や虐待された事実に伴う屈辱感や恥ずかしさは、被害者にとって身体的な痛みと同じくまたはそれ以上の大きな傷を心に残します。

性的な暴力は、少年や男性に大きな心身のダメージを与える行為だということを理解してください。

加害者である虐待者は、少年に対する性的な暴力を、大人としての力を誇示するために使います。そして、被害者の同意の有無にかかわらず、少年の判断力のなさにつけこんで虐待を行います。

被害を受けた少年は圧倒的な罪悪感を感じることとなり、少年は実年齢よりもより早く感情面で成熟する必要に迫られます。

その結果、この経験は被害者に有害な影響を与える非常に危険なものとなります。

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悪質な家父長制に隠された恐怖

男性から男性への性的虐待が家父長制の延長であるということを理解するのに苦しむ人が多くいます。性的虐待と聞くと、一般的には男性から女性と考えられますが、実際は「強者から弱者」へと性的虐待が行われるため、家庭の中で力のあるものが、弱い者ならば性別に関係なく虐待を行うことがあります。

これは人間の文化において長い間隠されていた事実ですが、人間としてお互いを尊敬し合うことは大切なことです。家父長制度というのは、男女のどちらにも有害なシステムであり、今後は人間としてこのシステムを撤廃するべく戦っていく必要があります。

虐待 家父長制

心理的な傷

性的虐待を受けた被害者の少年たちが受ける心の傷は、性的虐待の被害者である少女たちの心の傷といくつかの共通点を持っています。どちらのケースでも即時の反応としてうつ病やうつ症状が現れた後、罪悪感や自尊心の低下なども現れます。

性的虐待の場合は、自尊心の低下が顕著に現れます。性的虐待を受けているという事実が明るみに出ず、いつまでも虐待を受け続けると、恥、汚れ、痛み、自暴自棄、無力などの感情が成長し続けるだけです。

子供は自分で様々なことをコントロールできない世界に住んでいるため、虐待の被害を止める手段を持たない弱い存在です。成長期という子供にとって大切な成長過程において、性的虐待がどのような影響を与えているかについて考えると、虐待が非常に壊滅的な影響を与えることが理解できるでしょう。

性的虐待の被害者が子供である場合、虐待された事実を受け入れるのを阻害する多くの社会的圧力や、前述したようなたくさんの負の影響を受けてしまいます。

多くの場合、性的アイデンティティが深く傷つき、傷を癒すことができないため、虐待による心理面への治癒プロセスを開始できないだけでなく、トラウマと呼ばれる心的外傷が、時間とともに悪化を続けるのです。