摂食不安の原因は空腹ではなく感情である

31 10月, 2020
感情も空腹の原因となります。しかし摂食不安は体重過多やその他の健康問題に繋がるだけでなく、惨めさや痛み、罪悪感を感じることにも繋がります。だからこそ、生理学的な空腹と感情のもたらす空腹とを区別する方法を知っておかねばならないのです。

職場で嫌なことがあった日にストレスや不満から食欲が増すのと同様に、悲しい時にも空腹は刺激されます。摂食不安を抱える人々は生理学的な空腹と感情がもたらした空腹とを、必ずしも常に区別できるわけではありません。これにより、残念ながらコレステロール値の不均衡や高血圧、体重過多、さらにその他の問題などの健康上の弊害が出てしまいます。しかしさらに、これらの身体的問題以上の複雑な試練も待ち受けているのです。

その試練とは、痛みや不満、罪悪感、惨めさです。もちろん、そこには微妙な違いがあります。誰にでもストレスのせいで不適切な食生活に陥ってしまった経験があることでしょう。テスト期間のプレッシャーや仕事量の増加などが、人をこの種の行動に向かわせてしまう場合が多いです。

しかし、そのほかにも気づかれることのない要因も存在しています。そして摂食障害はまさにその経路を経て起こることが多いのです。結局のところ食べ物は心の状態と密接に関連していますので、私たちは時折簡単に抜け出せないような食習慣に陥ってしまうことがあります。ただ、感情がもたらした空腹をお皿いっぱいの野菜で満たすことは決してできません。

そうです、不安は「ジャンクフード」を偏愛するのです。したがって、空腹ではなく不安感自体の背後にある問題を解決できない限り、体に悪い食べ物を食べてしまうという行動が強化され、それを何度も何度も繰り返してしまうことになるだけでしょう。ここでは、食べ物がまるで心に安堵をもたらすための手段のように見なされているのです。

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摂食不安の症状、原因、対応策

摂食不安が常にある人は、心身の不調を抱えています。さらに、このテーマに関する科学的研究の大部分がこの種の摂食関連の問題はほとんどのケースで不安障害が病因学的な要因であることを示しています。

ミネソタ大学精神科で行われた研究において、両者の関係性が記録されています。研究の主導者コリーン・ウェッブ博士は、摂食不安を抱える人の多くが、平均的に衝動的な空腹につながるような精神状態に上手く対処できていないことに気づきました。この背後にもっと深く理解しなければならない複雑な状況が隠れていることは明らかです。

自分が摂食不安を抱えているかどうかを知るには?

自分が摂食不安を持っていることに気づかないことなどありえるのでしょうか?不思議に思えるかもしれませんが、自覚するのがそれほど簡単だとは限りません。なぜなら、生理学的な空腹と感情のもたらした空腹とを区別できない人が多いためです。

感情のもたらす空腹には以下のような特徴があります。

  • 何かを食べたいという衝動が、突然、直情的に、そして渇望のような形で現れます。
  • 摂食へのそういった衝動発作が、概して一人きりでいる時に起こります。
  • 脳が、基本的に快楽をもたらしてくれるような食べ物、つまり強いセロトニン作用をもたらしてくれるような食べ物を求めます。しかしこのような作用は「ジャンクフード」を食することでしか得られず、そのため衝動的にこういった食品を摂取してしまう場合があります。
  • プレッシャーのある状況でやらねばならないたくさんの義務を目の当たりにすると、感情のもたらす空腹はより強度を増して湧き上がります。例えば、次週に迫った仕事でのプレゼンを前にして、本来であればそのプロジェクトに取り掛かり始めなければならないのに、代わりにソファに座ってフライドポテトやピザ、アイスクリームなどを食べてしまう、など。
  • したがってこの種の食欲は生理学的なものではありませんし、また十分に満たされることはほぼありません。満腹になるまで食べて食べて食べ続けるのです。しかし、実際には本人が望んでいるのは空虚感を感じずに済むことと不安を感じなくなることなので、何か満足感を与えてくれるようなことをしてそれを紛らわそうとします。
  • ここで心に留めておかねばならないのが、摂食不安は罪悪感を生み出すということです。そのため、食べ続けてしまうのは感情的渇望をなだめるためなのですが、実際には満たされた感覚を味わうどころか苦痛が悪化してしまいます。
  • 自制心を持てないことで、自分自身に対して嫌な気持ちが湧いてきます。ジャンクフードが体に悪いと自分でわかっていますし、自分で自分を傷つけているという感覚はより一層フラストレーションを増大させます。

摂食不安の原因とは?

この不安が生まれるきっかけとなるのが感情であることは明らかです。こういった気分は様々な状況によって変化しますが、特に以下の点を強調しておくべきでしょう。

  • 高い自己需要。
  • 全てを自らの支配下に置きたいという継続的な欲求。皮肉に思えるかもしれませんが、このことは次のように説明が可能です。全てをコントロールしておきたいという欲求は人を疲弊させ、それが突如リバウンド効果に繋がります。そしてその疲弊状態が、ジャンクフードの摂取というはけ口を求めるのです。
  • 低い自尊心と、食べ物を報酬メカニズムのように捉えていること。
  • また、ストレスフルな時期や単に嫌なことがあった一日に食べ物が脱出メカニズムとなってしまうこと。
摂食不安の原因は空腹ではなく感情である

摂食不安を和らげ、コントロールするための戦略

摂食不安を和らげるためには、あることを頭に入れておかねばなりません。それは、この種の行動が長年続いている場合には摂食障害の専門家に相談しなければならない、ということです。このような状況では、心理士も栄養士も最強の味方となってくれます。

しかし、この習慣が一時的なものであり、特定の時期にしかこの不健全な食生活が起こらないことが自分でもわかっているケースでは、以下のようなガイドラインにしたがってみるのが良いでしょう。

  • 衝動的摂食行為を引き起こすストレスや不安の根源を明らかにしてください。それらを管理し、異なる視点から眺め、コントロールできるようになりましょう。
  • ルーティンに変化を加え、不安を押し流すのに役立つようなモチベーションを高めてくれる活動を行ってください。報酬系を活性化させてくれるアクティビティが良いでしょう。
  • 食べ物以外の報酬を見つけましょう。
  • 一人きりで食べないようにしてください。
  • 何を食べるか計画を立てましょう。その場しのぎの食べ物を入らせる余地を作ってはなりません。
  • 健康に良い食べ物の詳しいリストを持ってスーパーへ出かけましょう。当たり前ですが「買い物カゴに入れなかったものは家で食べることができない」ということを覚えておいてください。
  • 感情のコントロール法を学び、リラクゼーションテクニックを実践しましょう

最後に、ほとんどの人がこのほぼ満たされることのないお腹の空虚感に直面したことが一度ならずあるでしょう。感情のもたらす空腹の正体は決まって、注意を向けてあげねばならない精神状態や、修正や強化が必要な自尊心の産物です。心身の健康はとても重要な問題ですので、医学的サポートを求めるようにしましょう。

  • CM Webb (2011) Eating-related anxiety in individuals with eating disorder.Eat Weight Disord. 2011 Dec; 16(4): e236–e241.
    doi: 10.1007/BF03327466
  • Fairburn, C.G. (1995). Overcoming Binge Eating. New York: Guilford Press.
  • Yanovski, S.Z. (1993). “Binge Eating Disorder: Current Knowledge and Future Directions”. Obesity Research.