心理学のシンボル(Ψ)について

· 2018年10月1日

心理学のシンボルは、神話と「プシー」(Ψ)という単語の不思議な発展に関連しています。ギリシャのアルファベットの中で23番目の文字で、ローマ人たちはプシュケ/ psycheに音訳しました。ラテン語では蝶を表わしますが、風、エネルギー、魂などの意味もあります。

心理学を勉強した人なら、大学をスタートさせてこの変なシンボルがいろんなところに現れるのを目にしたことがあると思います。教科書、教授の研究室、メモ…この科学分野に興味がある人なら、この記号を見たことがあるはずです。哲学と「ファイ(Φ)」など別の分野でも見られる文化的シンボルの一部です。

「心理学という単語は、ギリシャ語で霊魂、心理を意味するψυχήと論を意味するλογίαの組み合わせから来ている」

これらの記号を見たそのままの見た目だけで理解してしまい、あまり考えないことがあります。わたしたちの多くは、人間のルーツである魔法のような知識をわい曲してしまう都市伝説を信じています。同じような流れで、心理のシンボル(Ψ)を、三又のほこだと思っている人もいるようです。もっとはっきり言うと悪魔のほこです。

この誤った理論は、精神的な病気に出くわした時に悪魔に取りつかれたと解釈していた時代の名残です。精神的な疾患は、魔法、魔術、人間のコントロールできないもののような超自然的なことから来ていると信じられていました。つまり、教会やもちろん火あぶりと関連付けられていました。でもどれも真実からは程遠いものです。それでは、心理学のシンボルの本当の起源を見てみましょう。

 

黒い背景
心理学シンボルの歴史

古代ギリシャでは、プシュケ/psycheは蝶を表わしていました。この昆虫は命の息吹、風、命を吹き込む 風です…ローマ帝国の影響のお陰で 少しずつこの単語が人間の魂を意味するようになってきました。命の力、エジプト文化で言う「カー(魂)」です。

ギリシャ人とローマ人は魂に関してとても特定の見解を持っていました。彼らの信念のひとつは、誰かが亡くなった時にエジプト人の言う「カー」が風の息となって体を出ていく、というものです。この風は蝶の形をしていると信じられています。そのイメージはまるで恐ろしいところがありません。彼らは、蝶が光、変化、希望を象徴していると信じていました。

心理学のシンボルの歴史は、「プシュケ/psyche」から来ています。その後、~論を表わす「ロギア/logia」が続きます(ギリシャ語で魂を表わすψυχήと論を表わすλογία)。これが時を経て、「精神の科学」になっていきました。こうして、「Ψ」が略語のように象徴的なシンボルとして使われるようになります。

蝶
エロース(キューピット)とプシュケ

ギリシャの神話では、「プシュケ/psyche」という単語は単なる蝶、精神、魂以上のことを意味していました。プシューケーは、の羽を持つ美しい存在である女神です。彼女のラブストーリーは、最も美しいラブストーリーで、アプレイウスによって『変身物語』のなかで描かれました(黄金の驢馬)。

※スペルは同じですが、日本語では神話の中の人物を「プシューケー」と表記しています。

このストーリーによれば、アナトリア王の3人の娘の内、1人は本当に特別な存在でした。彼女は繊細で、魅力的で喜びに溢れていました。有名なアプロディーテーは、これに嫉妬して若い娘をライバルとして見るようになります。嫉妬心はかなりのもので、矢で射貫くようにすぐに自分の息子であるエロース(キューピッド)を送り込みます。アプロディーテーは、プシューケーが最もひどい醜く心ない男と恋に落ちるように仕向けたかったのです。

しかし、計画通りにいくことはありませんでした。恋に落ちてしまったのは自分の息子のエロースでした。エロースは自分を止めることができず、若き神は毎晩プシューケーの部屋へ向かい彼女を自分のものにしようとします。そしてそれは現実になります。プシューケーは、毎晩自分を暗闇で訪ねてきた男性にぞっこんになってしまうんです。彼の顔さえ見えていないのにも関わらずです。エロ―スは神でしたが、自分の素性は秘密にしていました。

天使

しかし、問題が起こります。プシューケーが姉妹にこのことを話すと、ミステリアスな恋人の顔を見ずに関係を続けるべきではないと言われてしまいます。そのため、プシューケーは決心しました。エロ―スが彼女のベッドで寝ている際にランプを顔に近づけたんです。すぐにエロ―スは目覚めて、プシューケーの厚かましさに怒り逃げてしまいました。

プシューケーの試練

悲しみに打ちひしがれ、落胆し、後悔したプシューケーは、助けを求めてアプロディーテーに会いに行きます。エロ―スの母親は、これをプシューケーを打ち負かすチャンスととらえます。女神の美しさに匹敵するこの女を処分するチャンスです。アプロディーテーは、エロ―スの愛と許しを受けるための4つの試練を与えます。しかし、試練は死者の世界へいき、ケルベロスと対峙し、カローンやハーデースと旅して、ペルセポネーの元まで行き、彼女が小さな箱に保管している美を分けてもらわなくてはいけない、というものでした。

すべての期待を裏切り、聡明なプシューケーは美しいだけではないということを証明します。彼女は賢く、勇敢で、硬い決心を持っています。しかし、すべての試練を乗り越え、 ペルセポネーの箱を手に入れたとき、彼女はうぬぼれと興味に襲われます。箱を開けて中身を見て、美の一部を自分でもらってしまおうと考えました。これがプシューケーが三途の川という罠にはまってしまった瞬間です。幸運なことに、誰かが彼女の目を呪われた箱からそらしてくれました。覚えのあるその肌がプシューケーを慰め、彼女は喜びに満ち溢れます。助けてくれたその人は、彼女を許し助けにやってきたエロ―スだったのです。

この魔法のようなカップルにこれ以上幸せなエンディングはないでしょう。アプロディーテーは、自分の息子の恋人に嫉妬するのをやめ、結婚式で彼らと共に踊りました。ゼウスはプシューケーを不死の存在にします。こうして、蝶の羽をもった美しく勇敢な女性は、心理学のシンボルである「Ψ」を象徴するようになっていきました。