心理療法に関する5つのウソ

2019年3月25日

心理療法は、まだまだ開拓の余地のある分野です。心理療法にまつわる作り話、半面の真理、意味のないウソがたくさんあり、人々はそれらを強く信じています。すべての経験は心に属し、それはつまり脳に属するもので、脳は不適切に働くこともある複雑な器官であるということを理解していない人はたくさんいます。

心が常に最大限の力を発揮できるわけではないことは、いたって普通です。ここで理解しておかなければならないのは、身体的部位の治療より、心の治療は難解だということです。脳は単なる器官ではなく、非物質的な経験も創造します。そのため、すべてが薬や注射を使って治療されるわけではなく、他の方法も必要なのです。そのひとつに、心理療法があります。

「困難に打ち勝つことで、勇気、自尊を手にし、自分を知る。」

-アルフレッド・アドラー-

心理療法に一度も行ったことがないのに批判する人は少なくありません。経験のないことに関し、正しい価値観をもつことは不可能です。さらに、この種の治療に関する偏見を生み出すきっかけとなった有名な漫画や決まり文句などもあります。人がやみくもに信じる根拠のない誤解にはどのようなものがあるでしょうか?次が、その中の5つです。

 

1.誰か話す人が必要な時は、セラピーに頼るべき

「神様こそが最高の心理療法士だ。」「友達がいてくれるから、心理療法士はいらない。」などと言う人がいます。これらの言葉には、心理療法に関する大きな間違いが含まれています。それは、セラピーでは、普通の会話をするようなものだと思っていることです。

心理療法を受ける女性

たしかに、ほとんどの心理療法で言葉を基本道具とするのは本当です。しかし、ただとりとめのない話をするのではなく、心理療法士は、患者を助けるように会話を構築します

 

2.危機に直面した時のみ、セラピーを受けるべき

ほとんどの人が、危機に直面した時、心理療法士のもとを訪れます。非常に多いのが、喪失(別れや愛する人の死など)が原因でセラピーへ行く人です。このような時、人は専門的な助けが必要だと気づくのでしょう。

それは正しく、心理療法士は、このような状況で、患者が快方に向かうよう適切に導くガイドの役割をします。しかし、心理療法士のもとを訪れるのは、危機に直面した時でなくても良いのです。厳しい状況でなくても、どのような状況であってもセラピーに行って良いのです。

 

3.有名な心理療法士だけが良い

これは、心理療法に関する最大のウソでしょう。素晴らしい学歴のある専門家のみが長けている、と信じている人は多いものです。しかし、これは、真実とは限りません。

心理療法の成功には、患者の完全な参加が必要です。これは、心理療法士の教育の重要性を否定しているわけではありません。ただ、有名で、名の知れた心理療法士のみが優れているのではありません。

「どこが痛いか、どこに向かうか、どの問題が極めて重要か、どんな体験が深く埋められているか、知っているのは患者だ。」

-カール・ロジャーズ-

二人の影

 

4.友達ができることを心理療法士はする

良い友達は、あなたが落ち込んでいるのを見ると、助けようと、関心を示してくれます。あなたに耳を傾け、問題に関する意見を言ってくれる友達は、価値あるもので大切にすべきです。友達があなたを助けようとしてくれるのは、あなたへの思いからです。

しかし、友達が与えてくれる親密さやあたたかい心と、あなたが抱える感情的・精神的問題を見出し、支えてくれる人の力には大きな違いがあります。後者は、教育を受けた心理療法士のみができることです。

 

5.犠牲は必要だ

この決まり文句なしに、心理療法に関するウソの話を終わらせることはできません。非常に多くの人が、セラピーは非常に深刻なプロセスであり、その中で質問、分析されると思っています。これは、事実とかけ離れています。患者がセラピーの主役です。心理療法は、患者と患者のニーズを中心に行われます。

実際、このプロセスがどんなに興味深く、楽しいか知らない人は多いものです。積極的になり、自分を高めたいのであれば、これは毎週の楽しみにもなります。教育を受け、信頼のある専門家の支援により、自己発見のプロセスは啓発的になります。

メモをとる

人生が思うようにいかないと感じたり、助けを求めたい時、心理療法はひとつの選択肢になりうることを多くの人が知るべきです。また、セラピーを受けることは、恥ずかしいことではないとここで強調しておきます。気分良くいたいと思うことはおかしいことではなく、今日ご紹介したウソの言葉により素晴らしい旅を邪魔させないようにしましょう。

「心理療法の主な目的は、不可能な状態の幸福に移ることではなく、患者が安定と忍耐をそなえ、困難と向き合えるよう支えることである」

-カール・ユング-

  • Labrador, F. J., Echeburúa, E., & Becoña, E. (2000). Guía para la elección de tratamientos psicológicos efectivos. Madrid: Dykinson.