精神科に行かないためにどんな口実を作っていますか?

精神科に行かないためにどんな口実を作っていますか?
Sara Clemente

によって書かれ、確認されています。 心理学者とジャーナリスト Sara Clemente.

最後の更新: 21 12月, 2022

「私は精神科に行く必要なんてない、私は狂ってなんかいない。」こんなフレーズを何回聞いたことがあるでしょうか。友達や大切な人との会話の中で聞いたことがあるかもしれません。または人ごみの中で、あるいはテレビで言っているのを耳に挟んだことがあるかもしれません。人々は精神科に行かない口実として、いつもこう言います。そしてこれは全くの間違いなのです。

法的な問題があれば弁護士のところへ行き、咳が出ているならお医者さんに行きますよね。では特定の状況や、ストレス、家族の問題に対処できないとき、なぜ精神科を訪れないのですか?

これは精神障害や精神病だけに関わるところではありません。今日の精神科は、人の人生のあらゆる側面に影響力があり、それを改善することができます。人々が精神科の治療にどんどん価値を置くようになってきているとはいえ、セラピーに行くことは未だにタブーのようなところがあります。人々は精神科に行かないために延々と口実を作っていますが、その最もよくあるものは何でしょうか?

「行きたいけど、時間がない」

健康のためには、いつだって時間を作ることができます。そして時間がないのは、そこまで重要でないことに時間を使ってしまっているからです。専門家は、良い気分を保ち、毎日の課題の質を高めるには、心と身体のために時間を作ってあげるよう勧めています。

ですので、きちんと計画を立てることがとても役立ちます。これは、子供がいる場合には特に重要です。週に2回お買い物に行く場合、それを1回だけにして、もう一方の日を自分のために使いましょう。あなたが節約した時間を、他のことに投資することができます。セラピーに行ったり、運動したり、お風呂に入ってリラックスしたり、本を読んだり、散歩したり…

「知らない人と個人的な話をしたくない」

人間関係の問題を友達とするとき、友達の意見がある程度偏っていることは分かっています。しかし、友達は臨床心理士ではありませんし、臨床心理士もアドバイスをするためだけにいるのではありません。強い社会サークルを持っていることが、特定の障害からあなたを守ってくれることも事実です。しかし、吐き出すだけでは十分でないこともあります。

臨床心理士と患者との関係は、客観性がありプロによって行われるものです。セラピストはその患者を批判したり、とがめたりしません。患者が共有したことを一切他言しません。そして最も重要なことは、解決法を提供してくれることです。

精神科に行かない口実

「毎日気分が悪いわけではない」

もちろんそれはいいことです!人生の中で特に難しい状況に立たされていたとしても、24時間ストレスを感じられる人はいません。しかし、問題が常に存在しないからといって、それが存在しないということではありません。表面から隠れて、きっかけが現れるのを待っているだけかもしれません。

関節が痛くてベッドから出られなくなって初めてお医者さんに行きますか?線維筋痛症があるということをできるだけ早く知った方がよくはないでしょうか?何が問題なのかを知って初めて、治療を受けることができます。ですので、言い訳をするのをやめて、精神科に行った方がいいのではありませんか? 不安をコントロールできないなら、そのやり方を学ばなけれななりません。もしそうなら、すぐにでも行うべきです。

「時間が経てば治る」

時間が経てば、物事をより明確に見ることができるようになります。つまり、自分の問題を異なる観点から見ることができ、痛みを隠せるようになります。しかし、残念ですが時間の経過には治療の性質はないのです。

実際、問題を解決するどころか慢性的にしてしまうこともあります。数か月で解決できたものを、何年も、あるいは何十年も苦しむことにしてしまうかもしれないのです。問題は解決しなければなりません。敷物の下にほこりを隠すわけにはいかないのです。

「精神科に行くお金がない」

誰もがお金を持っているわけではないのは明らかですが、皆それぞれ自分にとって重要なことにお金を使います。ですので、人によっては携帯電話にたくさんお金を使ったりします。しかし、健康のこととなると、お財布の紐が固くなるのです。

経済的な問題が深刻なら、無料で精神科にかかれる支援をしているNGOなども存在します。 オンラインの相談もより安く受けられます

「薬を飲みたくない」

臨床心理士の仕事は、薬を処方することとはあまり関係がありません。その仕事は本質的に自然治癒を目指すものです。患者のホルモンの調整を行うのは精神科医です。そのために、向精神薬などの薬を処方します。

しかしこういった薬は非難されるべきものではないということも覚えておきましょう。薬は様々な障害を治療し改善するためには必要不可欠なものであることが多いのです。あなたの腺の一つがうまく機能していないなら、そのバランスを取る必要があります。さもないと、あなたの感情、食欲、性的衝動、睡眠などを変えてしまう恐れがあるのです。

「人は変わらない」

もしも臨床心理士がこれを信じたとしたら、この職業は存在しないですよね。人は学習したり進歩したりすることができないと思っているかもしれません。しかしそれは全くの間違いです。努力と忍耐があればだれでも変わることができます。たった一つその成長の妨げになるものは、あなただけです。

私たちが変えようとしていることが、人の基本的な性格の一部(例えば内向性など)であるとき、その変化はずっと複雑になります。その場合、その人自身に深く根付いているものに対処しているということです。それでも、可能性は大いにあるのです。

精神科に行きましょう

「友達が試したけど気に入らなかったって」

私たちはそれぞれの経験と観点を持っています。自分の信念や伝統、感情を持っています。そして、古くから言われるように比較は喜びの泥棒なのです。他の人の悪い経験に基づく考えは、考えではなく、先入観です。

一方、全ての臨床心理士が良い腕を持っているわけではないですし、心の底から患者のことを気遣ってくれる人ばかりではありません。それはどんな職業にも言えることですよね。ですが、それは全ての臨床心理士が同じであるということを意味しているわけではありません。

口実の裏にあるものとは?

精神科に行かない理由は、本当のところは恥や恐怖を隠しているからなのです。精神科に行くということの意味を否定的にとらえている人が今だに多くいるため恥を感じます。他の人が自分を「奇人」だと考えたり言ったりするのではないかと心配するのです。また痛みや苦しみを怖がります。

人間は感情をさらけ出したくないと思っています。私たちは自分に痛みをもたらしたものを再び体験するのを恐れています。しかし私たちが逃げている痛みが、それをかき消そうとするがために毎日感じている痛みと同じものであるということに、私たちは気づいていないことが多いのです。

自分の気持ちを話すだけで気持ちが軽くなるのを感じたことはありすか?何年もの間あなたの身動きを取れなくしてきたものを解放できたら、どれだけ気分がよくなるだろうと想像してみてください。そのとき、あなたは担当の臨床心理士にこういうことになるでしょう。「なんでもっと早くここに来なかったんだろう。」


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  • Sarafino, Edward P., and Timothy W. Smith. Health psychology: Biopsychosocial interactions. John Wiley & Sons, 2014.


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。