『スポットライト 世紀のスクープ』:ジャーナリズムの価値

2019年8月1日
『スポットライト 世紀のスクープ』は、芸術映画を思わせる素晴らしい作品です。この記事でその全てを知ってください!

スポットライト 世紀のスクープ』は、ストーリーの語り方に優れ、ジャーナリズムの現実を上手く表した素晴らしい映画です。この物語には、「カーペットを定期的に掃除しないでいると、埃がどんどんたまっていくばかり」という考えがその裏にあります。

この映画の中でボストン警察が埃を払おうとしている「カーペット」というのが、一見シミ一つないように見えるカトリック教会です。物語が展開するマサチューセッツ州のボストンでは、カトリック教会が非常に強い影響力を持っています。地元のコミュニティーを束ねているのがカトリック教会です。それほどに重要な役割を果たしているために、教会が犯罪行為を犯しても見て見ぬふりをするのが一番だと多くの人が考えます。しかしその中には、児童背的虐待すら含まれているのです。

批評家も称賛した映画

才能ある役者たち、優れた台本、細心の注意を払って撮影されたシーンにスムーズに展開していく物語。伏線を張ることなく、主線の物語だけに焦点が当てられます。

2015年には、『マネーショート 華麗なる大逆転』、『ブリッジ・オブ・スパイ』、『レヴェナント:蘇りし者』、『ルーム』といったライバル作品を押しのけてアカデミー賞作品賞を受賞しました。この受賞だけでも、観るだけの価値があることを象徴しています。

「貧しい家庭で育った貧しい子供にとって、宗教は大切なんです。そして神父様が自分に注意を向けてくれるとなったら、子供にとってはそれは大ごとです…神様に「ノー」なんて言えますか?」
‐スポットライト―

物語の始まり

この映画は、日刊紙「ボストン・グローブ」の調査チームである「スポットライト」チームに焦点を当てます。編集者(マイケル・キートン)、マイケル・レゼンデス(マーク・ラファロ)、サーシャ・ファイファー(レイチェル・マクアダムス)、マット・キャロル(ブライアン・ダーシー・ジェームズ)がそのメンバーです。副編集者(ジョン・スラッテリー)と新しい編集者であるマーティー・バロン(リーブ・シュレイバー)も重要なカギを握ります。

新任のマーティー・バロンは、カトリック教会の神父たちが行ってきた児童性的虐待にチームの目を向けます。その瞬間からカメラが映し出すのは、何かできることがあったのに何も行動を起こさなかった人々、見て見ぬふりをしていた人々、そして秘密を隠すのを助けた人々です。

心理学的な観点から見ると、私たちの目を引く点がいくつかあります。例えばこの映画は、いかに外部要因が火付け役となって全てを変え得るかを表す良い例です。虐待のケースでは、この外部要因は近い人の個人的な経験であることが良くあります。例えば映画の中では、地元のカトリック教会の影響を受けずに育った新任の編集者が火付け役となるのです。

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『スポットライト』:歴史を変えた映画

「大司教区と有名な新聞社の戦い…。これほどまでに象徴的な組織が、これほどまでに邪悪な犯罪に手を染めている可能性があるという事実にもし人々が目を開いていれば、この事件にももっと早く光が当たっていただろうに…。」
‐ウォルター・”ロビー”・ロビンソン 『スポットライト』‐

聖職者の児童性的虐待は約10万件が知られいる上に、疑いのあるケースや公にならなかったケースはこの数には含まれていません。これらのケースで最も悪質なのは、黙認、共犯、そして我慢が特徴的であるという事実です。カトリック教会は、自らの大罪を追及されること、そして聖職者たちも人間であることを認めることが恐ろしいのです。

この件に関して大きく進展してきたとはいえ、明るみに出されるべきケースはまだまだ沢山あります。復讐のためや信仰を否定するためにこれらに取り組むのではありません。二度と同じことが起こらないようにするため、被害者が支援されていると感じられるため、そしてあらゆる組織が犯罪行為を隠して上手く逃れてしまうのを防ぐために、この問題に直面しなければならないのです。