優れた人類学者クロード・レヴィ=ストロースの人生

13 4月, 2020
クロード・レヴィ=ストロースの人生は、比較的穏やかなものでした。そうでありながら、彼は人類学の世界に革命を起こした人物でもあります。レヴィ=ストロースは、「人類とは」という疑問に対する答えを見出そうと研究しました。

クロード・レヴィ=ストロースは、現代人類学の父で、20世紀の素晴らしい思想家の一人です。人類の構造主義の祖とされ、この分野の歴史を変えたことで学問の世界で有名になりました。

おかしなようですが、クロード・レヴィ=ストロースの夢は、実は惑星間を移動することでした。複数の場所で人間が宇宙を支配し、月や火星へ移動することが自分の大きな夢であったと語っています。

人類は新たな地で新たな文明を開き、地球にいた人々のことを忘れると彼は想像していたようです。さらに、地球に残った人は野生化すると考え、それを研究するのが夢でした。

「世界は人類の存在なしで始まった。そして人類が存在せずともそれは完成するだろう」

-クロード・レヴィ=ストロース-

コレージュ・ド・フランスの彼の後継者フランソワーズ・エリティエは、レヴィ=ストロースの業績について、人類に関する基礎を教えた人物だとまとめています。

文化は、互いに大きく異なることがあります。それでも人間の認知的装置は同じであることをレヴィ=ストロースは証明しました。人類には、違いと一般性の両方が欠かせません。

クロード・レヴィ=ストロース

 

幼少期のクロード・レヴィ=ストロース

1908年11月28日、クロード・レヴィ=ストロースは、ベルギー、ブリュッセルで誕生しましたが、彼の誕生は計画的なものではありませんでした。両親はフランス系ユダヤ人で旅人だったのです。

父親は肖像画家で、母親は専業主婦でした。そのためレヴィ=ストロースは、絵画、音楽、詩など芸術に囲まれて育ちました

第一次世界大戦がはじまると、彼は祖父と一緒にベルサイユへと移ります。祖父は有名なユダヤ教指導者でした。クロード・レヴィ=ストロースとユダヤ教会堂の最初の出会いは冷たく、厳しいものでした。そのため、彼は若い頃から宗教には関心を示しませんでした。

その代わり自然に情熱を注ぎ、珍しい文化的工芸品の収集に興味を持ちました。また、学校でこそ目立ちませんでしたが、彼の知性は優れたものでした。

10代になると家族が住むパリへ戻り、社会主義組織に入りました。

 

哲学者から民俗学者へ

彼はまず法律を学ぶことにしました。しかし、1927年に考えが変わり、ソルボンヌ大学で哲学を専攻します

ここで、ジャン=ポール・サルトルやシモーヌ・ド・ボーヴォワールと出会います。後に、哲学は魅力的であり、同時に自分を苛立たせるものであったと語っています。彼は哲学の分野には、虚栄や憶測が多すぎると感じたのです。

大学を卒業すると、中等教育機関の教員として働きます。しかし一生学校に尽くすことは考えられず、教員は自分に適していないと感じます。

そんな時、パリ高等師範学校(名門大学院)長であるセレスタン・ブーグレから声がかかり、すべてが変わります。

これがレヴィ=ストロースの人生の転機になりました。ブーグレから、サンパウロ大学の社会学教授にならないかと声がかかったのです

1935年、彼は飛び立ちました。そして1939年、マットグロッソ州やアマゾン川で民俗学調査を始めました。この経験が、彼の非常に重要な功績である人類の構造主義の始まりとなりました。

クロード・レヴィ=ストロース

 

100年の人生

ブラジルでの経験を終え、クロード・レヴィ=ストロースは新たなアイデア、新たなメソッド、偉大な反映を打ち出します。第二次世界大戦中は、ナチスの迫害を逃れるためにアメリカで過ごしました。アメリカで非常に価値のある知的な繋がりを作り、持論を豊かにしていきました。

彼のキャリアの頂点ともなるもののひとつが、悲しき熱帯』の出版で、この本は20世紀の最も重要な1冊と考えられます。この本により彼は学問の世界で有名になりました。また、レヴィ=ストロースは、『人種と歴史』 『Myth and Meaning: Cracking the Code of Culture(神話とその意味:文化の暗号を読み解く)』、『神話論理』も記しています。

さらに、お世辞を受け付けない、人と距離を置く人だったと言われます。また、執筆作業の時は必ず抒情的な音楽を流していたようです。

クロード・レヴィ=ストロースは、数々の賞を受賞して有名になり、2009年に100歳でなくなりました。彼の研究により、人類学の研究と歴史学の研究がふたつに分けられました。レヴィ=ストロースのおかげで、新たな人類学の研究は今日に至っているのです。

Lévi-Strauss, C., & Florián, V. (1971). Conversación con Claude Lévi-Strauss. Ideas y Valores, 20(38-39), 57-68.