睡眠が必要な理由

睡眠が必要な理由
Sergio De Dios González

によってレビューと承認されています。 心理学者 Sergio De Dios González.

によって書かれた Carolina López De Luis

最後の更新: 21 12月, 2022

睡眠は誰にでも必要です。毎晩8時間睡眠が必要な人もいれば、4、5時間しか寝ない人もいます。いずれにせよ、睡眠なしに生きることは不可能です。これは人間の基本的なニーズです。寝不足は、体にネガティブな影響を与え、死を招くことすらあります。

数日間睡眠をとらないと、体に深刻な影響を及ぼします。一日数時間しか寝ていないだけでも、ネガティブな影響が現れます。感情的、肉体的、精神的に影響を受けます。さらに、失った睡眠時間は取り戻すことができません。お昼寝したところで睡眠不足の影響はなくなりません。しかも、実は悪化させてしまうことすらあるのです。

わたしたちが睡眠を必要とすることは明確です。しかし、なぜこんなにも必要なのでしょうか?寝ているときに脳に何が起こるのでしょうか?寝るのをやめたら何が起こるのでしょうか?様々な研究所で自然な眠り状態を再現して、この疑問を科学で解明しようとしてきました。まだわからないことも多いですが、この分野における発見を少し紹介します。

眠っているとき脳に何が起こるのか?

これらの研究がなされる前は、寝ているとき脳は「接続が切れた」状態であるとされていました。専門家たちは、神経細胞活動が実際に止まると信じていました。しかし、実はそうではないようです。夜でも脳の一部はとてもアクティブです。

居眠り

異なる睡眠フェーズにより、脳の活動は変化します。レム睡眠は、最も多くの脳活動が見られるときです。この活動は、脳波を観察することで記録が可能です。起きている人の脳活動に見てとれるふり幅に似たパターンを見ることができます。同じように、ノンレム睡眠においても神経細胞の活性が4秒ごとに見られます。つまり、ノンレム睡眠中でも、脳はまだ活発ということです。

眠りの最も重要な機能は、学んだことを強化する機能であるということが最近わかりました。日中学んだ情報は、睡眠中に処理されます。脳が不必要あるいは関係のない情報を消去して、本当に重要な情報を強化し分類します。

睡眠不足の影響

ほとんどの人が、定期的にあるいは時々不眠症に襲われたことがると思います。夜によく眠れないと、次の日に肉体的・精神的な症状が現れ、次の日をやり過ごすのはサバイバルです。睡眠不足の主な症状を見てみましょう。

 

  • いらだち
  • 疲れ
  • 集中力の低下
  • 悪いムード
  • 頭痛
  • 記憶障害

これらは睡眠不足でおこる影響の一部です。人間はどれだけ長く睡眠なしでいられるのでしょうか?どれくらいで睡眠不足が危険になるのでしょうか? 記録保持者は、寝てはいけないという実験に自ら志願したRandy Gardnerさんです。264時間(11日)保ちました。

数時間後から、Randyさんは不機嫌になり集中力の低下がみられました。実験4日目には幻覚を見るようになり、自分は有名なサッカー選手だと思い込むようになりました。しかし、実験後はネガティブな影響は見られていません。深刻な遺伝性の不眠症を持つネズミと人間の実験から収集されたデータによれば、寝ずに生き延びた人の最長は、3、4週間だそうです。

遺伝的不眠症

遺伝的不眠症は、常染色体優性の遺伝的疾患です。この遺伝的な病気は、20番染色体の異常により、脳が特定のプリオン(タンパク質のみによって構成された感染性因子)を異常に分泌・蓄積します。 この異常な蓄積が、脳機能の低下を招きます。特に、視床に影響します。

この病気が原因の脳の機能低下は、深刻な症状を引き起こします。なかなか治らない不眠症、記憶力低下、運動障害、ミオクローヌス、体重減などです。この睡眠障害は数日から数週間続くこともあります。患者は昏睡状態になるまで長い間眠りにつくことがありません。

あくび

視床機能の低下によって、患者は常に警戒態勢で目覚めたままの状態になります。普通の不眠症患者に利用される治療はこのタイプには効きません。とても珍しい病気ですが、スペインのナバラ州とバスク州に在住する13の家庭でこの事例が見られました。この症状には現在治療法がありません。

きちんと寝ることの重要性

専門家は1日7、8時間の睡眠を推奨しています。ただ、これは年齢や健康状態によって異なります。例えば小さな子供は、認知力の発達や学習プロセスにとって重要な時期であるためより多くの睡眠を必要とします。妊娠中の女性も、より多くの睡眠を必要とします。

睡眠はとても重要です。しかし、気分をすっきりさせてくれるものでなくてはいけません。夢(フェーズ4)とレム睡眠が十分であることが欠かせません。フェーズ4の際は、起きているときに比べて脳内の代謝と血流が75%減少します。これは脳にダメージを引き起こしかねない遊離基を排除する目的であることが科学者によって解明されています。

徐波睡眠(ノンレム睡眠の一種)は、省エネ、体と神経の修復・保護などのために起こります。一方、レム睡眠は記憶の強化を担っています。

いくつか重要な体の機能についてご紹介しました。睡眠は気分を良くしてくれるだけでなく、わたしたちの体や体内時計を更新してくれることは明らかであるとお分かりいただけたかと思います。


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。