スーパー・エイジャーたちの若々しい頭脳

12 10月, 2020
皆さんは、スーパー・エイジャー(衰えを知らぬ高齢者)の若い頭脳について耳にしたことはありますか?ほぼ完全な記憶力を保持し続けるその脳には、どうやら認知機能の加齢状況に関する秘密があるようです。この記事を読み進めてもっと詳しく見ていきましょう。

スーパー・エイジャーという若々しい頭脳の持ち主とは、若いままの頭脳を維持ししており、同じ年代の他の高齢者よりも優れたパフォーマンスを示すような人々を指します。おそらく皆さんもすでにご存知かとは思いますが、人間の認知機能は加齢とともに衰えていくものです。したがって、成人期に頂点に達する推論能力や記憶力、処理スピードなどは人が年齢を重ねるごとに減退していきます。

スーパー・エイジャーという名称が当てはまるのは年齢が80歳以上で、かつ25〜30歳ほどの若者と同等レベルの記憶力を持つような人々です。もちろん、彼らに対しては科学コミュニティも興味を抱いています。さらに、こういった人々がアクティブな生活を送っており、疲労の兆候を見せないということが明らかになってからは特にその関心が高まっているのです。そして普通とは異なる遺伝子構造を有している可能性すら見えてきました。

スーパー・エイジャー 若々しい 頭脳

スーパー・エイジャーたちを特別な存在にしているもの:若々しい精神

スーパー・エイジャーたちは概して特別な人々です。なぜかと言うと、同年代の高齢者の平均よりも高い能力を誇るためです。これに関して、ある専門家たちはこのような人々を身体的スーパー・エイジャーと認知的スーパー・エイジャーの二つのカテゴリーに分類しました。一つ目のグループに属する人々は非常に優れた有酸素能力(有酸素エネルギーを用いて行う運動の持続能力)を持っています。一方で後者のグループに分類されるのは、若者に匹敵するほどの優れた記憶力を持つ高齢者たちです。

また、人生が苦境に陥った際にも、この両グループに属する人々は一般の人々よりも高いレジリエンスを発揮することが多かれ少なかれ明らかになっています。さらに、そのパーソナリティ特性には高い外向性が含まれているのか否か、そして神経質な傾向が低いのか否かという点に関する研究すら行われたのです。このことはつまり、スーパー・エイジャーたちは試練に対して普通とは違う取り組み方をするであろうことを意味しています。おそらく、自身の頭脳の能力を高めるようなアクティビティを行う傾向が高いのでしょう。このアクティビティとは、身体活動の形態の場合もありますし、刺激を生むようなその他の活動もあり得ます。

なぜ一部の高齢者にしかこのような特性が見られないのかについては明らかになっていません。しかし、スーパー・エイジャーではない人々のためにその秘訣を役立てられるよう、このテーマに関する研究が世界中で進められていることは確かです。そして実は、彼らを特別な存在たらしめている要因については、つまりなぜそのような高い認知機能レベルに達したのかについてはすでに素晴らしい研究結果が得られています。

異なる種類の頭脳

研究者たちは主に、スーパー・エイジャーたちの若々しい頭脳の調査に焦点を当てています。そこから得られた発見の一つは、アミロイドβタンパク質に関連するものでした。このタンパク質は脳内にもともと存在しているもので、凝集して老人斑となる場合が多いものです。この物質が、アルツハイマー病に関するカギとなるのです。

スーパー・エイジャーの脳内からは、より多くのアミロイドβと老人斑までもが確認されました。しかしそれにもかかわらず彼らの認知機能や記憶力は衰えぬままなのです。

さらに、同年代の高齢者の平均よりも多くのフォン・エコノモ神経細胞を有していると考えられています。この神経細胞は特別なタイプの細胞で、進化の過程で大きくなっていく脳からの要求を満たす役割を果たしていたと見られます。これらの神経細胞は、その発達を通して情動や感受性、そして心の知能を司る中心となりました。

研究者たちは、スーパー・エイジャーの脳内には、以下の三つの領域においてこのタイプのニューロンがより多く存在していることを発見しています。

  • 前頭島皮質
  • 背外側前頭前野
  • 前帯状皮質(実行機能や共感能力、コミュニケーション力に関わっており、スーパー・エイジャーのこの領域は普通より分厚くなっています)
スーパー・エイジャーたちの若々しい頭脳

社会的側面

普通の人々とは異なる頭脳の特徴を考慮すれば、社会的場面における彼らの行動も異なってくるであろうことが想像できるでしょう。事実、シカゴ大学で行われた研究では、スーパー・エイジャーの集団と、同年代の人々の集団との、パーソナリティ、ウェルビーイング、記憶力に関する比較が行われました。

すると、ウェルビーイングに関しては両グループともに同等レベルであることが確認されましたが、ポジティブ-ネガティブ関係性尺度においては、スーパー・エイジャーの方が高い点数を記録したのです。つまり、彼らの方が人間関係に関する満足感が高く、その関係性の質も高いことが示されたということです。この発見は、彼らのフォン・エコノモ神経細胞や前帯状皮質が通常より優れた発達を見せているという事実と一致しています。この発達により、前帯状皮質は頭脳を健全に維持するためのキーポイントとなっているのです。

さらに、この発見は社会的アクティビティやポジティブな相互交流が認知面の健康に非常に効果的であることを確証してきた幅広い研究結果とも辻褄が合います。この理由は、社会的サポートを受けることが重要だからというだけでなく、人間が互いに交流し合うことで頭脳全体が活性化し、いくつかの認知スキル、特に記憶力や注意力、意思決定能力などが高められるからでもあります。

では、どうすれば若い頭脳を保持し、スーパー・エイジャーになることができるのでしょうか?その答えまだ明らかではありません。実は、このグループからは遺伝子的な違いも観察されています。しかしながら、彼らの持つ特徴を踏まえると、健康でいるための秘訣とは身体的にも精神的にも社会的にもアクティブでいることだと自然も研究結果も示しているようです。