強い自分から、幸せな自分へ
人生においては、ついに何かを乗り越え、自分は強くなったと感じる瞬間があります。人生は教訓であふれており、そこから何にも負けない強い自分を作ることができることもあるのです。
そしてどんな困難にも立ち向かう武器が自分にはあるから大丈夫と自分に言い聞かせます… ここで、忘れてはいけない大切なことがあります。それは、今こそ幸せになる時でもあるということです。
幸せは、ここではないどこかにあるものではありません。今、ここにあるのです。私達は今を生きており、次に何が起こるかは誰にもわからないため、幸せな人は幸せを先延ばしにすることはしません。
しかし、辛い経験をしたばかりの人がこのように考えるのは難しいかもしれません。その理由は、人生の荒波に飲まれると、今この瞬間に気持ちを置くことが難しくなるためです。そして防御的な姿勢で人生を旅し、以前と同じことが起こらないよう注意深くなります。心のバックミラーを使って過去の経験を振り返り、そこから何かを学ぶことでこれから何が起きてもいいように備えようとするのです。
もしあなたがも厳しく、複雑で、恐ろしい経験をしたのであれば、強くなることに固執しないようにしましょう。こういうとき人は防衛的になりやすく、傷を見せないよう自分を守ろうとしがちだからです。
「人を制する人は強いが、自分を制する人はさらに強い。」
-老子-
強い自分から幸せな自分へ
経験、人間関係、本で読むことや発見することと同じように、バランスから学ぶことはたくさんあります。ここで、心の傷を乗り越えた経験のあるからといって、幸せになる方法を知っているとは限らないという事実について考えてみましょう。これはまるで、雨の予報ではないのに毎日大きな傘を持って外出しているようなものです。
キュニコス派を創設したギリシャの哲学者アンティステネスは、私達の目標は「魂から侵入不可能な要塞を作ることであるべきだ」と言っています。しかし固い壁に何の意味があるのでしょう?石でできた壁は、ほとんど光を通しません。また、向こう側を見ることができず、最悪なのは本当にあなたに会いたがっている人がいても、扉が閉ざされているということです。
このように、強くあろうと必死になる人は、傷つくことへの恐怖から防衛的になりがちです。これは最良のストラテジーとは言えません。幸せは、恐怖心や防衛機能を持ちすぎた人と調和することはできないのです。
最も優先すべきことはなんでしょう?
1990年代、マーティン・セリグマンがポジティブ心理学を創設して以来、物事はあまり変わっていません。世界には幸せになる方法を教える自助本が増え続けています。その中でたいていは指導者が機能的な人間になるためのカギを教えると約束しています。
悪い経験をした人、トラウマになるような状況に直面した人が、このような本から助けを得られるとは限りません。この分野の専門家で心理学者、ニューヨーク大学教授のジェローム・ウェイクフィールドとラトガーズ大学教授のアラン・ホーウィッツは、『それは「うつ」ではない どんな悲しみも「うつ」にされてしまう理由』を出版しました。この著書の中で、この問題について語られています。
現代社会では、幸せであることが「義務」になり、人に過度のプレッシャーを与えています。実際、 感情のレパートリーが無視されゆがめられており、不安・恐怖・悲しみは見下されていると多くの専門家も指摘しています。トラウマになるような経験をした人は、自分の負の感情を強調し続けます。
では、こういった人はどうしたら幸せになれるのでしょうか? 自分の幸福のためには何ができるのでしょう? 信じがたいかもしれませんが、実はこのような人は有利な立ち位置にあります。困難を経験したことがない人は、幸せに関し夢見がちです(完璧なパートナーがいて、完璧な仕事があり、素敵な旅行に行くなど)。しかし、強くなった人は、平穏やバランス、愛、健康など基本的な面に価値を置くことができるからです。
様々な物事の組み合わせが幸福へのカギ
人生があなたを強くしてくれました…今度は、幸せになる時です。闘いを終え、人生の変化を経験しても、それに屈してしまうことはありませんでしたね。その精神は石のように強靭です。
今度は、柔軟性と受容性を身につけましょう。変化を受けいれ、人生への扉を開き、自分は何に幸せを感じるのかを探しに行きましょう。
この「道」の途中で、幸せになるためのカギが見つかります。それは、非常に重要な要素です。これに関し、ヴィクトール・フランクルは著書『夜と霧』の中でこう語っています。「私達は、語る。当然、自分の人生の目的を求めることについて。」
人生に意味を与え、あなたの中で魔法を起こすような内的強さとモチベーションをもつことが重要です。それを燃料として、さらに良い自分になるため、そして自分にとって大切なものに基づいた目標を立てて、毎日を過ごしましょう。