生まれつき右利き?左利きは偶然?

生まれつき右利き?左利きは偶然?

最後の更新: 25 2月, 2019

10人に9人ほどの人が右利きです。世界中で10%程度しか左利きの人がいないという計算になります。なぜでしょうか?ただの偶然?あるいは右利きなことは遺伝でしょうか?それとも訓練でしょうか?今からでも左利きになれるんでしょうか?性格が影響してるのでしょうか?

説明は簡単ではありません。これに関する様々な研究が行われていますが、はっきりとした結論は出ていません。しかし、かなりの科学的立証がされている2つの有力な仮説が存在します

どちらの仮説でも、右利きであることや左利きであることは、神経学に関わっています神経系の成長に関わっているということです。そのため、このように生まれてきたわけではないということははっきり言えます。これは偶然ではないのです。どちらかと言えば、幼少時代に培われるものです。なぜでしょうか?

秘密は脳に

1つ目の仮説は、数年前から言われていることです。この説では、利き手というのは脳で決まると信じられています。その人の「側性」によって決定づけられます。「側性」とは、手、目、足、耳など体の右側や左側のどちらをより使うかということです。

 

脳

解剖学的に見れば、体のパーツは左右対称です。しかし、機能的に見れば、非対称的と言えます。物事を行う時に、体の片方が優勢になる場合、これを「側性」と呼びます(書く時、ドアを開けるとき、テニスをするとき…)。左利きは左手を使います。右利きは右手を使います

3~6歳までの間に「側性」を形成していきます。7歳までにはそれが定着します。5歳までにこれが形成されていない場合は、専門家の診察を受けるべきです。

 

側性化

この理論を理解するために、側性化というものを知っている必要があります。これは、脳の片方がもう一方より優勢であるということです。一般的に、右脳は体の左側に「指示」を出し、左脳は右側を動かします。そのため、次のことが言えます。

  • 右利きの人は、左脳が優勢で右に側性化している。
  • 左利きの人は、右脳が優勢で左に側性化している。

脊髄がすべてを決める

最近、ドイツのルール大学ボーフムの研究者たちは、脳ではなく脊髄が側性を決めると発言しています。懐胎8週目にはすでに左利きと右利きに遺伝子的な違いがみられることを発見しました。

赤ちゃんがお腹にいるとき、すでに肢体の動きを担っている脊髄の遺伝子が2つのグループに分かれているのです。例えば、子宮の中の赤ちゃんは片方の指をしゃぶります。これはどう可能なのでしょうか?

そのプロセスをご説明しましょう。大脳皮質は、子どもの肢体の動きをコントロールする脊髄に信号を送ります。8ヶ月では大脳皮質と髄質のコミュニケーションは見られない、ということを研究者たちは発見しています。つまり、この時の子どもの動きを担っているのは脊髄のみなのです。

側性はエピジェネティクスによって説明付けられるというのが、これらの研究者の考えです。つまり、環境が遺伝子に影響を及ぼし、左と右側の脊髄に異なる影響を及ぼすということです。

 

バケツ


両利きのひとは?

もし右利きでも左利きでもない場合、側性が適切に発達していない可能性があります。こうなった場合、子どもは両利きになります。あるいは、混線・矛盾した側性を持っているかもしれません。

  • 両利きということは、側性がはっきりしていないことを意味します。別の言葉で言えば、脳の優勢な側がないというとです。そのため、子どもは無意識に体のどちらの側も使います。どちらの手でも、右だけでも、左だけでも物事を行えます。
  • 混線した側性とは、側性が部位ごとに変わるということです。例えば、スペインのテニス選手のラファエル・ナダル選手は、利き目が右で、利き手は左です。
  • 矛盾した側性は、子どもが側性を変えるように強制された時に起こります。左利きの子どもが、右手で書くように強制された際によく見られます。歯を磨いたり、握手したり、何かを押したりするなど、文化の介入を受けない行為の際のみ「自然な」手を使用します。

矛盾した側性は、左利きの人の社会的過小評価に関係しています。言語の中にもそれを見ることが可能です。英語で右を意味する「right/ライト」は、「正しい」という意味でも使われますよね。多くの国で、左手を使う人は見下されるため、親は子供の利き手を「なおします」。

どうやって人が右利きや左利きになるのかを見極めるのには、わからないこともまだたくさんあります。しかし、脳や脊髄に関する研究によって、明確な科学的説明に近づいて行っているようです。

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