若いカップルにおける家庭内暴力
思春期や青年期というのは、さまざまな意味で独特なものです。私たちがこれらを経験するのはが度だけだから、というだけでなく、それらに伴うあらゆることのためです。この期間は大人になり、これから始まるさまざまな新しくてわくわくする世界への準備をするときなのです。
その世界の中で最もわくわくさせてくれるのはおそらく愛の世界でしょう。私たちが恋愛として人々に興味を持ち始めるのが思春期です。さらに私たちの普通の人間関係や友情でさえも以前とは異なります。経験を豊かにする扉が開きますが、同時に潜在的な暴力への扉も開いてしまうのです。
こういった変化や人間関係の性質の発展のため、緊張感が生まれます。悲しいことに、身体的暴力や言葉の暴力もまた生まれるかもしれないのです。若いカップルにおいて家庭内暴力につながるかもしれない要素について知ることが重要です。そうすることで、その状況を改善するように努め、悪化させないようにすることができるのです。
「社会的に平等で、人間らしく異なり、完全に自由な世界のために。」
―ローザ・ルクセンブルク―
社会文化的要素:若いカップルにおける家庭内暴力
若いカップルにおける家庭内暴力のリスクを高める可能性のある要素はたくさんありますが、社会的そして文化的要素はその上位にあり、考える必要があります。悲しい事実ですが、私たちの社会の多くの人が、暴力は自分の欲しいものを得るための手段だといまだに考えているのです。しかしありがたいことに、大半の人はこの状況により敏感で、それを厳しく批判しています。
さらに、性別の役割に関する伝統的で文化的考え方も一役買っています。それは多くの場合、男性には暴力的な傾向があり、女性はそれを許す傾向にあるということを意味します。性別による暴力と女性を犠牲にすることに寛容な風潮があるのです。
それにもかかわらず、若者や思春期の恋愛パターンを分析してみると、暴力的な振る舞いは女の子の中にも見られます。しかしこれは、大人になるにつれて減っていきます。女の子は暴力を自分の不安や怒りをコントロールするのに使うことが多いのに対して、男の子は自分の男らしさを再確認し、操作を行うために使います。
私は全ての人と子どもに私たちに加わるよう促します。ジェンダーバイオレンスは、私たちがそれに耐えることを拒否しない限り、撲滅しないでしょう。
―パン・ギムン―
対人関係の要素
対人関係の要素については、家族と仲間があります。伝統的に、家族の中で(親の間や子どもに対して)虐待がある場合、子どもが思春期や青年期になった時に暴力を繰り返すのではないかと思われてきました。しかし、驚くべきことに、研究によれば暴力をふるう人の3分の1「しか」このような背景を持っていないのです。
今起こっていることは、若者が暴力を友達との関係の中に見ているということです。これが起こると、暴力は正しい、あるいは必要だという文化的な考え方さえもが永久に続いてしまうのです。結局、人は自分にとって大切な社会的グループの中に自分を見つけ、そのグループが暴力的な行為を大目に見ている(あるいは少なくとも非難していない)のです。
個人的な要素
最後に、若いカップルにおける家庭内暴力に影響する個人的な要素についても見ておかなければなりません。もしも攻撃性がすでに以前の関係の中に見られていたなら、それが再び起こる可能性は高くなります。
リスクファクターは他にもあります。不安、嫉妬、依存、衝動性、そして問題解決のための社会的スキル不足などがその例です。アルコールや薬物乱用も、この問題に関わっていることがあります。
現実としては、若いカップルにおける家庭内暴力は複雑な現象なのです。たいていこれらの問題の一つだけが問題なのではなく、その組み合わせによるものです。そこに本当の危険性があるのです。
ですので、これらすべての分野に取り組むための予防プログラムを作ることがとても重要なのです。そうすることで、暴力が現れ、確認され、常態化する前にそれを防ぐ希望が生まれます。
「暴力は無能な人が最後に頼るものだ。」
―アイザック・アシモフ―
画像はAdrian Savaさん, Alexis Brownさん、 Tr N Toanさんのご厚意で使用しています。