辞めるべき時を知る

辞めるべき時を知る
Valeria Sabater

によって書かれ、確認されています。 心理学者 Valeria Sabater.

最後の更新: 21 12月, 2022

物語、人間関係、繋がりには、諦めなければいけないものがあります。それは、固く結ばれたロープのようなものです。スケジュール通りに出発する電車を止められないように、物事を諦めるのは必ずしも臆病や降伏を意味するわけではありません。辞める時を知る事は勇気のある行動なのです。

変化に対する心の準備ができていないと、人生にとって大切な人を自分達から遠ざけていくことがあります。例えば、最近までとても重要だった仕事やプロジェクトに時間や体力を費やす事を止めるのは簡単な事ではありません。私達の脳は変化に長けておらず、つい「準備してなかった」と言ってしまうのです。だから、習慣やルーティンからの休養は、この洗練された私達の体に恐怖を生み出すのです。

「もう十分だ!」と心が叫んだ。そしてもう一度、心と脳は同意した。

脳には、同じ場所で、同じ事を、同じ人と保つように働きかける傾向があり、それは私達を心地の良い場所から離れる事を難しくします。この強迫観念のようなものは、私達に「もう少し続けてみよう」や、「何かが変わるのをもう少し待ってみよう」と思わせるのです。

しかし、私達はそのような変化が来ない事を知っています。少し待つということは、長く待ちすぎるという意味もあります。私達は、「あなたを殺さないものはあなたを強くする」(大きな困難をのり越えれば、あなたはもっと強くなる、という意味の海外のことわざ。)という昔ながらの考えと共に育てられ、物事や人を諦めるというのは意志が弱いなどと言われてきました。

私たちを苦しめる物理的な「問題」があるとします。そこには破滅的な不幸が見えます。このような状況を避けるのは間違いなく勇敢で健康的な行動です。

女性を殴る花の腕

辞める時を知るのは簡単ではない

失敗したり、怪我をした時、次も大丈夫だろうとは思いません。当然、私達は危機回避を学びます。しかし、なぜ自分を苦しめるような状況を避ける事をしないのでしょうか。このシンプルな質問の答えにはデリケートで複雑な側面が隠されています。

まず、実際の生活では岩に覆われた道や穴だらけの道を通ろうとしません。これは比喩であるものの、問題は現実に起こる危険性は正確に特定できない、ということです。誰がどのような人間で、何を愛し、どんな気持ちでいるかなんて誰も分からないのです。また、自分自身が様々な事を必要とする生き物だと自覚する事は大切です。愛情、物、コミュニティ、自由な時間、セクシュアリティ、交友関係、仕事、そして変化などがあります。人は本質的にダイナミックな生き物で、突然変化をすることもあるのです。

この人間の変動的な特徴は私達を未知の世界へと導きます。リスクを負うことで、何か新しい事への挑戦、経験が可能になり、生き残る事も出来るのです。また、脳はとても社会的なので、自分にとって価値の無い人間にも二度目や三度目のチャンスを与える事もあります。それは、距離より繋がりに価値を見出し、既知より未知への興味があるからなのです。

男性のシルエットに浮かぶ街

私達はコストが利益を大幅に上回っても、自分自身の心がまるで敵のように「諦めるな」と何度も何度も囁いてしまう間違いを犯しがちです。しかし、私達は何か基本的で不可欠なものをにおいておく必要があります:自分を傷つけたり、不幸にするものから逃げる事は、諦めるということではなく、生き残るという事なのです。

あなたの「スイートスポット」を見つける

スイートスポットを見つける事は、自身のバランスや肉体的、感情的な傾向を見つける事です。どんな時でも何が自分にとってベストなのかを知る事が大切なのです。そして、これは自分自身の成功や失敗、今までの生活を通して得た経験、観察、反応から成る客観的な自己学習です。

「わずかなもので満足できぬ者は、何ものにも満足できぬ。」

エピクロス

「スイートスポット」とは、私達の行っている事や頑張っている事の全てが、有益で満足できるようなバランスです。しかし、ストレスや困惑、恐怖、涙、又は極度の疲労が出るとそれは「ビタースポット」になってしまい、すぐにその状態から離れる必要があります。

 

安全地帯

このシンプルな方法はどのような状況にも対応することが出来ます。スイートスポットを見つける事は知恵からくる行為で、物事全てに限界があるという理解を深める助けになり、諦める事と辞める時を知る事は違うという事を教えてくれます。自身の限界を知る事は、どこで幸福と不幸が、チャンスと苦しみが分かれるのかを理解することです。

日々のスイートスポットを見つけ、私達の生活の質を改善してみましょう。


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。