4つのタイプの嬉し涙とその効力とは?

あなたが最後に嬉し泣きをしたのはいつでしたか?嬉し泣きほど強烈かつ癒やしの力が強く、心地よいものはそれほど存在しませんので、抑え込んだりするのはやめましょう。嬉し涙には4つのタイプがありますが、その全てが経験する価値があるものなのです!
4つのタイプの嬉し涙とその効力とは?
Valeria Sabater

によって書かれ、確認されています。 心理学者 Valeria Sabater.

最後の更新: 22 12月, 2022

嬉し涙は、私たちと生活や他の人々、そして最も豊かな感情群とを繋いでくれる架け橋です。この強烈な感覚を感じることで、私たちには良い影響があるのです。ですので、これを抑えつけるようなことはしないでください。自分をインスパイアしてくれるような何かを、あるいは自分を愛する誰かと繋ぎ合わせてくれるような何かを経験させてくれる、この素晴らしい感情を隠すのはやめましょう。

幸せな瞬間に心を奪われて涙が出たのはいつが最後でしたか?もし思い出せないようなら、あなたの人生には変化が必要な部分があると考えるべきでしょう。実は、嬉し涙とはウェルビーイングの高みにいる状態を意味していて、ポジティブで人生を豊かにするような瞬間の本質そのものなのです。こういった瞬間を育み促進することは、まさしく幸福のためのエクササイズだと言えます。

興味深いことに、ポジティブな涙には4つのタイプが存在することが科学によって明らかにされました。これらを特定する方法を知っておくということは、各タイプの違いに気づけるようになるということを意味します。そうすることでそれぞれのセンセーションが養われ、人生や人間関係、そして周囲の世界を今よりもっと楽しめるようになるでしょう。

4つのタイプの嬉し涙とその効力とは?

泣くことでカタルシスが得られる

人はなぜ泣くのでしょうか?道端で通りすがりの人にこの質問をすれば、おそらく「悲しいからです。あとは、泣くことで悲しみや苦悩を発散できるからです」というような答えが返ってくるでしょう。言うまでもなく、涙を人生の厳しい部分、つまり感情的な痛みや肉体的痛みと関連づけて考えている人はたくさんいます。

しかしながら、何かに心の底から興奮した時に出てくる喜びの涙というものも存在します。涙を流すことは、実は人間としての生活の一部であり、人は悲嘆のせいで泣くよりも幸福を感じて泣くことの方が多いのです。

イェール大学のOriana R. Aragon博士によって行われたものをはじめとするいくつかの研究が、泣くという行為にはカタルシスを得ること以外の目的が存在しないことを示しています。

涙は生涯で経験する特定の経験をより強烈なものに変えた上で、天然の痛み止めとして働いてくれます。悲しみの涙と喜びの涙の両方がエンドルフィン・エンケファリンの放出を促しますが、この神経伝達物質には痛みを和らげて幸福感を育んでくれる役割があるのです。

嬉し涙についてはもう一つ面白い理論があります。それは、人が泣いている時、本人の脳はそれが悲しいからなのか嬉しいからなのかを分かっていない、というものです。これは、脳にとってはどちらも強度の強い精神状態であることに変わりはなく、両方ともが副交感神経系を作動させてリラックスモードに入ることを促すものだからです。この働きは、アセチルコリンという涙のスイッチをオンにする神経伝達物質の放出によって行われます。

嬉し涙 効力

嬉し涙:様々なタイプ

このテーマに関する研究はどんどん増えてきています。そんな中、コーネル大学で行われた新たな研究によって、嬉し涙には4つのタイプがあることが明らかになりました。要するに、人に涙を流させるほどのポジティブな感情が原動力になっているシチュエーションが、4種類存在するということです。

愛情による涙

愛は、数ある感情の中でも最も驚異的な感情です。突然の一言や仕草、ハグ、あるいは共に過ごす時間といったものが人の涙を誘い、このエキサイティングな感情をいとも簡単に経験させてくれます。

同じことが、優しい気持ちが存在する場面でも起こります。例えばとてつもなくかわいらしい赤ちゃんやペットを撫でている時、笑顔とともに自分の目に涙が滲んでくるのがわかることもありますね。

勝利のスリル

ゲームやレース、あるいは何らかのスポーツのイベントで勝利を手にした時に嬉し涙が流れることもあります。これは、苦境を乗り越えたり、試験に受かったり、面接を経て仕事をゲットしたりといった形の勝利の際も同様です。

また、かなりの時間や労力を費やし、犠牲を払った後で何かを成し遂げた時にも喜びの涙が湧いてきます。自分で予想していたよりも良いパフォーマンスができた時に強烈な興奮が経験できるのは当然のことと言えるでしょう。

インスピレーションと美:自分を鼓舞してくれるものや魅力的なものへの涙

水平線から昇る朝日。息をのむほど美しい風景を写した航空写真。お気に入りの芸術作品を見ること。劇場を訪れて芝居を鑑賞し、感動のあまり言葉を失ってしまうことなど…。

または大好きな歌手あるいはバンドのコンサートに行って音楽を聴き、惚れ惚れすることなど、嬉し涙はこういった美しいものや自然に関わるもの、そして文化に関するものによっても生み出されます。

嬉し涙と笑いの共有

笑い泣きをすることほど、人を満ち足りた気持ちにさせてくれるものはないでしょう。大好きな人たちとともに大笑いすること。あばら骨が痛くなるほど笑うこと。涙が出るほど爆笑すること。これらよりも素晴らしいことなどあるでしょうか?

答えは確実に「ノー」でしょう。こういった瞬間にこそ、ユーモアの感覚と共に本物の楽しさやポジティブな感情が流れ出し、真の幸福を感じることができるのです。

最後に上記で挙げたようなシチュエーションのいずれかで涙を流して以降、どれくらいの月日が経過しているのかじっくり考えてみると良いでしょう。愛、ユーモア、インスピレーション、個人的な満足感、これらの要素は全て、真の心のウェルビーイングを生み出して確立してくれるのです。さらに、私たちにはこれらのポジティブな感情的瞬間を育む能力が備わっています。このうちのいくつかを毎日経験できるように努力するべきでしょう。


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  • Aragón, O. R., Clark, M. S., Dyer, R. L., & Bargh, J. A. (2015). Dimorphous Expressions of Positive Emotion: Displays of Both Care and Aggression in Response to Cute Stimuli. Psychological Science26(3), 259–273. https://doi.org/10.1177/0956797614561044
  • Zickfeld, Janis, Beate Seibt, Ljiljana B. Lazarevic, Iris Zezelj, and Ad Vingerhoets. (2020). A Model of Positive Tears. PsyArXiv. November 8. Preprint.

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