愛の神話:オルペウスとエウリュディケ

2020年2月21日
オルペウスとエウリュディケの神話は、愛は死後もすべてを超えて続くことを思い出させてくれます。人が本当に人を愛する時、愛する人の側にいるためだけに地獄へ行くこともためらいません。

オルペウスとエウリュディケの神話は、死をも超越する愛の話です。オルペウスは音楽と芸術の神であるアポロと、詩の女神でクリオとも呼ばれるカリオペーの息子です。この両親のもとに生まれたオルペウスは音楽の才能の持ち主でした

オルペウスは父親から音楽を学びました。父親の愛の象徴としてアポロが自分の琴を渡すほど、彼の才能は優れていました。この楽器は、亀の甲羅を使いヘルメースが作ったものです。この話は、オルペウスがこの世でもっとも美しい音楽を演奏する所から始まります

彼の音楽は素晴らしいもので、神や人間は彼の音楽を聴いては涙しました。狂暴な生き物でさえ、彼の音楽の魔法にかかりおとなしくなりました。オルペウスは女好きでモテましたが、森の聖エウリュディケに出会ってからすべてが変わることになります

オルペウス エウリュディケ 神話

 

オルペウスとエウリュディケ

オルペウスは浪費家で、冒険的人生を送ります。そしてアルゴナウタイと共に、金の羊毛を探す旅に出ます。旅路で人魚が歌を使い船人を惑わせた時、彼がみんなを助けたと言われています。この人魚たちは歌声で船人に催眠術をかけ、海に飛び込ませ殺害していたのです。

オルペウスはここで才能を発揮し、それを免れました。人魚が歌い始めた時、彼は琴を演奏したのです。オルペウスの音楽は人魚の声よりずっと美しいもので、琴の音は人魚の声を沈めました。その結果人魚の魅力に惑わされ亡くなったのは、たった一人にとどまりました。

この冒険の後、オルペウスはエウリュディケと出会います。エウリュディケは非常に美しい少女でした。オルペウスは彼女の水に映る姿を見て、彼女を愛するためには死ぬこともできると感じました。そしてついにエウリュディケも彼の愛に気づき、恋に落ちたのです。その後2人は結婚します。しばらくの間は愛情あふれる幸せな日々を過ごしました。

 

エウリュディケとの別れ

オルペウスとエウリュディケは、彼女の宮殿で充実した幸せな日々を過ごしていましたが、エウリュディケは自分が森の聖であることを忘れることはありませんでした。そのため、森に向かい、慣れ親しんだ自然の中で過ごすことを止めることができなかったのです。ある日彼女が森へ行くと、猟師に追われる無力な小鹿を見つけました。そこでその小鹿を助けたことで、彼女は猟師の怒りを買うことになります。

その男は自分とキスをするのであれば、彼女の行いを許すと言いました。しかしエウリュディケは結婚していて幸せであったため、当然その幸せを恐怖に陥れるようなリスクはおかすことはできません。すると男は無理に近づこうとしたため、エウリュディケは走って逃げました。その途中、休んでいる蛇の頭を踏み、噛まれてしまいました。そして森の聖はその場で息を引き取ってしまうのです

妻の死を知ったオルペウスは、絶望します。そして彼女を死から救おうと、黄泉の国に行くことにしました。琴と美しい歌声を使い、船頭のカローンとハーデスの猟犬で地獄の番犬であるケルベロスを説得し、冥界の女王ペルセポネーの元へと連れて行ってもらいます。そしてオルペウスの音楽を聴いたペルセポネーはとても心を動かされます。

愛の神話 オルペウス エウリュディケ

 

永遠に一緒に

ついにペルセポネーは、オルペウスに条件付きで妻の命を取り戻すことを約束します。その条件とは、元の世界へ戻る時オルペウスがエウリュディケの前を歩くことです。そして完全に冥界の外に出て太陽の元に行くまで、エウリュディケを見てはいけないというものでした。オルペウスはその条件を受け入れますが、エウリュディケがついてくるとは信じられませんでした。愛する人ではなく、悪魔が後をついてくるのではないかと恐れたのです

ついに洞窟から抜けるという時、我慢できず後ろを振り返ってしまいます。その時エウリュディケは太陽の光があたるもう少しの所まで来ていましたが、また命を落としてしまいます。オルペウスはショックを受け、悲しい音楽を奏で続けます。それを聴いた神までもが涙を流しました。どこか気まぐれなマイナスが彼のことを好きになりましが、オルペウスはその誘惑にひかれることはありませんでした。

マイナスはその復讐としてオルペウスを殺し、その体をあらゆる場所にばらまきました。驚くべきことに、これによりオルペウスはエウリュディケと再び黄泉の国で再会することができたのです。そして今、2人は永遠に一緒にいます。それからというもの、牧草地や茂みでは美しい音楽が聞かれるようになったと言います。

Delgado, R. G. (2003). Interpretaciones alegóricas del mito de Orfeo y Eurídice por Fulgencio y Boecio y su pervivencia en la Patrologia Latina. Myrtia, 10, 17-33.