愛する人には本を贈りましょう

本を贈ることは愛を示す行為です。だからこそ、もし誰かを愛しているなら、その人に本を贈ってください。これは心や物語、知識、そして自由の詰まった世界全体を相手に差し出す行為でもあるのです。特別な相手にふさわしい本を選べば、魔法のような経験になるはずです。
愛する人には本を贈りましょう
Valeria Sabater

によって書かれ、確認されています。 心理学者 Valeria Sabater.

最後の更新: 21 12月, 2022

誰かを愛しているなら、その人に本を贈ってください。心からその存在をありがたく思えるような友人がいる場合も、本をプレゼントしましょう。ただ一冊本を選び、それを相手に贈るだけでいいのです。小説やエッセイ、自助マニュアル本、料理の本、短編集など、どれを選んでもそこには知識がたくさん詰まっています。本は人の生活を豊かにし、より自由を感じさせてくれる力を秘めているのです。
毎年4月23日は世界図書デーとされています。ご存知ないかもしれませんが、この祝日はかなり豊かで多様な日です。この日はイベントなどが行われるだけでなく、好きな作家についてもっと知ったり、その作品について深く考えるのにも良い機会となります。さらに、書店による素晴らしい業績の数々を思い出すための一日でもあるのです。
本が存在しない世界など、想像するだけで悲しいですね。それはきっと、空虚な宮殿の中で道に迷い、学びや冒険、そして発見の待つ広い世界への扉が一つもない状態で彷徨うようなものでしょう。
このように、本から得られるものに感謝するのはいつでも心地良いものです。また、新しい作家を見つけたり、読んだことのないジャンルにも挑戦してみることで、終わることのない文学のるつぼに身を投げ出すのも賢い考えでしょう。
結局のところホルヘ・ルイス・ボルヘスが言ったように、人間が発明したあらゆるモノや機器の中で、本こそが最も偉大な発明なのです。なぜなら、本とは人間の記憶や想像が詰まった素晴らしいものだからです。
“本は、言語構造あるいは連続した言語構造以上のものだ。それは本がその読者とともに作り上げる対話であり、読者の声に押し付けられるイントネーションや記憶に残り続けるイメージである。本とは孤立した存在ではない。本とは関係性であり、無数の関係の軸なのだ”
-ホルヘ・ルイス・ボルヘス-
愛する人 本を贈りましょう

愛する人には本を

本には、出来の良くないものもあれば忘れがたいものもあります。また、少しの間飾っておきたくなるような本も、人生をまるっきり変えてしまうような本もあるでしょう。新たな観点を見つけ出させてくれる本、目を離さずにいられないような警察の陰謀が描かれる本、ホラーテイストではあるものの楽しませてくれる本など、本当に様々な本が存在するのです。
中には、幼少期や青春時代に読んだものほど忘れ難いものはない、と言う人もいます。それはきっと、読んだ本によって人生が変わってしまう瞬間だったり、新たな情熱や学び、そして趣味への扉を開いてくれた瞬間だったのでしょう。
例えば、ジュール・ヴェルヌやアーサー・コナン・ドイルの作品から読書人生をスタートさせた子どもが、ジャンルや時代、作者を問わず手当たり次第に本を読み漁って成熟していくこともあります。
チェーホフのような古典作品を好む方もいれば、トーマス・マンの『魔の山』に立ち返ったり、ジョエル・ディケールやイアン・マキューアンの最新作を見つけ出す方もいるでしょう。結局重要なのは、文字の大海原に飛び込む喜びと、その流れに身をまかせる快感なのです。
映画『永遠の愛に生きて』には、一人の生徒がC・S・ルイスに、人は孤独を感じずに済むように読書をするのだ、と伝えるシーンがあります。それが正しいか否かはわかりませんが、いずれにせよ出版に携わる人々が望んでいるのは何よりも、人々に本を読んでもらうことであり、読めば読むほど読者の心は豊かになって行くのです。
しかしながら、愛書家たちが書店を第二の自宅のように感じているのは、ただ読む喜びのためだけではありません。本の持つ本当の価値とは、思考のための機会を与えてくれることなのです。

特別な相手のために本を選ぶことの奥深さ

好きな人がいるのなら、その人に本を贈りましょう。本というのは、ただ数百枚の紙切れをひと束にまとめただけのカバー以上の存在だからです。その中には、知識が刻み込まれています。
つまり、ページ一枚一枚に、たくさんの考えや熟考の成果が詰まっているということです。小説の場合は、登場人物たちと、制約はあれど忘れ難いひと時や絡み合った感情を共有することができます。
一般的に、本を誰かに贈るときにただランダムに選んでしまう人などいないはずですよね。実は多くの人々が、すでに自分が気に入っている本を選んでしまうという治しようのない癖を持っているようです。
つまりこれは、本を贈る相手に対して自分がそれを読んでいた時に感じていたのと同じ感覚を味わって欲しいと思っているということです。そのストーリーが描写しているのと同じ空間への旅と経験を共有するのが楽しみで仕方ないのでしょうね。
愛する人 本を贈りましょう

大好きな恋人や友人、同僚、お子さんへ…本を贈ってください!

世界を理解するのに役立つ本があれば、学びを得られる本、救いを与えてくれる本もあります。また、娯楽的に楽しめる本や、人生を一変させてしまうような本も存在するでしょう。ご自身のような読書好きの人が身近にいるのなら、本を贈ってみてください。一番最近自分が読んだ、心を惹きつけられた本を贈れば、その本は一生忘れられない本となるはずです。
読書よりも映画を観る方を好むような友人、家族、あるいは同僚だったとしても、諦めないでください。こういった人にも本を贈りましょう!ただし、選ぶ時には慎重に。相手の趣味を調査し、興味を持ってくれそうな本を渡して驚かせましょう。
また、甥っ子や姪っ子や幼い兄弟姉妹、友人の子どもなどがいるのであれば、ぜひ年齢関係なく気兼ねせずに本をプレゼントしてください。
愛する人がいるなら、本を贈りましょう。そうすることで心の旅や発見につながり、より自由に、そしてより高く飛び立つためのカギを相手に与えられるので、結果的に相手にとっても良いことなのです。幼少期に読書の喜びを知ってしまうと、もう後戻りなどできません。それはまるで、解毒剤はないけれども頻繁に読書をすることでより幸福を得られるような、魔法の毒薬のようなものなのです。
トーマス・カーライルがよく言っていたように、人は遅かれ早かれ本が滅多に自分を失望させることのない最高の友人であることに気づくものです。それを踏まえて、身の回りを本でいっぱいにして、キャンディを配るように気軽に大切な人々にも渡してあげてください。

このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。