あなたがつけているのはどの仮面?
仮面は、人が状況に適応するためによく使うツールです。前へ進むために自分を再開発する方法でもあります。仮面は、自分は何でもできると感じさせてくれ、信じるものにより傷つけられることから身を守るのに役立ちます。
言い換えると、仮面をつけることは無意識の防衛メカニズムであり、自分が危険な状態にあると感じるときに働きます。これは生存に役立つメカニズムなのです。仮面をつけることは、必ずしも悪いことではありません。
ところが、仮面をつけることで適応の目的が果たされない場合があります。この場合、実はその反対に働きます。この種の仮面は、取りたくても取るとができないもので、様々な精神病理学の研究のテーマになっています。ゲシュタルト心理学で「エゴ」、サイコドラマでは「カルチュアル・コンサーブ」と呼ばれます。
仮面をつけなければならない時
人は非常に幼い頃から仮面を使い始めます。人に受け入れられたいのであれば、自分の好きなようにばかりはできないと気づいた時に、おそらくあなたも仮面を使うようになったのではないでしょうか。
例えば、親から認められるためには、フラストレーションやかんしゃくを抑えなければならないことを学びます。あるいは、クラスの仲間に認められたければ、我慢することも必要です。
仮面は、自分と人との関係に境界線を作ります。生活の中で必要とされる様々な役をになります。また、仮面はあなたの衝動性を規制し、共感力など大切な力を養うのに役立ちます。
時には、自分のために仮面をつける場面もあるでしょう。例えば、難しい時を乗り越えるためには、強さの仮面が必要かもしれません。役目が終われば、仮面をはずせばいいのです。
あなたはどんな仮面をつける?
仮面は生活の一部です。あなたを守ることもあれば、傷つけることもあります。仮面において興味深いのは、様々な人が同じ仮面をつける傾向にあることです。
次に、もっとも興味深い仮面をご紹介します。
- 良い子:お行儀をよくすると、人から受け入れてもらえることを早くに学んだ子どもです。受け入れられないことを恐れ、人との間に境界線を引いたり、意見を交えることが難しくなります。単純に相手を喜ばせようとするからです。
- 戦士:逆境を乗り越えるために闘わなければならないことから生まれた仮面です。恐怖や責任を負うべき時に忍び寄る優柔不断さから身を守ります。
- 無関心:無関心の仮面をかぶる人は、周りのものに対し興味がないように見えます。この仮面は自分の苦しみを隠し、外的脅威から守ってくれます。
- 救世主:救世主は皆を守り、負け戦も大切にします。
- 被害者:この仮面を早くに身につけた人は惨めで、愛されるためには被害者を演じるしか方法がありません。
- 強靭:よくみられる仮面で、繊細な人が、傷つくことあるいは弱くみられることを恐れ身につけます。
- リトル・ミス・サンシャイン:悲しみ、怒り、喪失などの感情を受け入れられない人がいます。笑顔を見せ、すべてがうまくいっているかのように振舞います。感情から逃げているのです。
- ピエロ:自分の感情を隠すためにユーモアを使います。リトル・ミス・サンシャインにも似ています。いつも人を笑わせることを止め、誠実に振舞うと人に認めてもら得られないのではないかと考えます。
仮面をはずす時
上記に示した仮面は起こりうる危険から本当の自分を守ってくれます。しかし、仮面を長い間つけているために外せないことも起こりえます。その結果、自分が何者か分からなくなります。仮面は自分の真髄の一部なのでしょうか?
この質問を自分に問いかけるようであれば、仮面を長期間つけていることを意味します。かつてはあなたを守ってくれていた仮面も意味をなしていません。今では、仮面が、あなたの感情や欲求、価値観から切り離す障害になっています。本当の自分の一部を失っているかのようです。この切り離しにより私達は、同じ仮面を繰り返し使う、非常に滑りやすい坂を下りることになります。
また、仮面を外すことが難しいときもあります。例えば、強靭の仮面をかぶっていたのに、本当は弱いことを知られると、周りの人に大切にされなくなるのではないかと不安になります。
しかし、いつかはすべての仮面を外すよう努力すべきです。鏡に自分の姿を映しましょう。本当の姿をみつめましょう。そして、自分を大切にできるよう、本当の自分と繋がりましょう。自分自身に正直でなければ、周りに本当の自分を見せることは難しいものです。