ブラックフライデーが及ぼす3つの心理効果
ブラックフライデーは、アメリカでは知らない人はいないほどの一大バーゲンイベントです。この11月最後の金曜日は、街中にある店やオンラインショッピングプラットフォーム上に存在するあらゆる店に割引やセールをもたらします。
この日の前の何週間かは、どの値引き商品を買おうかと考える人がたくさんいます。ですが、こうしたマーケティング戦略の裏にある心理現象についてご存知ですか?
ブラックフライデーの主たる目的は、消費に集中させ、消費を増加させることです。1年を通して、どんな物を必要とすべきかを人に宣伝し、そして、この日にいくつもの価格下落(全部が本当にそうだとは限りませんが)と共に大きなうねりが起こります。これが云わんとするところは、「欲しいのなら、今が買い時」ということです。
本当のところは、大企業が社会心理学の知識を利用して売り上げを伸ばそうとしていることです。こうした戦略は控えめ、かつこっそりと行われることが多いですが、そうでない場合はずっとあからさまな形です。確かなことは、今、カレンダーを見てこの日に印をつけている人がいるということです。この日まで先がずいぶんあったとしても、この日を既に楽しみにして、気まぐれに自分にご褒美をあげようと計画している人がいることでしょう。この記事では、この日に消費者が特段に物を買う動機を持つために企業がどのようなことを試みているかを説明しようと思います。
1.ブラックフライデー:緊急性と必要性を目覚めさせる日
セールや割引に有効期限があるという事実が、本当は必要のない商品を買わなければいけないという緊急性を生み出します。確かに、その商品がなくても当然生きていけます。ですが、そんな機会を本当に見逃す気ですか?
ブラックフライデーはクリスマスの祝日に近いこともあってうまく行きます。そして、クリスマスに近いことが緊急性を劇的に高めます。こうしたことが、今割引になっている物を買う機会を逃して、数週間後には高価で買わなければならないなんて馬鹿らしいと思わせるのです。
こうしたことが全て、セール中の「とっておき」のものに向き合う消費者にある種の狂乱をもたらします。その上、消費者はその前から何週間にもわたって宣伝広告に晒され、これがブラックフライデーは逃してはいけないイベントだと思わせるようになります。 広告のスタイルは実に多様なため、実に様々なライフスタイルや背景を持つ人に訴えかけることができるのです。
2.幸福と引き換えに商品を売る
私達の感情というのは、意外にも、消費主義に関連するものを含む経済的決断に多大な影響を及ぼします。前述したように、意外にも消費は本当のニーズやニーズがあるように見えるものからはさほど影響を受けません。
この大イベントの日の前の期間中は、何を買いたいか妄想する時間がいくらとあります。大抵、通常の値段ではとても買えないようなものについてです。ですが、その日が来れば、いい割引に出会えて、その商品はついに自分の物になると考えます。
加えて、このことが自分の生活がその商品でどれだけ「素晴らしい」ものになるかと想像する時間を作り、その商品は本当に必要なのだと納得するようになります。こうしたポジティブな気持ちを一通り想像して、その快楽を拒否するなんてことはあり得ません。そして、ブラックフライデーの誘惑に落ちざるを得なくなるのです。こんな機会を逃すなんて、どうかしてますよね?
3.価格がクリティカルシンキングを無効にする
商品を割引価格で入手すると、クリティカルシンキング、つまり論理性を無効にする快楽が生まれます。店に入ると、脳が「購入モード」になるということを専門家は知っています。その瞬間、店員の仕事は客を説得し、お金を使わせることになるのです。
この大企業が使用しているマーケティング戦略は、もっと多くの顧客を得て、事前に決めておいた価格で顧客がまさに欲しいと思うものを売ることを目標にしています。この価格はおそらくまだ高値ですが、値引き前の値段はもっと高かったことを消費者が知ることが彼らの戦略です。つまり、宣伝が再度、実は必要ない商品を買うように、緊急性を生み出そうとしているのです。
きっと、あなたもある時点で、本当は必要ないものを買ってしまうことになるでしょう。そして、私もそうなることでしょう。ですが、少なくとも、ここにお伝えしたことを踏まえれば、その購入は意識的に行うことになります。そして、こうしたブラックフライデー「バーゲン」であるべきはずのものが私達の財布の紐を緩めてしまうことになる、ということにも気づくことでしょう。