ビジネス心理学の用途と利点

ビジネス心理学とは、仕事場での個人、団体の行動を研究し学ぶ分野です。ぜひこの記事を読んで理解を深めてみてください。
ビジネス心理学の用途と利点
Andrés Navarro Romance

によって書かれ、確認されています。 心理学者 Andrés Navarro Romance.

最後の更新: 05 10月, 2019

ビジネスの世界では、労働環境を作り上げる様々な要素、そしてその中で役割を果たす要素について知ることがとても重要です。それゆえ、一緒に働くチームの能力と、起こりうるかもしれない問題について知ることが大切です。このような問題を研究するのがビジネス心理学です。これは心理学の中でも労働環境での人の行動に特化した分野です。

ビジネス心理学は、仕事場作りに影響のある全ての要因を掘り下げて研究します。個人レベルの場合もあれば、グループの場合もあります。ビジネス心理学の目的は、労働者のパフォーマンスを改善するために、考えられる全ての要因を明確にするということです。それでは詳しくみていきましょう。

ビジネス心理学

ビジネス心理学の原点

産業心理学の一部として、ビジネス心理学の定義が誕生しました。産業心理学は16世紀後期のヨーロッパの研究を主に主体としています。

ファン・ハルテ・サン・ファンが1575年に著した「科学のための創意工夫の検討」を読むと、この分野の研究の全てを知ることができるでしょう。専門家は、これをビジネス心理学を効果的に説明した著書だとしています。

数世紀後、第二次世界大戦と世界全体に影響を与えた経済危機により、再びビジネス心理学が興味を集めるようになりました。主な理由としては、多くの企業がこの世界的な出来事からの立て直しを必要としていたからです。これは影響が経済レベル、また企業レベルに及んだことによります。

例として、軍隊を挙げてみましょう。戦争時は、技術的に高度な作業をこなすことができる若い働き手が多く必要となりました。招集された若者は、この心理を植え付けられて、色々な作業を任されたのです。

戦後

しかし、戦後、彼らは全く別の仕事に戻らなければなりませんでした。戦後のリハビリに関連した問題が、心理的なストレスと失業率を増加させる結果となりました

この労働危機を救うため、数世紀前に研究されていた産業心理学のコンセプトが、現在のビジネス心理学へと進化しました。産業心理学の研究と応用が、産業の分野だけでなく、労働環境の全てに及んでいたため、ビジネス心理学への応用が可能でした。

違いといえば、産業心理学は個人の行動を分析していたのにとどまっていたのに対し、ビジネス心理学ではグループの行動も分析も含まれているということです。このようなグループを対象として研究は、企業というグループ環境で行われます。

ビジネス心理学と人事の違い

どの団体であれ、ビジネス心理学と人事のマネジメントを同じものとしてとらえてはいけません。前者は心理学に属し、実践するにはきちんとしたトレーニングが必要です。

ビジネス心理学は、人事に関する問題を扱うこともあります。しかし、それ以外にもモチベーション、ストレス、文化などの要因を扱います

人事部で働くために、ビジネス心理学のトレーニングは必要ありません。人事部では主に、予算、人件費、契約、または規定の分析などを扱います。ですから、心理学よりも、経済や法学の知識が重要視されます。

産業心理学 ビジネス心理学

ビジネス心理学の働き

上記したように、ビジネス心理学は企業のあらゆる分野、機能で活用できます。下記でこれらを分野ごとに詳しく説明していきましょう。

  • スタッフオリエンテーション:この分野や心理学でもっとも重要な分野だと言ってもいいでしょう。この目的は労働者のチームの作業を計画し、目標を明確にすることです。
  • スタッフの成長:この分野でのビジネス心理学の目的は、労働者が必要としている物を理解し、トレーニングを設計することです。加えて、スタッフが業務をきちんとこなすことができるように最良の方法を見つけ出し、実行することが大切です。これは、スタッフが就いている役職で成長し、新しいスキルを身につけることに繋がります
  • マーケティング:この分野では、アンケートを実施し、労働環境をグループレベルで分析します。また、企業の商品やイメージを分析し、潜在する顧客がどのように受け入れるかを研究します。
  • マネージメント:最後に、ビジネス心理学では企業の規定によるマネージメントと管理体制について分析します。これは、スタッフのマネージメントや各役職に与えられた責任の分析などを含みます。この分野では特に、既存の企業の中で効果的に新しいチームを作り上げることが目的です。

引用された全ての情報源は、品質、信頼性、時代性、および妥当性を確保するために、私たちのチームによって綿密に審査されました。この記事の参考文献は、学術的または科学的に正確で信頼性があると考えられています。


  • Robbina, S.P. (1996): Comportamiento Organizacional. Teoría y Práctica. Editorial Prentice – Hall, Hispanoamericana. S.A. 7ma Edición, México.
  • Rodriguez Fernández, A. (1995): Los Recursos Humanos en las Administraciones Públicas. Editorial Tecnos, Madrid.

このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。