知的障害:定義と分類

2019年5月5日

知的障害者は、その年齢の平均に比べて、認知リソースがあまり発達していない状態です。そのため、学習がより難しくなり、特定のメッセージや特定の状況において、コミュニケーションに大きな努力を必要とします。この種の障害は、通常18歳までに識別され、世界人口のおよそ1%を占めています。

知的障害は精神障害ではなく、発達障害であることを記しておくことが重要でしょう。このタイプの障害をもつ人は、基本的には私達と似ています。夢、興味、テイスト、好みがあります。知的障害を非難してはいけません。それを避けるためにより良い方法は、知的障害に関して学ぶことです!

 

知的機能と適応行動

知的障害には様々な程度があり、また、それぞれが異なる問題を抱えています。認知機能獲得が遅く不十分であるために、論理、計画、問題解決、抽象的な思考、学習に問題が生じます

社会的・実用的問題と同様に概念的問題があり、適応能力が非常に限らている場合もあります。言葉で自分を表現する能力や、読み書き、責任の感覚や自尊心も同様に発達が不十分です。

身だしなみ、自分の世話、調理など日常活動における自立の程度は、障害の重症度に左右されます。

健康や社会的関係への影響

知的障害は、個人の身体的・精神的健康の変化を伴うことがあります。それにより、健康に関する他の面にも影響がでます。

知的障害を伴う症候群には、次のようなものがあります:レット症候群、乳児重症ミオクロニーてんかん、プラダ・ウィ―リー症候群、ダウン症、アスペルガー症候群、脆弱X症候群(マーティン=ベル)、肥満、糖尿病、HIV、性感染症、認知症も可能性が高いものです。

さらに、個人のコミュニケーション、相互作用、社会参加にも影響します。知能や適応の制限により、地域社会の生活に普通に参加することが難しくなります。そして、家、学校、仕事、趣味の時間など彼らの環境にも影響します

外を見る子ども

 

IQの役割

知的障害の診断をするのに、IQだけでは不十分です。IQで定量的に知性を測るのに加え、個人の知的機能をより深く検査する必要があります

IQは個人の精神年齢と実年齢の関係です。精神年齢は知的発達に対応しています。つまり、その年齢の平均に比べて、知的パフォーマンスがどの程度であるかを計ります。実年齢とは、生物的なものです。

IQが70より低いと知的障害だと考えられます。また、130を超えると、異端、天才と言われます。またIQには、知的障害の程度を測る分類も存在します。

 

知的障害の種類

DSM5によると、軽度、中等度、重度、最重度の四つに分類されています。

軽度(IQ50-55から70)

知的障害者の85%が軽度です。

  • 概念的領域:抽象的思考、機能的能力、認知的柔軟性、短期記憶に少し影響する。
  • 社会的領域:未熟な社会的相互作用のため、ごまかされる危険がある。
  • 実用的領域:生活タスクを遂行する際、監督、指導、補助が必要。特にストレスのかかる状況では、この支援が極めて重要。
  • 年をとるまで、障害のない子どもと同じようにみえることがよくある。

中等度(IQ35-40から50-55)

10%が中等度です。

  • 概念的領域:完全な日常活動のためには継続的な支援が必要。課題によっては、他の人が行う必要も生じる。適度な監督により、自分の世話に関するスキルを学ぶことができる。監督下において、スキルを必要としない、または、少し必要とする仕事を遂行することが可能である。
  • 社会的領域言葉を使うコミュニケーションでは、障害のない人と比べ、言語は豊かではなく、複雑でない。これは、特定の社会的ニュアンスを正しく解釈することができず、新たな関係を築く際、問題が生じることを意味する。
  • 実用的領域:支援や継続的な指導の下、特定のスキルや能力を発展させることができる。
知的障害の親子

重度(IQ20-25から35-40)

知的障害者の3~4%が重度です。

  • 概念的領域;特に数値的な概念で非常に制限される。多くの分野で、常に支援を必要とする。
  • 社会的領域:口語は非常に初歩的で、文法は単純で、語彙が限られる。コミュニケーションは非常にシンプルで、現在に限定される。
  • 実用的領域:毎日のすべてのタスクで常に監督が必要。

最重度(IQ20-25 )

少数(1~2%)で、ほとんどが神経疾患と関連しています。

  • 概念的領域:明白な影響がある。物質的世界、非象徴的プロセスしか考えられない。指導の下、指差しなど特定のスキルを獲得できる。動作や感覚の困難に関連し、物の機能的な使用が難しいことが多い。
  • 社会的領域:言語的、身振りのコミュニケーションの理解が不安定。非常に基本的でシンプルに自分を表現し、非言語的な方法がほとんどである。
  • 実用的領域:すべての分野で完全に従属的である。動作や感覚の欠如がなければ、特定の基本的活動に参加することが可能。

知的障害者が受け入れやすい環境を作るには、公的支援が必要です。そうでなければ、環境的な制限が、彼らがもつ制限にさらに加わるのみです。

どんな場合も、障害より人が大切であるということを決して忘れてはいけません。知的障害者も私達と同じで、感情、夢があり、何か貢献するものをもっています。