カップルのなれ合いの関係

12 3月, 2020
人間関係は、単純なものではなく、結婚した夫婦には衝突がつきものだということを知っておくと良いでしょう。しかし人は柔軟性を失うと、機能不全あるいは共謀関係に陥ることがあります。

「類は友を呼ぶ」これは人間関係にまつわる諺です。自分の周りの人をどう選ぶかには、無意識なパターンができていることを意味します。これは、その人と両親との感情的な人間関係、特に幼少期の関係に由来していることが多いものです。子どもと親との機能不全の関係は、将来の関係に害を与えることになり、心理学でなれ合いの関係と呼ばれるものになりかねません。

なれ合いの関係の概念は、オーストリアの心理学者ポール・ワツラウィックが研究の中で、ヒューマンコミュニケーション理論に適用されたのが始まりです。そして心理療法士ヘンリー・ディックスが著書『Marital Tensions(夫婦の緊張感)』で、結婚した夫婦におけるなれ合いの概念を発表しました。

さらに、スイスの精神科医で心理療法士のユルク・ヴィリは、人間関係における無意識の機能不全な行動を指すのに、なれ合いの関係を用い、この言葉を一般に広めました。

このタイプの行動は、夫婦間でみられます。そしてこのような有毒で無意識な動きが2人の関係を形作っているのです

「一人になりたくないために、結婚に逃げる人がいる」

-ユルク・ヴィリ-

カップル なれ合いの関係

 

ヴィリは、なれ合いという行動は、その関係に「共通の無意識」を生むと言います。そして、距離が離れたり近づいたりを繰り返す中で、衝突が何度も起こります。

この関係にある人は、別れることにも親密になることにも耐えられません。一緒にいる時には息苦しさを感じ、離れている時には分離不安を抱くのです

そして、個人という存在から閉じ込められた存在となり、個人の境界線が重なり、害のある行動をとるようになります。これは個人の病気ではなく、その関係が病的なのです

 

人間関係におけるなれ合いの両極性

なれ合いの関係の動性では、その関係にいる両者が偏った役割を果たします。それぞれ、積極性と受動性、従属性と支配性、独立性と依存性の行動をとり、分極の機能を作り出します。暗黙のうちに、一人の強みによってもう一方は言われるがままになります。

言い換えると、弱い方の人は退行的で幼稚な態度をとりやすく、もう一方は積極的または誤った成熟性のある態度を示します。これは、相手に対し大人のような役割を果たそうとするために起こります。そしてカップルは防御的な悪循環に陥ります。

なれ合いの関係が、抑圧された、同質で、癒されることのなかった幼少期の傷から派生していることは少なくありません。幼少期の満たされなかった欲求やフラストレーションを互いに癒すために、相手を必要とするのです。

そして、相手は自分を内なる衝突から救ってくれると期待します。また、相手が過去の恐怖から自分を自由にしてくれる、あるいは満足のいっていない両親との関係や愛のある関係の傷をすべて癒してくれると考えます。

彼らは、このような互いの精神的な傷を癒そうとしますが、何度も同じような悪いパターンや困難に陥ってしまいます。すべては、夫婦間の問題や個人の問題を解決しようと行われていることなのですが、実際は痛み、失望、相互批判、恐怖の反映につながってしまうのです。

ここで、「私がこうなのはあなたのせいだ」というような言葉が使われがちです。このような夫婦にある問題は、2人ともが自分を変えようとしないことです。それどころか、置かれた状況をさらに深刻にしてしまいます。

 

なれ合いの関係の出口

なれ合いの関係は、罪悪感、非難、不安の有毒なメカニズムが続く落とし穴です。そして、ここから抜け出すための出口を見つけるカップルは多くありません。

夫婦間の危機ならば、有害ななれ合いの関係を続けるか、反対になれ合いの関係を止め、結婚を解消するかになります

また、セラピーを受けるという選択肢もあります。心理療法士が今ある傷にあった解決法を使い、2人を導いてくれるでしょう

いずれにしても、期待をなくし、お互いを平等に見るようになった時、初めて愛を築くことができるようになります。

カップル なれ合いの関係

 

満たされることのない期待を抱き、人の傷に責任をもたないことはフラストレーションにしかなりません。実際、このような病的な状況に陥り、カップルがお互いの自尊心を壊す可能性さえあります。

カップルは、愛について学ぶ授業のようなもので、転んでも起き上がることを学ぶ場所だと心にとめておきましょう。また、内に秘めたポテンシャルを大きくすることも重要です。ここで、お互いに対する尊敬や責任をもっておくことを忘れてはいけません。

一般的にカップルの成功とは、永遠に一緒にいることだと考えられがちです。しかし実際はその反対の可能性もあります。つまり、それが健全である時にのみ関係を続けるべきだということです。

Willi,J.(1978). Pareja: relaciones y conflictos. Morata.

Willi,J.(1978). Psicología del amor: el crecimiento personal en la relación de pareja. Herder.