ドナルド・レデルマイヤーと月の魔力

09 2月, 2020
ドナルド・レデルマイヤーによるいくつかの研究で、満月の日にはより多くの交通事故が起きる、という考えを支持するようなデータが示されています。同様に、精神科医のベーアとエイヴリーも、また別の種類の月がもたらす影響の証拠を発見しました。
 

『ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル』誌が、ドナルド・レデルマイヤーによる月がもたらす効果についてのいくつかの研究を発表しました。これらによると、満月は命に関わるような交通事故を増やすそうです。これこそが、世界中のいくつかの国から集めた一連のデータを分析した結果、この研究者が導き出した結論でした。

ドナルド・レデルマイヤーの研究は、前述の雑誌のクリスマス号を飾りました。この種のエディションは一年に一度のみ発行され、その中には面白くて目を引くような、人々を驚かせる研究が含まれます。もちろん常に科学的な事実に基づいた研究です。

人類は、月の持つ魔力について昔から知っていました。月は常に詩人や恋人たち、そして科学者たちを太古から魅了してきたのです。月は、まるで神秘の中のオアシスのように夜になると輝きます。しかし、月は本当に命に関わる事故に繋がるような影響を人々にもたらすのでしょうか?ドナルド・レデルマイヤーの調査は、これを証明しているようなのです。

“時には、狼たちが静まり返り、月だけが呻り声をあげる夜があるのだ”

ジョージ・カーリン

ドナルド・レデルマイヤー 月の魔力

ドナルド・レデルマイヤーの研究

ドナルド・レデルマイヤーの研究には、統計学的な土台があります。この科学者は、トロント大学の研究者であり、プリンストン大学のまた別の研究者であるエルダー・シャフィルとともに一風変わった分析を行いました。彼らはアメリカ合衆国、カナダ、英国、そしてオーストラリアで1975年から2014年の間に発生した交通事故を検証しました。

彼らはその中からパターンを探し、それを見つけ出すことに成功したのです。それは彼らが予想していたものではありませんでしたが、その探求心をおかげで、命に関わるような事故が満月の夜に増え、その結果としてけが人や死者の数も増えることを発見したのです。

彼らのデータによると、調査された期間の間、満月が出ていなかったのは988日でした。その間、8,535件の交通事故が発生しており、平均で一晩に8.64名が亡くなっていました。

同期間で満月が出ている夜は494日あり、底で起きた交通事故の件数は4,494件で、一晩の平均死者数は9.1名でした。そして”スーパームーン“と呼ばれる期間の平均値は、一晩で10.6名まで増加していたのです。

彼らはこれを、月の魔力のせいであるとしました。実際のところは多くのドライバーが月の美しさに心を奪われ、気を取られてしまっていたことを二人は発見したのです。そしてそれがより多くの事故につながるということです。

ドナルド・レデルマイヤーによる、月の魔力

ドナルド・レデルマイヤーの研究は、人間たちが何千年もの間自問してきた疑問に答えるための逸話的な方法でした。月はどのような影響を人間の行動に及ぼすのでしょう?”オオカミ人間”の伝説は、幻想的な形でこの問いに答えています。ほとんどの動物的本能は満月の夜に人間にも現れるのです。

 

ファンタジーの世界を離れたところでも、月が動物の行動に影響を与えるという仮説を信じ続けている人がいます。度が過ぎないレベルで、アリストテレスは狂気的な攻撃やてんかん発作は月の満ち欠けと直接的に関わっている、と考えていました。さらに、古代ローマの博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスもこの仮説に完全同意していました。

実は、”lunatic”(狂人、変人)という言葉は、よく使われる語彙でありながら、特に満月の夜に起こる突然の行動の変化に言及しています。これに関してはいくつか科学的な研究が行われていますが、そのほぼ全てが完全に一貫しているわけではなく、首尾一貫しているのはたった一つの研究だけです。

ドナルド・レデルマイヤー 月の魔力

興味深い調査

イギリスの精神科医デイヴィッド・エイヴリーは、あるかなり特別な患者を担当していました。その患者は双極性障害を抱えており、非常に几帳面で、科学的な研究を行いたがっていました。そのため、彼は自身の気分の浮き沈みを徹底的に記録していました。そのノートを見たエイヴリーは、睡眠変動が太陰潮の変動と一致していることに気づいたのです。

この結論は、本人にとってもいささか馬鹿馬鹿しく思え、彼はこの件の研究をやめてしまいました。しかし、また別の著名な精神科医であるトマス・ベーアがある記事を発表しました。その中で彼は17人の双極性障害患者が気分の揺らぎに顕著な規則性があることを指摘しており、それだけでなく、その変動が太陰潮のサイクルと一致していることも発見したのです。この研究は、彼が数年間にわたって行なった観察結果に基づいていました。

その後、この二人の精神科医は対面を果たし、力を合わせることになりました。しばらくしてから、二人は様々なフォーラムで自らの導き出した結論を紹介しました。これらは実は経験主義的観点から言えば正しい理論だったのです。行動と太陰潮の変動が一致していたのは確実でしたが、他の科学者たちはこの現象には何か他の要因が影響しており、二人がそれを発見できなかっただけである、と主張しました。

科学界のほとんどの人々は月と行動の関連性を真剣に受け止めようとしていません。なぜなら、これを裏付けるような物理的な土台が存在しないからです。さらに、ベーアとエイヴリーの集めたデータは再現することができませんでした。しかしこれらが全く新たな研究であり、未だ影で覆われた謎の領域に一筋の光を当てるようなものであったことは確実です。

 

Avella-García, C. B. (2010). Evidencia sistemática vs. creencias o conocimiento popular: el caso de la Luna y la patología psiquiátrica. Revista Colombiana de Psiquiatría, 39(2), 415-423.