どうして過去の恋を忘れることはできないのか

2019年11月5日
過去の恋を完全に忘れることは不可能です。その関係が難しいものであったか、ひと夏の恋であったかは関係ありません。私達は皆、ストーリでできており、恋は脳に染み付いたインクのようなものです。

過去の恋を忘れることは、山を二つに割るように難しいことです。記憶にはさびのように強いものがあります。経験やストーリーには、情熱というインクで書かれたものがあり、心に永遠の印を残します。

どんなに願っても、過去の恋を忘れることができないのは、それが今のあなたの一部だからです。

レバノンの作家ハリール・ジブラーンは、心が真実へと開け放されるためには、ある時点で壊される必要があると書いています。愛することを学ぶ必要があるというのは本当かもしれません。心に入ったひびの中で、失恋は永遠の知恵になるのかもしれません。

ひとつ、否定できないことがあります。どんなにひどいものであっても、どんなに喜びが多いものであっても、脳は恋を忘れることはないということです。心の中の人を消そうと、人から聞いた方法や提案をいくつ試しても無駄です。効き目はありません。

経験したことを単純に忘れることはできないのです。今いない人を受け入れ、過去に起こったこと(起こらなかったこと)を認めましょう。こうすることにより、新たなレッスンへと自分を広げ、新しい経験をすることができます

「縄は切れてしまった。結ぶことはできても、それは一度切れてしまったものだ。また出会うかもしれない。でも、あなたは私を見つけることはできない。私達が別れた場所では」

-ベルトルト・ブレヒト-

過去の恋 忘れる

 

脳は過去の恋を忘れることはできない

関係を終わらせ、過去のものとすることが必要なこともあります。二人のためにそうした方が良い場合です。そうすることで必要以上にお互いを傷つけず、自分の尊厳を保つことができます。

よく言われるように、自分を保つためには、遅くならないうちに別れを決断するのが一番良いものです。二人の同意の元の別れ、あるいは一方が勧めた別れ、どちらにしろこれに伴う苦しみは大きなものです。

一般的に、別れから立ち直るのには6~18ヶ月かかるという研究結果があります。記憶をコントロールすることはできないため、過去の恋を忘れることはできません。それでも、それによる感情への影響を調整し、新たな現実を受け入れ、気持ちと向き合うプロセスをたどることはできます。

愛とは強力なもので、カオスでゴチャゴチャした精神的経験だと言うことは皆知っています。恋愛関係は様々で、別れの苦しみから立ち直りやすい人とそうでない人がいます。あなたがどちらのタイプであっても、過去の恋を完全に忘れることは難しいようです。脳はそのようには機能しません。次に、その理由を説明します。

 

感情の記憶と体細胞マーカー

本質的に、人間は論理や道理を学ぶ感情的生き物です。感情はパズルのようで、人とつながっている必要があります。このおかげで、繋がりを作り、お互いを大切にし、リスクを見極め、幸せを求めることができます。

  • 脳にとって愛がなぜ重要なのかをこれらが説明しています。恋愛関係は、安心や安全を感じることができる心地よい布のようです。愛し愛されることで、落ち着き、ストレスや恐怖が軽減されます。そのために、裏切り、失望、予期せぬまたは、望まない別れはとても苦しいのです。
  • 感情の記憶についても考慮しなければなりません。誰かと絆を結ぶと、脳は体細胞マーカーを作ります。キス、愛撫、ハグ、匂い、会話、親密な瞬間などの強力な感情を伴う行為とその経験を脳が結び付けます。健康、幸せ、希望、快楽の印を残します。
  • 感情の体細胞マーカーは、中立的な耐久性のあるコネクションを形成します。いつもそこにある状態です。そのため、ある匂いや特定の場所により、瞬時に過去へと引き戻されるのです。また、これは記憶だけでなく、その時に感じた気持ちも再生します。
過去の恋 忘れる

過去の恋には、自分やストーリーの一部を象徴するものがある

過去の恋を忘れることができないのには、はっきりとした理由があります。仮に記憶から消せるとすると、それは自分の一部を消すことになってしまいます。私達人間は、肉と骨のみでできているのではありません。ストーリーも人を作る大事な部分です。

過去の恋の記憶と強くつながっている人を思い出すのはそのためです。若く、目を輝かせ、誰かに情熱を注いでいた頃の自分です。脳は過去の自分を忘れさせないようにしているのです

忘れてしまうと、それは自己成長を反対に進むかのようです。見たもの、感じたこと、苦しんだことすべてが今のあなたを作っていますこれらを忘れることは、あなたの人生のストーリーのチャプターをまるごと切り取ってしまうことと同じです。

良くも悪くも、それが自分なのです。まだ終わっていません。自分にとってより良いストーリーを作る機会はまだまだあります。愛することは、努力の価値があるもので、愛がもたらす喜びを大切にしましょう。

  • Galena K. Rhoades, et al, Breaking Up is Hard to do: The Impact of Unmarried Relationship Dissolution on Mental Health and Life Satisfaction (2011) Jun; 25(3): 366–374, Journal of Family Psychology.
  • Lewandowski, G. (2009). Promoting positive emotions following relationship dissolution through writing. The Journal of Positive Psychology, 4(1), 21-31.