アインシュテルング効果:異なる考え方をするには

01 4月, 2020
アインシュテルング効果は、私たちがよく考えてみるべき現象です。なぜならこの効果により、人間の脳は問題解決にあたって創造的に思考を行うのが難しくなってしまうためです。私たちは困難な状況下であっても常に同じ戦略を使用する傾向があります。

アインシュテルング効果は、ほとんどの人が頻繁に陥ってしまう認知機能の罠です。例えば、何か問題を解決しようとしてじっくりと注意深く分析した結果解決策は無いと結論づけた際、この効果が起こっているかもしれません。このような考え方をしてしまうのは、私たちの推論に柔軟性がないからです。そのため、物事を異なる観点から見られないのです。

これを理解するためには、よくある現象を思い浮かべてみれば十分でしょう。ある”専門家”が問題を解こうとしている様子を想像してみてください。彼らはその問題を分析し、様々なプリズムから観測します。その時、一人の部外者がやってきてその状況を観察し、”専門家”が考えもしなかったような画期的な解決策を突然発見するのです。

ここで起こったことは正確には何なのでしょう?実はこの種の状況は、ある知識や学問に極度に精通してしまうことで起こります。つまり、人々がある知識に対する一連のアプローチや課題、枠組みなどを、その他の可能性を考えるための余裕を残さずに、そして疑問を抱いたり水平思考を通じて新たな側面を開拓しようともせずに習得してしまった結果起こるのです。

そしてもう一つ知っておかねばならないことがあります。それは、アインシュテルング効果に陥るのは特定のパーソナリティタイプだけに限られない、という事実です。これは、同じ答えや解決策を脳が見つけてしまう時に参照されている知的戦略なのです。このせいで私たちはなかなか革新的で独創的になれません。したがってこれは確実に大問題だと言えるでしょう。

アインシュテルングという言葉はドイツ語で、”順応”と”態度”を意味する二つの言葉から来ています。人が、その他の代替案を妨げながら最もよく知られている解決策のみに順応してしまう状況を指しています。

アインシュテルング効果 異なる考え方

頭脳を妨げるアインシュテルング効果、あるいは認知のショートカット

すでに問題を解決するための自分なりの戦略があるのに、なぜ他のアプローチを試して時間を無駄にしなければいけないの?この文が、私たちが問題に直面した時に頭脳が行うショートカットについての要約になっています。見方によっては、この現象が起こる理由は人間が数多くの先入観を持っているからだと考えられるでしょう。事実、私たちは日々この効果とともに”機能して”いるのです。主に時間を節約してくれるものや、効率性を高めてくれるものが採用されています。

以前から持っている知識が、より創造的で独創的なアプローチを採用する機会の妨げになることはよくあります。それが、有名な「既知の悪魔の方が、知らない悪魔よりもマシである」という考え方なのです。このことが示しているのは、人間は習慣をもとに生きる生き物だということです。

人々は常に、即興で対応したり新しいものを試すよりも経験というレパートリーに重きを置きます。そのため、ほとんどの人が「これを試してどうなるか見てみましょう」よりも「いつもこの方法でやってきたのだから」の方に安心感を覚えるのです。

アインシュテルング効果を考慮すると、専門家の方が創造性が低いことになる

アインシュテルング効果は1942年にアブラハム・ルーチンス博士によって最初に説明されました。彼は「”専門家”は時に最も創造性が低く、革新性に欠ける人々となる」という人々の注目を集めるような発見をしました。ではそれはどのように起こるのでしょうか?

何かに専門的な知識を持つ人々は、疑問を抱くことが極めて少なくなります。彼らは経験のみに頼るような非常に頑なな認知スキーマに落ち着いてしまっているのです。だからこそその分野についてあまり知らない人物が斬新で独創的なアイディアをもたらしてくれる場合があります。彼らは古い考え方に新たな価値観を加えてくれるのです。

アインシュテルング効果 異なる考え方

より柔軟な考え方ができるよう、自分自身の改革を始めよう

水平思考、柔軟な考え方の維持、革新性へのニーズに伴う創造性の価値といった言葉を聞いたことのない人などいるでしょうか?こういった次元を活用すべきだということは全ての人がわかっています。なぜなら、これらを仕事やライフスタイル、思考に取り入れることでその人の社会の幸福度を高め、前進させることができるからです。

しかし、変化が常に歓迎されるわけではないということも認識しなければなりません。ほとんどの職場で、現状を維持することや「これまで通りいこう、機能しているのだから」という考え方がはびこっています。これが、アインシュテルング効果により私たちが通常通りの解決策で問題に取り組むことを余儀なくされており、その結果何の進展も得られない理由です。

では、ここでできることは何でしょう?実は、私たちはたくさんの物事を変えることができます。まずは自分自身を変えることから始め、その後で他の人にももっと革新的で柔軟で自由な発想をしてもらえるよう働きかけましょう。これらが熟考すべきいくつかのポイントです。

アインシュテルング効果を抑える方法

  • 問題を解決しようとする時、一番最初に頭に浮かんだアイディアは使わないようにしてみましょう。代わりに、視野を広げようとしてみてください。
  • 知識を蓄え、広げてください。いくつかの分野については自分が専門的だったとしても、他者の知識に頼ることでより広大な地平線を探検し、物事を様々な観点から見られるようになります。また、相対化する能力も身につきます。
  • 頭脳の反応をコントロールし、振り回されないようにしましょう。「私はそれについてはよく知っている」や「この方法がうまくいくとわかっているのにどうして別の方法を試さないといけないの?」といった考え方をしてしまうのは非常に一般的です。しかしこのような思考はアインシュテルング効果に繋がってしまいますので避けるようにしましょう。

最後に、これまでよりも開放的で柔軟で独創的な水平思考的アプローチを取り入れるには時間がかかります。自分自身の脳を再度育て直さなければならないからです。したがって、既成概念にしがみつくのをやめる必要があります。斬新な考え方ができるよう自分を鍛え、継続的に成長を続けて学んでいきましょう。

  • Luchins, A. S. (1942). Mechanization in problem solving: The effect of Einstellung. Psychological Monographs54(6), i–95. https://doi.org/10.1037/h0093502