不安感と低い自尊心:綱渡りのような危うい生き方

自尊心は一定で静的なものではありません。例えば不健全な人間関係を経験した後、その人の自己イメージは自己愛や安心感とともに暴落してしまう恐れがあります。今回の記事では、そういった状況でどんな対策を取ることができるのかについてお話ししていきますよ。
不安感と低い自尊心:綱渡りのような危うい生き方

最後の更新: 29 11月, 2020

不安感と自尊心は直接的に関連しています。たくさんの人が、ミスをすることや失墜すること、そして他人から笑い者にされることを恐れ、綱渡りをしているかのように注意深く歩いています。負け犬のような気分を味わっている時に幸せを掴み取るのは不可能です。

カナダの心理学者で『The Six Pillars of Self-Esteem(自尊心の6つの柱)』という本の作者ナサニエル・ブランデンはかつて、自信の源となり、真に自分を愛するために必要な心の内側の安全性が欠如していては、人生で遭遇し得るごく基本的な試練にさえ立ち向かうことができない、と述べました。そのような状態でいると、社会的な関係性を築いたり仕事をしたり、目標を達成する力を得たり個人的に成長したりすることができなくなり、愛する気持ちを持つことさえ叶わなくなってしまいます。

自信や自尊心の確固たる基盤が欠けていると、これら全ての人生の側面がぐらつき出すのです。また、もう一つの明白な事実についても考慮しなければなりません。それは、世の中の人々はこのような精神状態の人々に対して優しくあるいは親切に接してはくれないという事実です。心が不安定な子どもが学校でいじめの被害に遭うケースは多く見られますし、自分で自分の身を守ることのできない大人は共依存的な関係性にはまり込む危険を冒します。この行為によって彼らの自尊心はさらに弊害を受けてしまうでしょう。

自尊心が低いせいで苦しんではいませんか?以下では、コーピングストラテジーをいくつかご紹介します。

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不安感と低い自尊心:綱渡りのような人生

低い自尊心の持ち主は常にそのコストを払わされています。私たちの情緒バランスを左右している心の筋肉は、ウェルビーイングに影響する様々な変数の中でも特に重要です。精神医学者ルイス・ロハス・マルコスは著作『Self-Esteem(自尊心)』の中で、このことを説明する要因の一つは人々の互いへの話しかけ方である、と述べています。

不安感と低い自尊心の間の結びつきの背後に隠れがちな要因はいくつかあるのですが、中でも特に心の声の重要性は忘れられがちです。心の内側で起こる独白は常に優しくて愛情深く、ポジティブな面だけを見据えたものでなければならないのです。そうでないと、メンタルヘルスがゆっくりと破壊され始めます。

事実、自尊心が低い状態だと不安障害やうつ病といった多くの精神疾患に繋がる恐れがあるのです。

不安感が生まれ、自尊心が低くなってしまう原因は?

自分自身に対する心の声がどんなものなのかが自尊心に影響することはお分りいただけたと思います。では、なぜ人は自尊心に悪影響を与えてしまうような心の声を発してしまうのでしょう?なぜ私たちは自らの価値や能力を疑い、しばしば自分で自分の最悪の敵となってしまうのでしょうか?まず気づくべきなのは、自尊心は一定ではないということです。これは変動するものであり、個人の経験から影響を受けます。

  • 自尊心が低くなる根本原因は幼少期や育てられ方に潜んでいる場合が多いです。子どもの頃の愛着が不安定型だった人や情緒面のサポートを十分に受けられなかった人、あるいは極端に要求の多い親に育てられた人や虐待に苦しんだ経験がある人などは、不安定な大人へと成長してしまう可能性があります。
  • トラウマ的な出来事も自尊心を揺るがします。例えば愛する人の死、事故、あるいはいじめに遭った経験などが自分自身へ抱く印象に大きなインパクトを与える恐れがあるのです。

自尊心が低い人々の特性

ほとんどの人が、自尊心が低い人は優柔不断でおとなしく、内気なのだろうと信じ込んでいます。実際にそうである場合もありますが、自尊心が低い状態は攻撃性やナルシシスティックなパーソナリティにも繋がることがあるのです。自らの欠点や弱みに気づいた人は、自分自身を守るための防御メカニズムを発達させ、そういった欠陥を埋めようとする場合があります。

  • 心理的なフラストレーションや不安を経験するのを嫌がるような人は、代わりに攻撃的な形で自らを表現しようとします。
  • その正反対のことも起こり得ます。攻撃者になる代わりに、攻撃的な行為を受ける側になってしまうこともあるのです。自分自身の守り方をわかっていない人々の犠牲者になる恐れがあるということです。
  • 自尊心が低いと、潜在能力が減少したりチャンスが減るなど、人生に支障が出ます。自信が欠如している人は、何の変化も起こらないようなコンフォートゾーンに留まり続けようとしてしまうからです。
  • 最後に、不安感や低い自尊心は複数の心身の健康問題と関わっています。

例えば、低い自尊心と摂食障害との間には密接な結びつきがあることが研究によって示されました。インファンタ・レオノル大学病院(スペイン、マドリード)が行なった興味深い調査により、自尊心が低いことが深刻な摂食障害のうちのいずれかが発症するリスク要因であることが示されているのです。

不安感と低い自尊心:綱渡りのような危うい生き方

どうすれば自分で自分の最悪な敵になってしまうのを止められる?

たった一晩で自尊心を「修理する」ことはできません。特に幼少期のトラウマや長年の職場でのいじめ、あるいは共依存的な人間関係などによる重荷を背負っている場合はなおさらです。しかし希望を失ってはなりません。自分自身に対する印象を良くするために取ることのできる対策がいくつか存在しています。

  • 心理療法は、心の不安定さの根本原因に働きかけるための最善のリソースです。様々な要因に対処し、心の声を改善するためのツールを獲得することは最高のストラテジーとなるでしょう。
  • 日記をつけることも有効です。考えや感じたことを書き出すことで、不健全な思考パターンやネガティブさ、不合理な考えなどを見つけ出しやすくなります。また、自分が自分自身に対してどう語りかけているのかを把握するための助けにもなりますし、いつも自己を切り裂くような態度を取る代わりに自らを鼓舞するような態度に集中できるようにもなります。
  • その日その日の小さな、そしてシンプルな目標を設定することも良いストラテジーとなるかもしれません。そういった些細な勝利が、自己に対する認識を改善してくれるでしょう。

また、専門家は新しいプロジェクトを始めることも勧めています。これにより、自分でもその存在に気づいていなかったような自らの新しい一面の発見に繋がるからです。内側にいる、人生にワクワクしていて自分自身を信じているもう1人の自分を認めてあげるべき時が来ています。それが幸せとウェルビーイングを手に入れるためのカギとなるはずです。

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人生を歩む上で、不安な気持ちは重荷になってしまいます。全ての事を疑ったり、特に自分自身を疑うのは自分の幸福を妨げてしまいます。ビクビクして、自信が持てず、物事を決断できずに生きていくのはまるで、ピンと張ったロープの上で、たくさんのボールをジャグリングしながらバランスを取ろうとしているようなものです。



  • Abbate-Daga, G., Gramaglia, C., Federico, A., Marzola, E. y Secondo, F. (2010). La inseguridad del apego, la personalidad y la insatisfacción corporal en los trastornos alimentarios. El Diario de Enfermedades Nerviosas y Mentales, 198 (7), 520-524. doi: 10.1097 / NMD.0b013e3181e4c6f7
  • Mora, F., Fernandez Rojo, S., Banzo, C., & Quintero, J. (2017). The impact of self-esteem on eating disorders. European Psychiatry41(S1), S558–S558. https://doi.org/10.1016/j.eurpsy.2017.01.802
  • Yuan, W., & Wang, L. (2016). Optimism and attributional style impact on the relationship between general insecurity and mental health. Personality and Individual Differences, 101312-317. doi:10.1016/j.paid.2016.06.005