有毒な関係性の方が破局後の苦しみが増すのはなぜ?

16 10月, 2020
大切な相手との関係性が終わってしまうことは、いつでも痛みを伴います。しかしその関係性が心を蝕むような有害なタイプのものでもあった場合、様々な理由から別れの後の苦しみはさらにひどいものとなるのです。

人間関係の終わりは痛々しいものです。ただ、有毒な関係性の終末を乗り越える過程は通常、関係が健全だった場合よりも複雑となります。なぜでしょうか?その原因は、そういった関係性ならではの特徴にありました。

有毒な関係性というと、カップルの関係性を思い浮かべる人が多いでしょう。しかし人間同士のやり取りは全て、有毒なものとなる可能性を秘めています。したがって友情の終わりや近しい親類の死なども、乗り越えるのが困難な場合があるのです。特に、失った相手との結びつきが不健全なものであった場合にはなおさらです。

有毒な関係性 破局後 苦しみ 増す

有害な関係の終わりを悲しむことが、なぜ複雑なプロセスとなってしまうのか?

自分に愛を与えてくれた人を忘れるよりも、自分のことを傷つけた人を手放す方が難しいという事実はかなり非論理的に思えるかもしれません。実際、有毒な関係の喪失に向き合っている人々が周囲の人から誤解されたり勝手な決めつけをされてしまうことは多いのです。したがって、この状況をより良く理解するためには、これに関わる重要な要因をいくつか詳しく知っておく必要があります。

パーソナリティ

一般的に、他人と有毒な関係性を築きそれを維持してしまう人々は、対処の必要な何らかの情緒面の問題を抱えています。こういった人々は多くの場合拒絶されることや見捨てられることに強烈な恐怖を抱いています。また、不安を感じることや優柔不断でいること、そして心理的に依存してしまうことが通常の状態です。

誰かと関係性を持つことでそういった心の傷がある程度は隠され(不健全な形ではあるといえ)、パートナーに依存した彼らは相手に対して全てのエネルギーを注ぐようになります。しかしその関係が終了すると、自らの心の中の世界と向き合う以外の選択肢がなくなってしまうのです。そして全ての意識を自分自身へと集め直す必要性が出てきます。

これはつまり、自らの抱える恐怖心や心の傷が強度を増して再度表面化し、事態が精神的に耐え難いものとなってしまうということです。覚えておきましょう。悲しみのどん底にいる時、私たちに必要なのは自分自身をしっかりと支えてあげることなのです。ただし、本来であればその支えを提供してくれるはずの部分が傷ついていると、適切に自分で自分をサポートすることができません。

自尊心

有毒な関係性に関わってしまうことで最も大きな弊害を受ける側面の一つが、自尊心です。人がそれほどまでに苦痛を味わうこの種の関係性においては、その人物の自信は完全に削り取られ、破壊されてしまいます。

そのような有害な関係性に身を置いている期間が長ければ長いほど、自己価値は減退していきます。その結果、自分は弱くて社会不適合者で、相手がいなければやっていけないなどと思うようになるのです。

相手から不当に扱われていることを認識し、それを終わらせるために自尊心は欠かせません。自尊心を持てていれば、自分は価値のある存在であり、自分自身の足で立つ能力があるのだと思い出すことができるからです。これは、例え関係を終わらせた結果として孤独を味わうことになったとしても、私たちはいかなる種類の迫害や虐待行為に耐え忍ぶべきではない、と伝えてくれる力なのです。

上述の通り、有毒な関係性は自尊心を破壊します。その人物は相手から過小評価されるので、自分には今得ているもの以上の愛情を受ける価値は無いのだ、と考えるようになります。それに加えて、自分自身の能力に対する自信も大きく減少してしまうため、破局と向き合うことができなくなるのです。

「もういい加減たくさんだ」と言えるようになるために必要な引き締まった心が、継続的に感じ続けている恥の感情によって壊されてしまっています。

有毒な関係性の方が破局後の苦しみが増すのはなぜ?

内なる平穏

最後に、健全な関係性の場合は、普通それほど目立った問題は生じません。こういった関係においては両者がともにそれぞれの役割を果たし、互いに愛情や安心感を持ち合って理解し合えているため、二人が別々の道を歩んで行くことになったとしても、良い思い出やポジティブな感情だけに浸ることで上手く気持ちに区切りをつけることができるのです。

反対に有毒な関係性の終わりを悲しんでいる時には普通、腹立たしさや憤り、激怒、そして失望などの感情が前面に出てきてしまいます。この種の関係の場合、立場が弱い方の人物は、自身の捧げたあらゆる労力や経験した苦しみに対して相手は報いるべきだという考えを持っているのです。

いつか相手が変わってくれて、尽くしてきた自分に見返りを与えてくれるだろう、という期待を永遠に持ち続けます。しかし関係性に終止符が打たれると、この希望は壊されて怒りが沸き立ってくるのです。

さらに、悲しみに苦しむ過程においては役に立たない考えがよく浮かんできます。なぜ自分は相手にとって不十分だったのだろう、なぜ相手は自分を愛してくれなかったのだろう、あるいは、別の結果を生むために自分にできたことは何だったのだろう、などという疑問を持ち始めてしまうのです。

ネガティブ思考

このような疑問はネガティブ思考に繋がってしまうことが多く、結果として苦痛が強まって自身が置かれている状況に効果的に対処するのが難しくなります。しかしながら、有毒な関係性の終末による悲しみを乗り越えるのが不可能というわけではありません。

破局後の悲しみ方は、関係性自体の状態に左右されます。健全で互いに敬意を持てていた関係だった場合、破局を乗り越えるプロセスはもっと穏やかで理性的なものとなるのです。

一方で有毒な関係性が終わった時の悲しみは、その関係が続いていた頃からのものと同じ苦しみや絶望と混ざり合ってより複雑化します。

このような状態から前進するためには、自尊心や信頼の柱を再建できるように集中的な個人カウンセリングを受ける必要があります。癒やしを経験し、同じようなことを繰り返さないようにするためにはそういった取り組みが必要不可欠なのです。

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