負の感情を受け入れると、より幸せになれる?

2019年8月1日
負の感情は心地よいものではありませんが、それを受けいれることは、健康や幸せに有益です。

負の感情は心地よいものではありません。脳は、快楽を求め、痛みを避けるように作られているため、とても大きな痛みを伴うことがあります。負の感情を受け入れることは、非常に複雑なのです。簡単ではありませんが、これを受け入れることで健康に良い影響を与えることができます。

恐怖、悲しみ、怒りなどの負の感情を人は抑圧する傾向があります。問題は、この感情を抑圧することが、害があり長期的で身体的・精神的な影響を及ぼしうることです。感情を拒絶したり避けることでその感情がなくなるわけではありません。その反対です。無視しようとすると、それが積み重なり、より大きな苦痛の原因になりがちです。

負の感情に建設的に対応することで、成長することができます。目的の達成、人とのより健康的な関係の構築、自分をよりよく知ることを可能にします。もう少し深くみてみましょう。

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批評せずに負の感情を受け入れる

怒り、恐怖、悲しみは、私達の多くが日々経験する感情です。自分のニーズや自分に関する何かを伝えているもので、適切に対応できなければ、不安やストレスの原因になりがちです。そのため、多くの場合、人はこれを避けようとするのです。

「本当は、負の感情は健康的でありうる。批評や拒絶せずにそれに対応することは、無視するよりはるかに良い」

負の感情への対応法を学ぶことは簡単でありません。それが何を伝えようとしているのか考え、分析しなければなりません。これは、負の感情に支配されなければならないということとは違います。そうではなく、負の感情に気づき、なぜ自分がそのように感じているのかを理解する必要があります。

「負の感情に対応するということは、自分の感情を否定することなく、それをうまく管理することだ」

受け入れることと苦しむことの違い

苦しみの原因となる負の感情を受け入れることと、自ら課した苦しみの違いを認識することが重要です。

受け入れることは、バランスに大きく関係します。バランスを保つことは簡単ではなく、それは常に幸せでいるべきというプレッシャーが西洋には多くあるためです。これは非現実的な願いで、心の健康に影響しかねません。最終目的は、生活に満足を与える正と負のバランスをとることです

これには、時間と労力を要します。負の感情を受け入れることは簡単にはできません。しかし、他の認知的習慣と同じように、時間と訓練をもって鍛え、熟達することが可能なスキルです。

「痛みは避けられないが、苦しみは選べる」

-仏陀-

負の感情への対応法

負の感情を消化し、受け入れるための様々な方法を専門家は考えました。TEARS HOPEは、セリ・シムズが自身の研究の中で触れたもので、人気が高まってきています。

TEARS

  • T – Teach and learn(教え学ぶ) 自分の体と心、様々な感情に対する反応の仕方について学び認識しましょう。これにより、いつ、なぜ、自分が怒るのかが理解しやすくなります。また、体が脳に送るサインを解釈しやすくなります。
  • E – Express and enable sensory and embodied experiences(知覚や具体的経験の有効化と表現) 日々の生活のできごとを受け入れるため、好奇心や内なる開放を促進しましょう。
  • A – Accept and befriend(受け入れ、親しくなる) 自己共感を高め、不満に耐えられるよう努力しなければなりません。
  • R – Re-appraise and re-frame(評価し、組み立てなおす) 物事に対し異なる見方をすることを学びましょう。これには認知行動エクササイズがピッタリです。
  • S – Social Support(社会的支援) 人との繋がりを感じ、自分への思いやりを高めましょう。人間関係にかける時間とエネルギーを作ることが重要です。瞑想やマインドフルネスは非常に有効です。
負の感情を受け入れると、より幸せになれる?

HOPE

  • H – Hedonic well-being/happiness(快楽的幸福と幸せ) これに関する研究で、正の感情と負の感情を3:1で保つことが有益だと示されています。毎日ポジティブな経験をすることが重要だということです。幸せな記憶に焦点を当て、成功を楽しみましょう。これにより、正の心の状態でいる時間を長くすることができ、負の感情を補います。
  • O – Observe and attend to(観察と参加) マインドフルネスの訓練に焦点を当て、あまり重要でないことに気を留めないようにします。
  • P – Physiology and behavioral changes(生理的・行動的変化) リラックス、呼吸法、セルフケアを大切にすることは、生産的で有益です。
  • E – Eudaimonia(ユーダイモニア) 最後は、人生の個人的な目標のために戦い、誠実さをもつことです。

負の感情を受け入れることで、気分が高まる

批評せずに負の感情を受け入れることは、心の健康を高めるのに一番の方法だと多くの健康の専門家は言います。そして、多くの心理学者は負の感情の対応の仕方を学ぶことを勧めています。

バークレー、カリフォルニア大学の心理学助教授アイリス・モスは負の感情を受け入れる人は、負の感情の経験がより少ない傾向があると言います。そのため、心理的により健康なのです。

さらに、負の感情にあまり惑わされない人は、気分が悪いことに対して気分を悪くする人より、満足度や幸福度が高いと報告する傾向があると研究員は言います。

お分かりいただいたように、負の感情を受け入れ、それに働きかけることは心の健康や幸福に必要なことなのです。

  • Cacioppo JT, Gardner WL, Berntson GG. El sistema de afecto tiene componentes de procesamiento paralelos e integrativos: la forma sigue la función. Revista de Personalidad y Psicología Social. 1999; 76 (5): 839-855.
  • Cámaras R, Gullone E, Allen NB. Regulación emocional plena: una revisión integradora. Revisión de la psicología clínica. 2009; 29 (6): 560–572.
  • Sims, C. (2017). Second wave positive psychology coaching with difficult emotions: Introducing the mnemonic of ‘TEARS HOPE’. The Coaching Psychologist, 13(2), 66-78.