ガスライティング:最も巧妙で辛辣な形の虐待

· 2017年12月14日

あなたは今までに、誰かから自分が気の狂ったおかしな人間だと信じ込まされたことはありますか?あなたが言うことなんて実際は起こらなかったよ、と信じ込まされたことはありますか?誰かがあなたの判断を疑わせるようなことをする時、または起きたと思うことを疑問に思わせる時、とても混乱し憂鬱にすら感じてしまうかもしれません。これは人が他人を利用し、苦しめるために使う大変有効な操作戦略です。ここでお話ししているのはガスライティング、最も巧妙で辛辣な形の虐待についてです。

「ガスライティング」という語はでたらめではありません。「ガス燈」という、主人公が自分の妻を気が変になってきているから心理士に見てもらうべきだと信じさせる映画から来ています。彼がする人的操作には目的があります。彼女の富を奪うことです。ガスライティングは、この残酷な騙しの被害者にとって、実在する拷問なのです。

ガスライティングは心理的虐待の一種である。

操作する者の武器、ガスライティング

この語にあまり馴染みがないかもしれませんが、ガスライティングは思っている以上に頻繁に使われています。それは操作する者にとっての武器です。この武器をもって、彼らは被害者の気を狂わせ、彼らが望む通りに服従させるのです。いくつか例が必要でしょうか?次のようなものは馴染みがあるかもしれません。

誰かが自分のパートナーに、ある会話の中で傷ついたと言っているところを想像して下さい。パートナーである彼女は、そんなこと覚えていない、でっちあげだ、そんなこと一言も言っていない、と言います。彼は彼女のその発言を疑うこともできますが、実は操作する側の人間はとても重要なものをたった今植えたのです。それは、疑念の種です。

こうしたことが起きた後、彼女が「物事はあなたが思っていたのとは違うんだよ」と言っている時を思い出させるような一連の状況が続きます。他にも似た状況で、操作する側の人間は、彼は事を大袈裟にしている、嘘をついている、彼の過激なまでの繊細さが問題を起こしている、などと言います。植えられた種は芽吹き、育ち始めます。少しずつ、彼は実際に物事を誇張していると思い始めるようになります。

もし質問されたり挑まれたりするのを避けるために嘘をつき始めたり、自分の考えや行いをあれで良かったのだろうかと常に思ったりしていたら、あなたは人的操作の被害者かもしれない。

極端な場合、こうした類の虐待を行う人は目的を隠し、常に相手が間違っていて、その人の記憶は信用できないと相手に思わせるようになります。この裏にある動機は相手をコントロールし、力を感じ、害を与えたり、「ガス燈」の映画のようにある特定の目的を果たすためかもしれません。これは有毒な関係の分かりやすい例です。このような関係においては、被害者は非常に不安定になり、常に自分の信じていることを疑うようになり、他人の意見に絶対的に依存するようになってしまうのです。

自分の直観を信じよう

こうした種類の状況から抜け出すことは難しいでしょうか?もちろんです。私達を操作しようとする人がいる状況であれば、何であっても抜け出すのが難しいのと同じです。しかし、不可能ではありません。もし誰かが私達をガスライティングで騙そうとしているなら、ある重要な対策を念頭に置くことが大切です。その対策は私達に目を覚まさせ、ここで説明したような状況から逃げられるようにしてくれます。

女性の髪にちりばめられた星

その対策の一つ目は自分の直観を信じることです。何かおかしなことが起きていると感じたら、その何かは怪しいものですから、相手が言う事全てを信じるべきではありません。直観は私達に話しかけてくれているのですから、聞く耳を持つ必要があります。直観は大抵、少なくとも相手と同じくらいに「合理的」なのです。

二つ目の対策は相手からの承認を求めないことです。これは低い自尊心や受け入れてもらう必要性から私達がよくやってしまうことです。しかし、自分の本能が既に何かがおかしいと教えてくれているのなら、ある会話など一度も発生しなかったと言う誰かのことなんて信じるべきではありません。

私達がどのように感じ、何を経験したのかを彼に分からせてやりましょう。彼だって起きたことを忘れてしまった可能性があること、そして私達が彼の記憶を疑うのは、彼を傷つけているわけではないということを明確にしてやりましょう。同じように、彼が私達の記憶を疑う時、彼は私達を傷つけるべきではないのです。

三つ目の対策は自分と相手との境界を保つことです。もし相手に怒鳴られたら、相手が傷つけるような言葉を使ったら、あるいは相手が自分の目的のために私達を利用しようとしていると気づいたなら、それを見過ごすのではなく、何か言わなければいけません。誰かに自分の境界に踏み入らせたりしてはいけません。でなければ、一線を越えても罰を受けることもない、という考えを私達が強化させてしまうことになります。自分の境界は通り抜け不可能でなければいけません。屈してしまったら最後、引き返すことはできず、心理的操作をする者はその機会を利用することでしょう。

ガスライティングは私達の自尊心を破壊し、自分の判断に対する信用を完全に失わせ、不安障害や鬱病すら引き起こす可能性がある。

自分を疑うことはあるかもしれませんが、その場合、最善の選択は独自にその証拠を探すことです。ガスライティングは私達が経験していることは客観的に観察している人が説明するのとは違った現実であるという所信を悪化させる戦略です。そのため、思考が強迫的になり、この考えが強化されてしまうのです。

海辺に立つ二人の女性

私達をこれだけひどく感じさせる人達から離れることは重要なことです。距離を持つことで、操作からは遠く離れた形で、その状況を新しい観点から分析することができます。相手が自分を疑わせるようなことをしている時に同意してしまうことは、相手に力を与え自分を破滅させてしまうのです。