ガンディーが残した31の名言とその哲学

ガンディーの世界に一歩踏み出したいという人へ、ガンディーの哲学を4つの領域に分けると、非暴力、サルボダヤ(社会的に仏教に服すること)、サチャグラハ(精神力)、真理の探究として考えることが出来ます。
ガンディーが残した31の名言とその哲学
Valeria Sabater

によって書かれ、確認されています。 心理学者 Valeria Sabater.

最後の更新: 21 12月, 2022

ガンディーが残した言葉はいまだ世界中の人を魅了しています。平和主義の先導者であるガンジーは彼の精神性、心が持つ同調性、非暴力精神の考えを基に私たちの考え方に大きな影響を与えています。彼が残した遺産は他に類を見ないものです。安穏に暮し真実と調和して生きる様な、影響を与えた人物というのは歴史上存在しないでしょう。

マハトマ・ガンディーを研究する専門家はかれの哲学は非常に多面的であり複雑なものなので概要を示すだけでも大きな労力が必要だと述べています。

ガンディーの世界に一歩踏み出したいという人へ、ガンディーの哲学を4つの領域に分けると、非暴力、サルボダヤ(社会的に仏教に服すること)、サチャグラハ(精神力)、真理の探究として考えることが出来ます。

これはある明確な目的と希望を形作るため、宗教的考えが社会的考えと一致する4つの明確な相互に関係し合う領域なのです。精神的な成長を手に入れられる一方で人間性の擁立、私たちも社会に前向きな変化をもたらすことができると思えるのです。

ガンディーの非暴力に対する偉大な名言

簡潔な文にまとめられた言葉は彼の本においても重要な意味を持ちます。それらを読むと世界に向けて厳格な教義を説いているのではないことをすぐに感じ取れるでしょう。

反対にそれらは私たちに考えを与え人生の中のどのような場面にも適用することができ理解の助けになるような信念なのす。例えば、暴力の連鎖を止めるために必要な基本的なことは愛や対話、他人を敬うことです。

そのため、批判をせず新しいことを学ぶ姿勢を持ち自分のペースで読み考えることを勧めているのです。今日の世界ととても密接な関連があるのです。

ガンディー 名言 哲学

1.人間性を信頼するのです。人間性は海のようです。少量の汚れた水が混ざったからといって全体が汚染されるわけではないのです。

不殺生・非暴力はサンスクリットの観念であってガンジーを特徴づけていた非暴力と人生への敬意の観念を生み出しました。

よって彼を定義づけたものが1つあるとするならばそれは揺るぎない人間性への希望でしょう。この希望こそがガンジーが寛容、忍耐、慈悲心に対する前向きな姿勢と人間への信頼をなくさないことを勧奨していた理由です。

2.暴力は他と比較することで生まれる恐れ

これはガンジーの最も有名な言葉のうちの1つであり彼の哲学の真髄を良く示しているものでもあります。違うことを恐れてはいけないのです。違う考えや意見をもつ人を恐れてはいけないのです。”他”を恐れることは弱さの証拠でもあるのです。

3.目には目をの精神は全ての人を盲目にしてしまう

暴力はまた他の暴力を生みます。人間性は意思疎通するために攻撃、復讐そして憎悪を用いることを阻止するはずです。暴力は悪い状況を慢性化させるだけです。

4.嫌悪と不寛容は正しい理解の妨げになる

ガンディーは違いや不寛容を乗り越えるための方法として対話の大切さを主張していました。面と向かって話が出来る人のみ正しい理解にたどり着けるのです。

5.貧困は暴力の最悪な形態

これは今だに多く引用されるガンディーの名言のうちの一つです。貧困は状況を改善せず目を向けられない状況を作る構造的な暴力なのです。

6.かつてリーダーシップは力を意味するものだったが現在は人とのつながりを意味している

良きリーダーは力や暴力を振りかざすのではなく尊敬の念や精神的な繊細さを持っているのです。

「不寛容それ自身はある種の暴力であり真の内なる精神の成長の妨げである」

-マハトマ・ガンディー-

8.力には2つの姿がある。1つは罰せられた恐れから来るもの。もう1つは愛によってもたらされたもの。愛が基にある力はより有用で永久的である。

ガンディーにとって愛は真実へ導くものなのです。これを自身の目標にすれば尊敬や共存、社会の基礎をなす思いやりを実現するために暴力に打ち勝つことができるのです。

9.非暴力は2つの信頼、神への信頼、人への信頼を必要とする

ガンディーにとって非暴力は人生の戒律として受け入れられるべき”偉大な力”であったのです。この考えは全ての人の心に浸透していくべきであって、行動に反映させるべきなのです。

「怒りは非暴力の敵でありプライドはそれを吸収する怪物である。」

-マハトマ・ガンディー-

サティヤーグラハ(精神力)に関するガンジーの名言

11.人生の目的は正しく生き、正しく考え正しく行動することにある

サティヤーグラハの原則はガンディーの哲学を理解する上で必要不可欠です。この考えは私たちは自分らしく生き、脅威や偏見から解き放たれるべきであり、人生の目的とする真実の目標を守りぬかなければいけないと教えてくれているのです。

12.幸福は思考、言葉、行動が一致するときに実現するもの

これは思考と行動に関する協調の原則です。

13.実現してほしいと思っている変化になろう

サティヤーグラハは勇敢であり尊敬、愛の念を持ち、誠実である人がこの世界をよりよい世界にすることが出来る人であると伝えています。

「愛は最も強力な力である。」

-マハトマ・ガンディー-

14.愛による裁きは救いであり法による裁きは罰である

ガンディーの信念は常に倫理的意味を含んでいます。重要な信念の1つに不公平への抵抗、奉仕精神の向上、自制や犠牲があります。この通り彼は禁欲や質素な生活を強調していたのです。

サルボダヤに関するガンディーの名言

ガンディーは全ての搾取とみなされるもの、社会的差異、暴力や不正義がない理想の社会を夢見ていました。私たち皆に関係のある義務、ガンディーのこの目標を表している名言をご紹介していきましょう。

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15.現在の行動が将来を変える

社会の将来は愛や正義の理念を持った私たちが今起こすことのできる小さな変化によって変わっていくものです。

16.この世界は私たちの需要を満たすことはできるが欲求を満たすことはできない

サルボダヤとして説明されているこの社会的目的は彼自身が作り出した言葉です。例外なく全ての人に福利がいきわたることとも解釈できます。よって全ての人は十分にその資源も機会も与えられているので欲がはびこる余裕などないのです。

17.誠実な不賛成は進歩している良い印

対話や物事を円滑にすること、差異を認める重要性はガンディーの哲学の主義の基本をなしています。人間関係において誠実な不賛成はどのような人生においても進歩する方法です。

18.聞いて満足、見て満足するだけでは十分でなく心を動かし手足を動かすことが必要

変化を求める社会は、動き変化し自身の心を持った個人から起こる活動を生み出す社会であり、その個人の行動から影響を受けるものでなければならないのです。故に良き指導者は市民が自分たちは変化をもたらすことが出来るという希望を市民の間に浸透させる能力を持っていなければならないのです。

19.排他的である文化は生き残れない

サティーヤグラハの信念はどのような文化環境においても実践されるべきであって、そうでなければ私たちは先を見失ってしまうことになるのです。排他、不信、宗教の拒絶、考えの違いによる激しい敵対は壁を作り暴力の種をまくのです。

「仕事の成果へ執着する人は間違った道を進んでいる。」

-マハトマ・ガンディー―

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20.ビジネスを正直に行うことは困難だけれど不可能ではない

最初から最後まで、家の中から小さなビジネスまで、倫理的力はすべての善良な社会の活力であるべきです。つまりガンディーによれば、生産性のある市民になるため、責任を果たしていくため、よりよい社会を作っていくための義務を果たしていくため全ての個人は正直さ、謙虚さ、公平さを鍛練していくべきなのです。

21.リーダーが自身の道義心から外れた行動をとる時それは無能となる

これはガンディーの有名な名言のうちの1つです。彼は抑えきれなくなる力である権力の集中を防ぐために政治の分散化を主張していました

日に日に権力を持つリーダーは自分の欲求に目をむけるようになるのです。このようにガンディーは常に直接的で参加型の民主主義を主張していました。

22.国家間の平和は人々の愛によって成り立つべき

愛によってのみ社会に真実と平和をもたらすことができます。実際、ガンディーの哲学の中で一貫している思想に、神によってもたらされた愛のみこそ敵を脆弱させ邪悪な力にあらがえるというものがあります。

このガンディーが夢見た理想の社会を実現させるためには自分自身やその身近にいる人から行動に移さなければいけないのです。家族や隣人、そして地域社会の人々を愛し尊重できるのであれば国同士もそうできるはずなのです。

23.真の平和を求めるのであれば子供に注目すべき

愛や協調に包まれたより良い社会、より良い将来を作り出すためには平和と非暴力の理念のもと若年層世代の教育に力を入れるべきです。

真実に関するガンディーの名言

ガンディー哲学の核となる思想の裏に隠れている本当の意味は言葉の語源に見てとれます。”真実”とい言葉の語源はサンスクリット語の”サティア Satya”にあり、”Sat”は”実在するもの、本物であること”と意味します。ガンディーによると考えが行動と調和した時、また市民がその大きな目標を実現できるような社会が道徳的規則に則っている時この真実という考えが働くのです。

この考えをよく示している名言を紹介していきましょう。

24.人々に理解されなくても真実は実在し続ける

これは大多数が反対の意見を強要しても真実を貫き守るべきという考えを示したガンディーの最も知られている言葉のうちの一つです。

「あなたが少数であっても真実は真実である」

-マハトマ・ガンディー―

25.真実はもとより明らかなこと とりまく無知を追い払った時、光が差し込むだろう

真実は常にそこに、私たちの目の前にあるのです。しかし、たいてい何かに誘導され、怠惰や服従、ましては無知に支配されています。真実にたどり着き、それと同調して行動することほど勇敢なものはないのです。

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26.人生は教訓

先程”サティア Satya”はサンスクリットで本物であること、実在することである”真実”を意味するとお伝えしました。ガンディーはもしあなたが思っていることとは反対のことを行っているのであれば真実は無意味となると説いています。よってインドの平和主義指導者である彼は全てのものと協調して暮らし他者にささげる慎ましやかな人生を送っていたのです。

27.信念を持ち正直に生きること

ここにも同様の主義を見てとれます。自分自身の真実や自分の信念と調和して生きていかなければいけないのです。

28.真実が勝ること、大衆からの支援がなくても真実はそれ自身で存在している

ある人はガンディーは理想主義者だと言うでしょう、実際そうなのです。しかしガンディーの名言や言葉の中からそれは生活の多くの場面で適用できる実用的で役に立つ理想主義だということが分かります。

人生のある時点で誰でも、家庭でも職場でも、支援がない状態であっても真実を貫き通した経験があると思います。遅かれ早かれ偽りや不正義というものは衰えていくものです。

29.真実は決して害とならない

真実を口にするのを恐れていてもそれを実際に行動に移した場合、それは尊重され価値のある行動となるでしょう。

「道徳心は物事の基本であるが、真実は道徳心の一部である。」

-マハトマ・ガンディー―

30.皆内なる声を知りたいと思うだろう 自分の内側に潜んでいるのだ

真実と繋がりを持ち、状況に対応して行動するには自分の内なる声に耳を傾ける必要があるでしょう。内にある言葉は継続的で永久にあるものです。これは不公平や虚偽と向き合う力を得る唯一の方法なのです。

31.目標は真実、過程は愛

暴力の反対は愛です。この信念のもとに真実を守り、考え、調和の中で行動できるような社会を作る唯一の方法は協調や対話、平等、同胞愛、そして公平という手段を確立することです。

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ご覧の通り、つまりガンディーの哲学は倫理や政治、宗教的な意味あいだけではないのです。おそらくインド文化に根をもった知識論であるのですが、今日の私たちにも関係のあるものでもあるのです。

 

参考文献:

Gandhi, M.K. (1993). An Autobiography: The Story of My Experiments With Truth. Boston: Beacon Press.

Wolpert, S. (2001). Gandhi’s Passion: The Life and Legacy of Mahatma Gandhi. Oxford University Press.

Gandhi, Mahatma (1989) “The words of Gandhi” Madrid: SIDDHARTH MEHTA EDICIONES

Gandhi, Mahatma (2016) “The food of the soul”. José J. de Olañeta


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