擬似妊娠、あるいは想像妊娠とは?

2019年8月12日
擬似妊娠、あるいは想像妊娠についてこの記事でご紹介します。

擬似妊娠は、想像妊娠としても知られています。1823年にジョン・メイソン・グッドがこの用語を作り、現在、専門家たちはこれを医学文献に登場する中で最も苦しい心身症であるとみなしています。

想像妊娠は、その心理的病因に疑いの余地がない唯一の心身症です。一方で、男性もこの症状を経験することがあり得ます。想像妊娠は、転換性障害あるいはヒステリーのような異なる精神障害のカテゴリーに分類されます。

想像妊娠は、身体表現性障害です。つまり、不安感あるいは愛情への飢えなど、隠された感情的なニーズを抱いている人々に、身体的な症状として出現する障害なのです。

想像妊娠とは?

想像妊娠とは、女性が、実際に妊娠することなく自分は妊娠していると信じ込んでしまう状態のことです。実際に、その人は妊娠初期のような徴候や症状を経験することもあります。

これは身体表現性障害のとても重要な特徴です。これは、自らの感情を特定するのが困難な人や、感情について話すことができない人(アレキシサイミアと呼ばれるパーソナリティ構成要素)にとてもよく見られます。そして、これがそういった感情を”隠された言語”として出現させてしまう原因なのです。この場合、それが偽の妊娠だというわけです。

“その妊娠が綿密に計画されたものであろうと、医学的に説得されたものであろうと、偶然起こってしまったものであろうと、ある1つのことだけは確実に言えます。それは、その人の人生はそれまでとは決して同じものではなくなる、ということです”

-キャサリン・ジョーンズ-

擬似妊娠 想像妊娠

どんな人が想像妊娠に侵されてしまうのか?

精神医学の専門家によると、想像妊娠に冒されるのは、22,000人に1〜6人の女性だそうです。パドックは、偽妊娠あるいは想像妊娠に苦しむ女性たちを3つのカテゴリーに分類しました:

  • 結婚したばかりの若い女性や、リスクを伴う性的行為を行なっている若い女性たち。このケースでは、妊娠することへの恐れが原因で想像妊娠の症状が現れます。
  • 妊娠を強く望む年配の女性たちや、自らがもう若くはないと気づき、加齢に伴う痛みに苦しむ不妊の女性たち。母親になれないことでその願いはさらに強くなってしまい、それが歳をとって閉経に近づくにつれ、強迫観念に変わっていくのです。
  • 無月経を経験したことのある女性たち。このケースでは、彼女たちはほぼ常に自分たちにはまだ生殖能力があると信じています。

想像妊娠の徴候と症状

一連の報告症例を研究した後、バーグロウとブラウンが想像妊娠の症状についてまとめました:

  • 無月経から過少月経までに及ぶ、月経障害。これは約9ヶ月間続きます(実際の妊娠とほぼ同じくらいの期間)。
  • 腹囲の増大。これはその女性の脊柱前弯姿勢や腹部膨満によるもので、ヘソが突き出ることはありません。ヘソが凹んでいることで、医師はこれが本当の妊娠ではないと判断することができます。
  • 胸部の変化。柔軟性が出たり、初乳が生成されたり、色素沈着が起こったり、サイズが増えたりします。
  • 胎児が動いているような主観的感覚
  • 子宮が柔らかくなり、拡大すること。骨盤内うっ血症候群の可能性も伴います。
  • 吐き気や嘔吐。
  • 体重増加。大抵の場合、実際の妊娠よりもその度合いは大きくなります。
  • 患者によっては、性腺刺激ホルモン値が高くなる人もいます。

時には、これらの症状はかなりリアルで、本物の妊娠にそっくりなものになるので、医師でさえも見抜けないことがあるほどです。

“子どもを産むという決断をすること – それはとても重大なことです。あなたの心を一生身体の外で歩かせるということなのです。”

-エリザベス・ストーン-

  • Barglow, P.; Brown, E.: Pseudocyesis. To Be and not to be pregnant: a psycosomatic question. En Modern perspectives in psycho-obstetrics. Edted by John Howells. Brunner Mazed Publishers. NY,1972.Paddock, R.: Spurious pregnancy. Am. J. Obstet. Gynecol. 16:845, 1928.
  • Paddock, R.: Spurious pregnancy. Am. J. Obstet. Gynecol. 16:845, 1928.