ゴードン・オールポート:パーソナリティ心理学の父

2019年9月8日
パーソナリティ特性理論に加えて、ゴードン・オールポートは他にも心理学への重要な貢献を果たしています。

ゴードン・オールポートはパーソナリティ心理学の礎を築いた心理学者です。彼の理論は、初期の人文学的理論の一つであるとされています。それは、人間は自由意志を持った自律的な生き物であるという考え方が採用されているからです。オールポートは、人間を動機付けるものは本能や衝動だけではない、と主張しました。また、彼は人間が自らの過去によって支配されてしまうことはない、と考えていました。

オールポートによる著作は、楽しくて一般の人にとっても触れやすいものです。彼は誰もが理解できるような簡単な方法で理論について説明しています。心理学についてもっと学びたいと考えている人は、オールポートの著書を読むべきでしょう。

ゴードン・オールポートはモチベーションとパーソナリティについて研究しました。彼は実に重要な遺産を世に残した、心理学界における非常に面白い人物なのです。

若齢期

ゴードン・オールポートは1897年にインディアナ州に生まれましたが、ゴードンがまだ子どもの頃、家族でオハイオ州に移り住みました。彼の父親は医者で、自宅で働いていました。ですので、ゴードンと彼の兄弟たちはかなり幼い時から医療の世界に触れていたということになります。これがオールポートの医療への興味、特に心理学への興味を爆発させることとなったのです。

しかし、オールポートは結局経済と哲学を学ぶことになります。とはいえ社会心理学への興味が失われることはなかったため、最終的にはハーバード大学にて心理学の学位を取得しました。

その後、彼はウィーンに渡ります。これが彼の人生の中で最も意義深い時間の一つとなりました。それは、この旅でジークムント・フロイトと対面したからです。おそらくみなさんが考えているのとは正反対に、オールポートは精神分析の父からはあまり良い印象を受けませんでした。多数の人間性心理学者たちと同様に、オールポートはフロイトの理論が極めて限定的である、と考えたのです。

ゴードン・オールポート パーソナリティ心理学の父

著作

アメリカに戻ると、オールポートは心理学の教授として働き始めました。彼はハーバード大学で職を手にし、ここで亡くなるまで働くこととなります。ハーバード大学での着任中、彼は数多くの委員会に参加し、革新的なレクチャーを行いました。そして1939年、彼はアメリカ心理学会(APA)の会長に選出されます。

オールポートは数冊本を出版しました。最も有名なのが、『人間の形成−人格心理学のための基礎的考察』です。生前、彼はその著作や人格心理学への貢献を讃える数多くの賞を受賞しました。またAPAは彼に名誉ある心理学への貢献賞を授与しています。

ゴードン・オールポートは個人の意識的なモチベーションや思考を重視しました。これが、彼のパーソナリティへの関心へとつながります。オールポートは当時流行していた理論の間でバランスを取ろうと試みました。行動主義は不完全で表面的でしたし、一方で精神分析は複雑過ぎたのです。フロイトとの対面が、オールポートの自分自身の理論を確立することへの興味を固めたと言えるでしょう。

心理学への貢献

彼の最も有名な功績は、パーソナリティの特性論でしょう。ここでは、人間には何百もの特性が備わっていると仮定されます。彼は個人を定義づける4,500の単語を分類し、それらを三つのレベルに振り分けました:

  • 基礎特性:その人物にとっての支配的な特性です。これらがその人のアイデンティティ、感情、行動を形作ることとなります。
  • 中心特性:基本的な特性ですが、支配的ではありません。ほとんどの人に先天的に備わっており、パーソナリティや行動の基礎を作ります。
  • 二次的特性:各個人に特有の私的な特性です。大抵の場合、自信があるときや特定の状況下でしか表には出しません。
ゴードン・オールポート パーソナリティ心理学の父

ゴードン・オールポートの遺産

パーソナリティ特性論に加え、オールポートは遺伝子型と表現型についても特定しました。彼は人間の行動を動機付けるような内部および外部の条件を特定したのです。彼は著書『パーソナリティ:心理学的解釈』(1937)の中で、パーソナリティを“個人に備わった精神物理学的システムの動的な組織であり、その人物に特有な環境への適応を決定づけるもの”と定義づけました。

また、オールポートは人はそれぞれ異なるパーソナリティを持っている、という点を強調しています。彼は人間の意志、モチベーションそして意思決定の本質についても関心を抱いていました。そして全ての人間の行動や思考はその人の人生全てが作り上げている、と考えました。言い換えると、個人の思考はその人の過去や現在の賜物だということです。

オールポートはハーバード大学で学際的ムーブメントを推進しました。これにより、社会科学学部が設立されることとなります。また、オールポートはフロイトの精神分析や徹底的行動主義に対する厳しい批評家でもありました。

ゴードン・オールポートは偏見や宗教についての研究も行いました。彼はユダヤ教徒やアフリカ系アメリカ人に対する差別を分析し、この成果は著書である『偏見の本質』内で取り上げられています。

オールポートは1967年の10月9日に亡くなりました。彼は心理学のこの分野に偉大な遺産を残し、人間性心理学の先駆者であると考えられています。