片頭痛の予防治療のための新薬:Ajovy

2019年10月13日
Ajovy(フレマネズマブ)は片頭痛予防のための新薬です。今回の記事では、どのような薬でどうに機能するかについて説明します。

片頭痛は、不快な症状を伴う最も一般的な病気の一つであり、片頭痛の予防は社会の重要な課題の一つと考えても良いでしょう。

ここで、片頭痛予防に役立つ新薬であるAjovy(フレマネズマブ)が登場します。

片頭痛とは、単なる頭痛ではなく神経疾患です。ヨーロッパでは5000万人以上が、この予測できない症状に苦しんでいます。片頭痛は身体的そして精神的にも患者を悩ませ弱める病気で、 25〜55歳の人がよく発症し、生活の質に大きな影響を与えます。さらに、女性は片頭痛を発症しやすい傾向があり、遺伝的な要因があるとも考えられています。

医師をはじめとする専門家は、片頭痛を予防するだけでなく、その影響を軽減するために多くの情報を活用しますが、即時の診断や正しい治療法が完全に確立されていないのが現状です。

Ajovyのような新しい治療の選択肢が登場することで、片頭痛を治療するための突破口ができる基礎となるだけでなく、片頭痛の予防と対症療法の両方が、片頭痛による患者への負担を軽減するのに役立ちます。

Ajovyは、何もできなくなるほど深刻な片頭痛を発症している患者において研究が行われ、1ヶ月に片頭痛が現れる日数を最大50%少なくなることが実証されました。

それ以外の研究においても、予防手段としての有効性を証明しています。

片頭痛の予防に使用される別の薬は、プロプラノロールと呼ばれる薬で、通常はインデラルという商品名で販売されています。

この薬には、リラックス効果もあるため、不安障害を治療するためにも使用されます。

こちらもご参照を:プロパラノロール:不安と偏頭痛の薬

片頭痛 予防 Ajovy

Ajovyとは?

Ajovyは、モノクローナル抗体であるフレマネズマブの商用ブランドです。

1ヶ月4日以上片頭痛に苦しんでいる人向けの片頭痛予防治療に使う薬で、注射器に入って販売され、現在は米国およびヨーロッパで承認されています。

フレマネズマブは、ヒト化モノクローナル抗体です。カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)を攻撃することにより機能し、受容体から遠ざけます。

このため、Ajovyなどの薬は抗CGRPであり、中枢および末梢ニューロンの両方から生じる最も豊富な神経ペプチドの1つとなり、強力な血管拡張薬として、痛みの伝達に影響を与えます。

片頭痛の際にはCGRP値が増加することが実証されており、神経末端で神経ペプチドが放出されると、受容体に到達した後、炎症性メディエーターと強力な血管拡張が放出されます。

このため、CGRPを介して作用することにより、フレマネズマブは痛みの原因となる三叉神経の感覚線維の活性化を回避します。

つまり、片頭痛の発症に重要な働きをしていると考えられているCGRPに結合しCGRP受容体との結合を阻害することで予防をする効果が期待できます。

ただし、これらの物質がどのように機能するかは、神経科学者たちは完全に明らかにしていません。

ご存知ですか?:年齢に関係なく新しいニューロンを成長させる7つの方法

Ajovyと片頭痛の予防

Ajovyは、シリンジに入った皮下注射剤で、各シリンジには225mgの抗体が含まれています。医師は通常、月1回または四半期ごとに投与します。患者が毎月投与を受ける場合、1回の皮下注射で十分です。

四半期ごとに投与される場合、3回の注射を一度に投与します。これは675mgに相当するため、3か月後まで投与を繰り返す必要はありません。

この投与方法は、治療の柔軟性を大幅に高める有効な方法で、3ヶ月の投与量で、患者は年に4回だけ注射を受けるだけです。

偏頭痛 Ajovy

副作用

これまでに報告されている副作用は一般的に非常に軽度なもので、注射した部分に次のような副作用が現れます。

  • 疼痛
  • 皮膚の赤み
  • 肌の硬化
  • かゆみ
  • 発疹

新薬なので、長期的に安全性と有効性を研究し続ける必要がありますし、望ましくない反応がある場合は患者はすぐに医師に連絡する必要があります。

片頭痛に関しては、一部の治療がすべての患者に効果があるとは限りません。

これは、すべての片頭痛が同じではないという理由からです。そのため、医師はそれぞれの患者に合わせて、数ある薬の中から処方する必要があり、それぞれの治療は完全に患者個人に合わせたものになっています。

  • VanderPluym, J., Dodick, D. W., Lipton, R. B., Ma, Y., Loupe, P. S., & Bigal, M. E. (2018). Fremanezumab for preventive treatment of migraine: Functional status on headache-free days. Neurology, 91(12), e1152–e1165.
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