肥満と罪悪感

肥満は全て自分の責任だと思っていないでしょうか? これらの考え方は罪悪感を増し負のスパイラルに陥ってしまいます。
肥満と罪悪感
Daniel Baldó Vela

によって書かれ、確認されています。 看護師 Daniel Baldó Vela.

最後の更新: 21 12月, 2022

肥満と罪悪感は隣り合わせです。「明日からダイエットを始める」「これ食べ終わったらダイエットする」「もう食べない」「このままじゃだめ」「どんどん太っちゃう」「習慣を変えなきゃ」「太ってる」「なんで太っちゃうんだろう」これらの決まり文句を何回も聞いたことがあるのではないでしょうか。

私たちの文化は、過剰な体重の責任は全て本人にあるとする傾向があるので、毎日これらのフレーズを自分に投げかけているかもしれません。自分の体に対して自分が全責任を負っていると考え、自分の体がどのように見えるかを非常に気にするようになります。そして、それ以外の多くの素晴らしい特徴に誰も気づいてくれないので不満を感じるようになるでしょう。

メディアが伝えている理想の体とは異なる体型であることに罪悪感を覚えるかもしれません。自分を責めるかもしれません。健康上の問題に苦しみ始めているので、体重を減らす必要があることはわかっているでしょう。多くのことが、体を変えるよううながすようなプレッシャーになりえます。

「罪悪感に悩まされる事はもう終わりにしました。今からこのピザを食べ終えて、そしてサッカーの試合を見に行きます。明日は街に出かけて一回り大きなサイズのジーンズを買うことにします。」

-エリザベス・ギルバート-

プレッシャーと絶望

変える必要があると常に感じているので、ある日絶望感を感じる日がやってくるでしょう。多くの理由があなたの心をあふれさせ始め、その瞬間に非常に気分が悪くなり自分自身に嫌気がさしてしまいます。どうしていつまでもこの問題を解決できないのだろうと自分を非難し続けます。心の中で、変化は簡単であり、必要なのは意志力だけだと確信しているのです。

この種の絶望は、あなた自身とあなたの体をもはや受け入れず、理想的な体になるためにすぐに変わらなければいけないと決断させます。この場合以下のような傾向が見られます。

  • 何も結果を残してこなかったかのように自分を責める
  • 目を見張るような短期的な結果を達成しなければという無謀な考え

最悪なのは、これらの方法が正しいと信じてしまうことです。

たとえば、無謀な減量プログラムを作成し、それが健康的なダイエット方法だと謳う会社や人がいます。雇われた有名人などが広告塔となり、美しくなるためには犠牲が伴うということを伝えてきます。低カロリーの食事を取り入れて、激しい運動をこなし、絶対的な自制心を養わなければならないなどと言い、無茶なダイエットを勧めるでしょう。

無理な制限は愚かである

肥満 罪悪感

身体によって引き起こされる不快感は耐えることができません。あなたは必死になり、満足することのない難しいダイエットに没頭することになるかもしれません。もちろん、これらのダイエットは成功しません。なぜなら継続不可能な無茶な方法だからです。不可能なものに固執し、必死になることで、変化のプロセスをさらに厳しくします。そしてそれが肥満に対する罪悪感を高めます。不快感は日々増し、身体的な痛みを超えるようになります。

また、ほとんど自覚することなく、自尊心は少しずつ失われていくでしょう。鏡で自分を見つめ、見たものを本当に軽蔑するようになります。自分の体に気分を害するどころか、怒りを持つようになります。その理由を次でご紹介します。

  • 毎日、あなたは自分の体型によってのみ自分を評価し、自分の価値を決めます。
  • したがって、自分の体は価値がないと評価します。
  • そして、望む体型になるように、より正確にはそうあるべきだと他人から聞いた体型になるために、変化しようとします。
  • ダイエットするたびに、非常に難しくで継続不可能な方法をとります。結果、失敗して更に自己嫌悪に陥ってしまいます。

こちらもご参考に:
感情の制御と摂食障害

過食

  • 明らかに、そのような厳格なダイエットで成功することはありません。しかし、あなたはそれを理解していません。ダイエットに成功しないのは、自分が弱くだめな人間だからであると考えます。
  • 思い通りに事が運ばないため、毎日罪悪感を覚えます。「決めたことなら、何でもできる」という誤解を招くメッセージに縛られています。
  • 自分自身でも自覚しないうちに食べることが不満や不安を和らげる方法になっています。
  • 毎日、痩せなければならないというメッセージを自分自身に送信します。そして、自分が原因で成功できないのだと考えます。能力がなく、充分では無いから、意思が弱いから、自分はだめな人間なんだと考え、これからも能力が低い自分は決して成功する事は無いのだと信じ込みます。自分自身は敗者なのだと暗示をかけてしまうのです。

不快感はどんどん耐え難くなります。気分を良くするために、ダイエットを中止して数日間食べてなかったありとあらゆる食べ物を食べ始めます。残念ながら、食べ物を摂取する理由は、喜びではなく不安と不快感によるものです。これが過食と呼ばれるものです。肉体的には不健康ですが、それが続く間は精神的に安心します。

過食は、耐え難い変化のプロセスによって生じる不安を癒します。その後、負のサイクルが再び始まります。プレッシャー、絶望、過剰なコントロール、不満、不機嫌、罪悪感などが主な症状です。

悪いのはあなたなのでしょうか?

残念ながら、過食による慰めも長続きはせず、いよいよ肥満に罪悪感を覚え絶望を感じています。どうしてやるべきことを成功させることができず、プレッシャーと不満を取り除くことができないのだろうとひどく惨めな気分になります。

悪循環が再び始まり、プレッシャーを感じ、変化への強い意欲を感じます。その後、成功することのないダイエット方法を再び見つけてそれに取り組みます。当然のようにダイエットに失敗したあなたは、その不満から自分を解放するために再び過食に走ります。その後、再び罪悪感が現れ、どんどん事態は悪化します。失敗すれば失敗するほど不満のレベルが高まり、負のサイクルから抜け出すことができなくなります。

負のサイクルの責任は、実際はあなたではなくあなたを取り巻く環境や文化です。それらが、体重増加に責任があるのは自分であると信じ込ませたのです。

責任感のあるあなたは、非常に重いプレッシャーを感じます。状況を悪化させるだけで成功することのないダイエット方法を探し続けることになります。したがって、この悪循環を断ち切ることがで状況は好転させる第一歩となります。急がず思慮深く、よく調整された現実的なダイエット方法を見つけることが大切です。戻ることは、ゼロから始めるという意味ではありません。全てを失うわけではないのです。

あなたの人生における決断をコントロールできるような自分自身の考え方を持つことが大切です。周りに流されることなく、自分の意思をしっかりと持つことが重要です。

負のサイクルを断ち切る方法

負のサイクルを断ち切りプレッシャーをなくすには、体型に関して責任を負うべきのは誰なのか現実的に考えなくてはなりません。同時に、あなたの本心を歪める可能性のある害を断ち切るために、社会に対して健全な批判的思考を持たなければなりません。

また、自分の体や好きではない部分以上に、自分に価値を見出し大切にしなければなりません。ありのままの自分で十分であることを理解しましょう。すると、たとえ目的を達成しなくても、自尊心が傷つくことはありません。

心の安らぎがあれば、健康的で進歩な継続可能のダイエットを行うことができます。適切な食事に加えて、気分を良くするために他の分野でも効果を発揮するダイエット方法を見つけることができるでしょう。

効果的なダイエットは、直面する可能性のあるプレッシャー、絶望、不満を解消します。食べ物を唯一の幸福源とすることはないでしょう。時に保護効果を持ち、理にかなっていることを知っているので、食べることに罪悪感を感じることもありません。過食に走る余地はないので、責任を感じることもないでしょう。

肥満に対する罪悪感は、社会が作り出したものです。どうかそれに惑わされないでください。


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