自分がしてほしいように人に接すること:必ずしも正しい方法ではない?
自分がしてほしいように人に接することは、多くの人が共有し学校でも教えられている道徳的考えです。哲学者、宗教の指導者、影響力のある人たちも、この考え方を人間関係のガイドラインとして勧めています。そう呼んでないとしても、この「黄金律」誰もが知っているものですよね。この考えは非常に一般的なので、社会的関係の中でこのアプローチが必ずしもベストではないということに驚く人もいるのではないでしょうか。
人に対し何かをした結果、相手に誤解された経験は誰しもあるでしょう。あるいはもっと悪いことに、善意で行ったことが相手にとって害になったこともあるかもしれません。相手の幸せを思ったことが裏目にでると、どこか不公平な感じがしますが、これはよくあることです。このようなことが起こるのは、自分という誤った視点から行動を起こしていることが原因にあるかもしれないのです。
自分がしてほしいように相手にすることはいいこと?
「己の欲するところを人に施せ」これは聖書にある有名な一節です。非常に良い言葉のようです。あなたの人に対する気配りや善意のことを言っているからです。
これを実行すれば、きっと正直で、理解のある、他人を支えられる親切な人になれるでしょう。また、この道徳的原則があることで、自分からやりたいと思わないことをする動機付けになったり、人を批判する前にもう一度考え直すことができるかもしれません。
願いや期待は万人共通ではない
親切心や理解を超え、より実用的で具体的な行動を起こす時、この黄金律はあまりうまく機能しません。例えば、親友の誕生日に高価な時計をプレゼントすると想像してみましょう。これを渡し、相手ががっかりした表情を見せたとしたら、あなたは混乱したり怒りさえも覚えるかもしれません。
相手は、精神的に特別である個人的な物や手作りのプレゼントを期待していたかもしれません。あるいは物ではなく、ディナーなど共有できる物事を期待していたかもしれません。
このような思い違いは生活のあらゆる場面で起こりえます。親子の間でもこの誤解はよく見られます。例えば、あなたは父親で息子がストレスの多い難しい状況にいるとします。そこで、悩んでいることは思っているほどたいしたことではないよ、あるいは影響はそこまで深刻ではないんじゃないか、と伝えることで助けてあげようとするかもしれません。このようなサポートであなた自身の場合はうまくいくかもしれませんが、子どもは同じようには感じないかもしれません。子どもにとっては、面倒くさいから問題について忘れさせようとしているだけだと思ってしまう可能性もあるのです。
同様に、彼氏とケンカした後自分が間違っていたことに気づき、話をするために彼に電話する、または家を訪ねるとします。しかし、相手はいら立ち、あなたと話をしたがりません。ここでは何が起こっているのでしょうか?電話や家に行くことはあなたにとっては良い考えかもしれませんが、相手には早すぎたのかもしれません。相手は怒りを抑えるのに、一人の時間を必要としていたのです。
相手のニーズを考える
自分のしてほしいように相手に接することは間違っていると言っているのではありません。出発点としてはいいのですが、注意が必要です。あなた自身も、他の人には自分の個性やニーズを考慮してほしいでしょう。これこそが、あなたが人にすべきことなのです。
相手の好み、ニーズ、願いについて考えましょう。相手の身になって考え、相手の立場に立ってみましょう。自分だったらどうしてほしいかではなく、相手が何を求めているかを考えてみてください。人にはそれぞれ個性があります。
あなたは人に直接的で正直でいてほしいと思っているかもしれませんが、相手は、機転、理解、繊細さを求めていることだってあります。ケンカの後、あなたは一人になりたいかもしれませんが、パートナーはあなたの存在や会話を欲しているかもしれません。黄金律に従うのであれば、ケンカの後は相手と一緒にいましょう。
人間関係は複雑です。自分の願いや考えを周りの人と比べることは重要ではありません。ただ、相手にとって一番いい方法を考えるのであれば、相手の身になることです。まとめると、大切なのは相手のしてほしいように接することなのです。
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