「自己意識的感情」とは?

23 1月, 2020
罪悪感、恥、プライドは、自分の感覚に関連した感情であり、内部評価とその特性から生じます。
 

人間であれば誰しも罪悪感や恥を感じることがあるでしょう。いずれの感情も自己評価によるもので、心理学では「自己意識の感情」として知られています。

これらは、一連の共通の特徴を持つ感情状態です。ただし、特定の動作を誰がどのように評価するか、どのような帰属性をもつかに応じて個人差があります。今回はこの自己意識の感情についてご紹介します。

罪悪感、恥、自信

自己意識的感情

近年、感情への関心が非常に高まっています。しかし、この分野はまだ未知な部分が非常に多いのです。

基本的な感情と感情的知性に関する研究がかなりあることは事実ですが、より大きな変動性と複雑さに関する研究はありません。自己意識的感情の研究もまだ始まったばかりなのです。

そのいくつかの研究によれば、自己意識の感情には多くの特徴があります。

  • 二次的感情。一次的な感情に対する反応として 生じる感情や、思考に対する反応として生じる感情です。
  • 複雑な感情。自己や自己認識の概念など、特定の認知能力の発達に必要です。
  • 社会的感情。対人関係で現れます。
  • 道徳的な感情。文化的価値、規範、および基準を内在化した感情です。これらは、共感、道徳的行動の動機付けおよび制御要素の基本となります。

罪悪感や恥は、不道徳だと考える行動を抑制する効果があります。そして、人間は道徳的とされているものに従う傾向があります。さもないと、恥と罪悪感を感じるからです。さらに、自信や誇りを良い行動と結び付け、将来同様の行動をとることで得られる正の強化に結びつけます。

これらのタイプの感情は自己意識と見なされるにもかかわらず、実行される自己評価は意識的または明示的である必要はないとされています。

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罪悪感、恥、誇りの違い

どれも自己意識の感情を共有しますが、罪悪感、恥、誇りは評価や属性によって異なってきます。どれも特定の出来事の前に発生し、主観的な経験を持ちます。

マイケル・ルイスは、2つの変数から自己意識的感情を説明するモデルを開発しました。

  • 行動の肯定的または否定的な評価。
  • 内部属性(全体的または特定)。

著者によれば、私たちは、文化的および個人的なルール、基準、目標に従って、思考、感情、行動を成功または失敗として評価します。そして、それらを通して内部帰属を実行します。つまり、原因を行為者の内部の属性にあるものとし、それについて考えます。

成功または失敗の原因が自分自身にあると考える場合、内部属性は全体的です。特定の思考、行動、または感情によるものであると考えるなら、それは特定の内部属性です。そして、何らかの感情が生じます。

このプロセス全体は、文化的および個人的な影響を受けます。このため、同じ行動をとったとしても、ある人はそれを失敗であると感じ、ある人はそれを成功とみなします。同じことが属性にも当てはまります。属性が全体的であるか特定であるかはその個人によって異なります。

 

以下では、ルイスの視点に従って、これらの感情の主な特徴を説明します。

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落ち込むことに罪悪感を感じないこと

罪悪感と恥、否定的な自己評価を伴う感情

私たちのほとんどが恥を感じるとき、全体的な自己否定をします。恥ずかしく思い、隠れたりここから消えてしまいたいと感じます。その瞬間に望むのは、不快感から逃げることだけです。精神的な混乱を経験しますが、その感情的な状態を取り除くことは、特定の行動を修復するほど簡単ではありません。したがって、何が起こったのかを忘れたり解釈を変えるようなメカニズムに頼る傾向があります。

罪悪感も同様に負の自己評価から生じますが、それはある特定のレベルにおいてのことです。具体的な行動によって誰かを傷つけたために、自分がしたこと、考えたこと、感じたことに対して罪悪感を覚えます。また、罪悪感は、感情的な状態を取り除くために行動を修復しようとします。また、今後の行動にもそれが活かされます。

ルイスは、是正措置の意味合いからみて、罪悪感は恥よりも破壊的でなく有用であると考えています。

自信と傲慢さ

自己意識的感情

自信は、肯定的な評価から生じます。自信を持っている時、自分自身の行動に満足しています。それはとても気持ちの良い感情的な状態であるため、将来またその感情を再現したいと思うでしょう。

マイケル・ルイスは、人格の性質についても言及しています。 この感情はまだ英語で語彙化されていませんが、極端な場合ナルシシズムに関連した肯定的な全体的評価から生じています。

傲慢さを持つとき、自分自身に非常に満足していることを意味します。したがって、その状態を維持しようとします。それは優越感にも関連しており、これは他者からの拒絶につながる恐れがあります。

結論

罪悪感、恥、誇りを感じた時あなたはどのように感じますか?なぜ罪悪感を覚えるのでしょうか?自分の傲慢さを感じたことはあるでしょうか?今回ご紹介してきたように、同じ自己意識的感情でも、その評価方法などによって異なったものになります。それは自己評価する発達プロセスであり、感情を特徴付けます。

ただし、こうした感情については、個人的にも社会的にも多くの調査が必要です。たとえば、自信を持つということは通常どの程度ならばポジティブな感情でしょうか?そして、いつ傲慢というネガティブな結果になるのでしょうか?

感情的分野についての研究は、非常に複雑で神秘的です。多数の変数と特性を持つ対象であるからです。しかし、我々人間の本質を理解するために研究を続けることが大切です。大きな疑問である「人間はどのように機能しているのか?」と言う答えを見つけるのに役立つからです。

 

Etxebarria, I. (2003). Las emociones autoconscientes: culpa, vergüenza y orgullo. En E. G. Fernández-Abascal, M. P. Jiménez y M. D. Martín (Coor.). Motivación y emoción. La adaptación humana (pp. 369-393). Madrid: Centro de Estudios Ramón Areces.

Lewis, M. (2000). Self-conscious emotions: Embarrassment, pride, shame, and guilt. En M. Lewis y J. M. Haviland-Jones (Eds.), Handbook of emotions (pp. 623-636). Nueva York: The Guilford Press.