自由な意思で選んだ孤独は、自分を守ってくれる

孤独感を乗り越えることは、必ずしも容易なことではありません。しかし、孤独を受け入れることを学ぶことで、人生の見方を変えることができます。
自由な意思で選んだ孤独は、自分を守ってくれる
Valeria Sabater

によって書かれ、確認されています。 心理学者 Valeria Sabater.

最後の更新: 14 4月, 2024

自由な意思で選んだ孤独は私達を守ってくれます。それは痛みを和らげてくれる慰めとなるだけでなく、自分ともう一度つながることのできる効果的なセラピーでもあります。時に孤独は、避けるべき物と自分との間に距離を置く方法であったりもします。私達の気分を害したり、心の内にある平和を乱したりするものから守ってくれるのです。

ここでは心理学がよく「機能的孤独」として定義するものについて話しています。それは多少なりとも馴染みのあるものを形作る概念です。つまり、自分自身を有害で有毒な環境から距離を置く必要性です。そうすることで、私達は自分自身を見つけ、心理的な健康を取り戻すことができるのです。

ここでは不本意な孤独についてお話しているのではありません。不本意な孤独とは、例えば不全な社交関係によって引き起こされた孤独や、有意義に過せる仲間がいないことに関連する悲しみだったりします。このような場合に必要不可欠な、治癒力のある要素があります。それは自尊心や個人の優先順位などの基本的要因を修復する力のことです。それは奪われた自分だけの内密なスペースを取り戻すということなのです。

作家でありノーベル文学賞受賞者であるパール・バックがかつて言っていたように、私達一人一人の心の中には美しいバネが存在し、生きていると実感し続けるためにはそのバネを時々新しいものと交換する必要があります。不思議に思えるかもしれませんが、こうしたことは自分で選んだ活動的で心地よい孤独の間にしか起こらないのです。

紅葉した森と滝

仲間といる時に感じる孤独は危険などん底

私達のほとんどは孤独を恐れています。事実、土曜日の午後に誰もいないモールで一人歩いているところを想像するだけで、脳が激しく警戒反応を起こすのには十分です。これは基本的なメカニズム、一人では生きていけないということを思い出させてくれる本能によるものです。人間は生来社交的であり、団体の中で生きることで人類として生存してきたのです。

このことを踏まえると、私達の日々の生活の中では、空っぽのモールよりも更にもっと恐ろしいものがあります。様々な研究によると、ほぼ60パーセントの既婚者が孤独だと感じているというのです。また、多くの友人を持っているにも関わらず、10代の子供の70パーセントが孤独で誤解されていると感じているのです。こうしたことは私達に、孤独は自分の生活の中に何人の人が関わっているかどうかではなく、情緒的なつながりの質であることを思い出させてくれます。

一方で、頻繁にあることと言えば、私達は不幸を生成してしまうものを承認し永続させてしまうということです。私達は孤独に感じ、誤解されていると感じ、仕事では燃え尽きていると感じているのに、その場に留まります。なぜなら、お金を稼がなければならないからです。また同じ人といつものように出かけたりします。なぜなら、今までの人生でずっと彼らと友達だったからです。今になってどうやって彼らの元を去ることができるでしょうか?中には孤独だと感じているにも関わらず、その恋愛関係を維持している人さえいます。なぜなら、そうした人達は側に誰もいないという空虚感の方がもっと怖いからです。

男性の横顔

こうした例の全ては機能不全な孤独の全体像を教えてくれます。機能不全な孤独は、現実を目にすることを避けるために、私達をそれに抵抗するように仕向けます。自分自身に何も問題ない、自分は愛されている、他人は自分がすること全部を評価してくれていると言い聞かせてしまうのです。このような考え方をすることは、まるで溺れている人が水面から頭を出してもっと水をくれとせがんでいるようなものです。

不幸は更なる苦しみによって治癒されるものではありません。 誰かと一緒にいる時に孤独に感じるべき人なんて存在しないのです。

再会としての孤独

時に、制圧的で不快で自分勝手な環境の中で時を過ごすと、人は、遅かれ早かれ自分の欲求も誰かが満たしてくれるだろうという願いから、他人の欲求を満たすことに焦点を当てるようになります。しかし、必ずその通りになるわけではありません。

このような場合、現実を把握し解決策を見つけようとするほかに選択肢はありません。自ら選んだ孤独、距離、そして自分に捧げられた期間というのは常に健全なものであり、必要なものであり、精神浄化作用のあるものです。孤立や逃避について話しているのではありません。本当にすごく単純なことです。大事な事は自分にとって良くないことは全て置いていくということなのです。

小鳥を見つめる黒髪の女性

自分自身に時を捧げることは決して失敗しない秘訣です。自分の空間を取り戻すことは自分がどんな人間だったかということを思い出し、これからどんな人間になりたいのかということを考えることです。これには何週間、または何カ月とかかるかもしれません。私達には皆自分のリズムとタイミングがあり、それを受け入れ尊重しなければなりません。

人生のある時点で自由な意思によって選んだ孤独は、ただ私達を癒し、壊れた欠片を元通りにくっつけてくれるだけではありません。それは、自分だけのきちんとした個人的なフィルターを築くということを学ぶ方法なのです。こうしたフィルターは、ごちゃごちゃして取っ散らかったものをふるいにかけ、自分の気持ちを良くしてくれる物や人だけを、そして自分の感情の周波と心の中の特別な場所に適応する物や人だけを選り分ける手助けをしてくれるのです。


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