科学における女性の活躍

将来何でも好きなものになれるという考え方を、女の子が育むことは重要なことです。女性が宇宙を探索し、ワクチンを開発し、そして進歩と平等の未来の一員になることは不可能ではないのです。
科学における女性の活躍
Valeria Sabater

によって書かれ、確認されています。 心理学者 Valeria Sabater.

最後の更新: 21 12月, 2022

より良い明日のためには、ときに過去の過ちを分析しなければならないこともあります。科学の世界で女性が活躍できるような動きを作ることは、より平等な将来を作るために大事なポイントになります。最近まで科学は男性優勢の世界でしたが、平等へと向かって今少しずつ動き始めています。

科学者の絵を描きましょうと子どもに言うと、皆が同じような絵を描くでしょう。白衣を着たおじさんです。バック・トゥ・ザ・フューチャーに出てくるドク博士のような絵ができあがります。同様に、「科学界に身を捧げた女性は?」と聞くと、キュリー夫人以外の名前はなかなか出てこないのではないでしょうか

リータ・レーヴィ=モンタルチーニ、リーゼ・マイトナー、ソフィ・ジェルマン、マリー=アンヌ・ピエレット・ポールズなどという名前はあまり知られていません。これらはアイザック・ニュートン、ベンジャミン・フランクリン、ニコラ・テスラ、ルイ・パスツールなどの男性が、科学界において女性陣を影に追いやっていたからかもしれません。男性の方がチャンスが多く、地位が高く、優勢だったのです。

では、歴史を見た時、科学界に身を捧げた女性は少なかったのでしょうか? そうではありません。問題は、男性の影に女性が隠されてしまっていたことなのです。例えば、アルベルト・アインシュタインの最初の夫人ミレヴァ・マリッチがいい例です。彼女の伝記作家によると、ミレヴァは、ノーベル賞を受賞したアインシュタインの相対性理論に欠かせない存在であったと言います。

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科学における女性の活躍

2月11日は、科学における女性と女児の国際デーです。国際連合は、今後15年間の発展に向け、具体的な目標を立てています。その一つが、不平等をなくすことです。

科学、テクノロジー、工学、数学…これらの分野で活躍する女性の数は増加しており、これは素晴らしいことです。決定的な要因があれば、平等な未来が待っているということが分かります。これに関し、詳しく見ていきましょう。

ジェンダーバイアスの重み

ユネスコの報告によると、世界の研究員の内、女性は全体の30%以下です。また、高等教育を受ける女性で、情報通信技術(ICT)を専攻するのはたった3%です。そして、自然科学、統計、数学、工学において占める女性の割合はたった8%です。

女性にはこれらの分野で働くスキルがないのでしょうか? そんなことは決してありません。ただし、ひとつ問題があります。科学界において女性の活躍を進めるには、ジェンダーバイアスをなくす必要があるのです。現在、7~8歳の子どもはすでに、「女の子向け」「男の子向け」という考え方を持っています。

若い子ども達は普通、男性のエンジニア、科学者、大学教授を想像します。そこで、性の平等性を高めるには若い世代の偏見を正すことが必要です。科学の分野に目を向け、科学的関心を促すと、重大な変化が生まれることになるでしょう。

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科学における重要な仕事に女性が少ないのはなぜ?

私たちは否定できないある現実と向き合わなければなりません。それは、専門性が高い所には女性が少ないということです。マネージメントや決断力の必要なポジションには、女性より男性がつきがちです。なぜでしょう? ここでは、平等に近づこうとする動きが上手く働いていないことが問題になっています。社会では、男性の科学者の方が有能だと見られがちなのです。

さらに、女性科学者にとって大きな挑戦となるのが、仕事のキャリアと子育ての両立です。多くの場合、女性が責任の大きな仕事につけないのには、働く母親を支援する仕組みがないことが原因になっています。

他にも考えるべきことがあります。それは、歴史家マーガレット・W・ロシターが1993年に提唱した「マチルダ効果」と呼ばれるものです。ロシターは、女性が行う仕事よりも男性が行った仕事の方が大事にされる傾向があると言います。

女性科学者の発見や前進は、見劣りすることが多々あります。また、もっと悪いことに、女性の功績を男性に取られてしまうこともあります。そして、女性科学者は閉め出された状態になり、作業のための資金を得たり、研究を公開したり、昇進することができないのです。

科学における女性の活躍:未来への希望

まとめると、私達が、女の子もなりたいものになれるということを教育することが大切です。広大な宇宙、微小の遺伝子の世界、工学の素晴らしい分野にも目を向けましょう。科学における女性と女児の包括を進めるには、教育と機会が必要です。

女の子であっても男の子であっても、出身国に限らず、自分の興味に沿った勉強ができる機会を与えられるべきです。科学やテクノロジーの前進には熱意が欠かせません。仕事に本当に興味を持つ人がその分野で働くことにより、人類は前へ進みます。子どもを平等に育て、偏見や障害がないよう、専門性を高められる環境を作ることで、誰もがメリットを得られるようになるのです。


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