科学的に見る恋人との別れ

· 2018年11月16日

恋人と別れた時、脳は大きな不安を抱えます。実は、苦しいのは心ではないことが科学的に証明されています。大脳が、失望や裏切りを傷として認識しまうのです。別れの衝撃への対処法を脳は知らないのです。この神経の状態を、身体的な痛み、疲労、低エネルギーと解釈するのです。

恋人との別れにおいて、昔から役立っているものがいくつかあります。別れの経験から作られた歌や詩、など様々な作品です。これにより、多くの人が救われてきたことでしょう。恋愛で運がなかった時も励まされたことでしょう。これらの作品では、「痛み」という言葉が何度も繰り返されます。

「あなたがここにいてくれたなら。私達は、水槽で何年も泳ぎ続ける迷子の魂だ。同じところを何度も走る。」

-ピンク・フロイド-

振られた、浮気された、相手にされなくなった…これらは、痛みの原因です。痛みの裏には、もっと大きなものが隠れていることもあります。身体的な衝撃や火傷、ひっかき傷などはありません。それでも、別れはこれらすべてを合わせたような痛みを伴います。体の線維、腱、関節のひとつひとつが痛めつけられているようです。すべてが傷つき、すべてがダメになっていきます。世界が消えてなくなったように、感情の嵐に巻き込まれます。心のせいにしがちですが、実はその嵐は、心から離れたところで起こっているのです。

実は、苦しみは脳からきています。別れた後の脳の動きを見ていきましょう。

恋人との別れ

 

別れた後に起こる脳の動き

恋人と別れた後の脳について理解しようと思うのであれば、歌や詩、本の内容は一旦忘れましょう。神経学の世界に足を踏み入れます。実験室で、愛や憎しみを測ることはできないと多くの人が思っているでしょう。冷たく、意味のないように聞こえるかもしれませんが、ある実験により科学的な答えが出ています。

2011年、コロンビア大学の認知脳神経学者であるエドワード・スミス氏は、ある研究と試験で、最新のMRI解析技術や診断技術を使って別れた後の人の脳を見ることに成功しました

それぞれの画像で最も光っている脳の部分が、シナプスが最も活発な部分です。恋人と別れた後の参加者の画像を見ると、火傷をした時に活発になる部分が活発になっているのです。これは、脳は痛みを認識していると言えます。

詳しく見ていきましょう。

神経伝達物質の罪

誰かを失った時の悲しみは、なぜ長く続くのでしょうか?思い出すと、なぜ辛いのでしょうか?過去の名前や顔が、なぜいつも頭に浮かぶのでしょう?その答えは、神経伝達物質にあります。

  • 恋人と別れた後、前頭前野が「オフ」になる。つまり、客観的に情報を処理することができなくなる
  • 同時に、愛着や絆に関わる分野が活発になる。脳の辺縁系と呼ばれる部分がオキシトシンやドーパミンなどのホルモンを制限する。その代わりに、誰かに側にいてほしいというニーズが生じる。これらの働きにより、また、連絡しようとしたり、よりを戻そうとする。これらは、客観的に物事をみられなくなるために起こるのである。
脳と神経

 

すべて取り消された状態にある脳

人類学者で人間関係の専門家ヘレン・フィッシャーは、愛は意欲的だと言います。脳が一連の称賛を欲し求める衝動が愛であると彼女は考えます。愛着、繋がり、約束、セックス、解放、孤独など幅広いものを欲します。

恋人と別れた後、脳はこれらすべてを失った状態になります。そして、パニックを起こします。意欲的な部分が壊れ、脳は栄養、安心、すべてを失うのです。それは、全てが取り消されたような状態です。中毒者からその物質を取り上げた時の状態に似ています

 

別れの後の痛み

恋人と別れた時に感じる痛みは、身体的痛みと同じように知覚されます。好きな人があなたの元を去った時、体はコルチゾールやエピネフリンなどのストレスホルモンを放出し始めます。これはどういうことかというと、心の怒りが体に現れ始めるということです。また、これらの化学物質は、体の様々な機能に変化を及ぼします。

  • 脳内がコルチゾール過多である時、これは、筋肉の血流を増加せよというサインである。これが、痙攣や緊張、頭痛、胸の痛み、めまい、身体的疲労などの原因になる。
倒れた女性

恋人と別れた後、体のあらゆる器官が恐怖にさらされます。脳はコンピューターのようには働かないのです。脳は、感情により左右されやすい器官です。脳の神秘的な機能や繋がり、構造が私達を人間らしくしています。 人間の脳は、愛を愛します。愛を失ったとき、脳は恐れ、強く反応します。一方で、脳はその対処法も知っています。恋人との別れを乗り越え、前へ進むことができます。時間と平穏、娯楽を得て適応していきます。試練や苦しいこともたくさんありますが、それを乗り越える力をそなえているのです。そうすることで、いつか別の世界、より良い世界を見ることができるでしょう。