カメレオン効果って聞いたことがありますか?

2019年5月3日

心理学には、たくさんの種類の症候群や効果があります。その中の多くは名前に比喩を使っています。例えばピーターパン症候群、エルサレム症候群、オセロ症候群、ベン・フランクリン効果、マンデラ効果などなど。しかし、どれか一つに焦点を当てるとすれば、カメレオン効果でしょう。

そう、カメレオンとは、あの大きくカラフルな目と伸びる舌を持った、鱗のある小さな爬虫類です。カメレオンについて誰もが知っていることといえば、皮膚の色を変えられるということですね。しかし、カメレオンは自分をカモフラージュするために色を変えるということが広く信じられていますが、それだけが全てという訳ではありません。同じように、カメレオン効果は、人々がどう色を変えるのかについてというよりは、どう変わるかについてなのです。

色を変えるカメレオン

色を変える能力を持っているのは、カメレオンの中でもいくつかの種のみです。カメレオンには色が無いのではなく、色が環境に応じて常に変化するわけでもありません。色の変化のほとんどは、生理学的なコンディションによるものです。カメレオンは一日の内の気温の変化への反応として色を変化させるのです。

他にもカメレオンが色を変える時には、心理的要因もあります。例えば、敵やつがいなどが近くにいる時などです。他のカメレオンとケンカをする時にも色が変わります。カメレオンの色は恐怖や怒りを表しています。ですので、色の変化はカメレオン間のコミュニケーションの形でもあるのです。

カメレオン効果とは

色を変える人

ウディ・アレンの映画、「カメレオンマン」の中に、とてもおもしろい登場人物が出てきます。ウディ・アレン自身が演じている主人公であるレナード・ゼリグが、さまざまな場所に現れいろいろな人と関わります。この点では彼は普通ですが、ゼリグの見た目がいつも違うのです。黒人と話すときは、肌の色や声が変わります。ユダヤ人と話すときにはひげと巻き毛が生えます。また、太っている人と話すときには体重が増えるのです。

ミア・ファロー演じるユードラ・フレッチャー医師は、この不思議なケースの研究をします。やがて、ゼリグは極端な不安を抱えており、人から受け入れてもらうために自分の見た目を適応させて自分をカモフラージュしているということを発見します。ゼリグには環境に合わせて自分の見た目を変える特殊能力があり、そのためにカメレオンマンとして知られているのです。仲間に入っていると感じるために「モビー・ディック」を読んだと嘘をついたことで、受け入れられたいという欲求が彼を精神的にも身体的にも変化させることになったのです。

「人は誰しもカメレオンである。」
―メラニー・チズム―

カメレオンマン

明らかに、ウディ・アレンの映画は現実のパロディ、あるいは風刺です。不可能な状況が出てきます。しかし、カメレオン効果とは何なのかを説明するためにこのお話をしました。カメレオン効果は、感情の伝染とも呼ばれており、私たちが観察する人と似たような感情を感じたり内省化したり、そしてそれと同じように他人の気持ちにも影響する傾向のことです。これは人が影響を受け、同時に他の人やグループの感情や行動に影響を与えるプロセスのことなのです。

カメレオン効果

カメレオン効果は、私たちがまるで他人の鏡であるかのように機能するある方法について、定義しています。私たちは他の人の感情や、少なくとも他の人が表現していると無意識的に自分が思っている感情を真似します。しかし、この効果はそれだけにとどまりません。私たちは姿勢や顔の表情、言葉、声のトーン、アクセント、語彙までも真似するからです。

誰かが発作的に笑った時のあなたの自然なリアクションは笑うことでしょう。アクセントの違う人に囲まれていると、あなたにそれが移るのにたいていの場合そう長くはかかりません。足を組んでいる人と座っていると、あなたもそのように座ることになるかもしれません。この効果はいつも起こる訳ではありませんが、多くの状況で、意識的にも無意識的にも確実に起こります。

カメレオン効果が起きる時

カメレオン効果の機能

カメレオン効果の機能は、進化論的な観点から、チャールズ・ダーウィンが直感で発見しています。部分的には、あなたが行うジェスチャーが、あなたがどのように感じているかを決定します。同じように、他の人が送るシグナルもあなたに影響するのです。つまり、あなたがグループになじんでいた方が、あなたの個人的な幸福も大きくなるということです。気づかないうちに、他の人からの小さなシグナルがあなたにどのように行動すべきかを伝え、あなたのミラーニューロンがその人のことをあなたに真似させるのです。

私たち皆の心の中に、ゼリグがいるのかもしれません。他の人といるときに、私たちは同じ感情を持った状態になるように適応します。感情はまるでウィルスのように、私たちのまわりに広まっていきます。私たちは生まれた瞬間から、感情に感染し、それを広めるようにプログラムされているのです。ポジティブな感情を持っていれば、まわりもそれを感じるでしょう。逆にネガティブな感情を抱えていると、他の人もそれを感じます。このプロセスの大半は無意識的なものですが、ポジティブな感情を示し、周りの人もポジティブな気持ちにさせるという最初の一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

「私はカメレオンのように、まわりで起こっていることに影響される。エルビスにできるなら、私にもできる。エヴァリー・ブラザーズにできるなら、自分とポールにもできる。ディランでも同じことだ。」
―ジョン・レノン―