かもめのジョナサン:自分を信じること

· 2018年11月3日

「朝だ。しずかな海に、みずみずしい太陽の光が金色にきらめきわたった。」リチャード・バック作の「かもめのジョナサンはこのように始まります。それは、ちょうど人生が始まる様子とも似ています。この本は新たな1日の始まりであり、夜の終わりを告げる朝日、にわとりの鳴き声、けたたましく鳴る目覚まし時計ようです。人々はこの本に勇気をもらい、「自分とは一体何者なのか」「どうなりたいのか」といった質問に導かれるのです。

バックは、かもめのジョナサンの主人公を通し、認識と感謝の過程について語り掛けます。この勇気を要する過程は、自分自身に投資した結果得られるものです。それは自分の一部となり、語り継がれるべきものです。身に付けたばかりの自尊心だけではなく、誇りに思うべきものです。 既に傑作となったこの本は、常識にとらわれない生き方の難しさ、信じることの力、情熱についても触れます。そして、この本を通して私たちは個人的、そして社会的なレベルで変わることができるのです。

「なぜ?」質問は常にある

偉大な冒険は偉大な質問で幕を開けます。例えば、かもめのジョナサンは自分の翼の長さの半分以下の低空で飛んだ時、なぜ滞空時間がより長く、より少ない力で飛べたのか分かりませんでした。ジョナサンには情熱がありました。それは、誰よりも速く、優雅に飛ぶことです。彼にとってはこの質問が、観察や試行錯誤に繋がったのでした。

この間ずっとジョナサンの母親は、ジョナサンになぜ群れのみんなのように振舞えないのか聞きました。すると彼は理由を言いました。彼にとっては知識と理解が大切だったのです。それは、群れのみんなのように振舞うことよりも大切なのでした。「骨と羽根だけだって平気だよ、かあさん。ぼくは自分が空でやれる事はなにか、やれない事はなにかってことを知りたいだけなんだ。それだけのことさ。」実にシンプルです。そう、真実は簡単でシンプルなのものです。他の人と比べる必要はありません。幸せとはそういうことではなく、自分の限界を試すことです。他人だけでなく、自分にもその機会を与えることです。

カモメの群れ

かもめのジョナサンは、最大の危機に一番のインスピレーションを得ます。…二度と限界に挑戦することも、失敗することもないだろう。こうして、しばらくの間、考えることをやめ、海岸に瞬く燈火をめざして暗闇の中を飛ぶのはステキな気分だった。」そして彼は飛びながらうっとりしていると、あることに気が付きました。ただ一人、周囲の音もない暗闇で、ふつうのカモメは決してしないことをしていたのです。暗闇の中を飛んでいたのです。

解決法の多くは、物事の本質を見抜いた時に見つかります。それは突然やってきます。自分とじっくりと向き合い、身動きが取れないと感じた後にやってくるのです。そして、一度解決法が見つかると、なぜ今までそれに気が付かなかったのだろうと思うほど明確なものです。気が付く瞬間だけが大切なように感じますが、実際は気が付く前の時間も全てが重要です。正しい道を選べるようになるには、いくつもの行き止まりにぶつかることが必要なのです。

この気付きの瞬間からは、すべてがうまく行くように思えます。「 翼端の羽根を1枚だけわずかに動かすと、猛烈なスピードがでている時でも、なめらかなカーヴを描いて飛べることを彼は知った。しかしその事を発見する前に、そのスピードでほかの羽根をちょっとでも動かせば、たちまちライフルの弾丸のようにきりもみ状態で墜落することを、彼は身をもって知らねばならなかった。だが、その結果、ついにジョナサンは、カモメ史上初の曲技飛行の第一人者となったのだ。」

夢中なものがあれば、誰かに伝えたくなるもの

数年前、かかりつけの医師が彼女のキャリア上重要な意味を持った決断の話をしてくれました。研修医のとき、彼女は最高の病院で働くことを選びませんでした。その代わり、自分が一番人助けをできると思った病院を選んだそうです。このような考え方で決断を下す人はどのぐらいいるのでしょうか。自分自身の成長と進化のために道を選ぶのではなく、他人の成長と進化のために自分の道を決めるのはどういう時なのでしょうか。他人に手を差し伸べるとき、それは長い目で見ると自分自身を助けているのと同じだということを忘れがちです。このような経験が最終的に心を一番豊かにしてくれるものです。

かもめのジョナサンは発見をしたとき喜びました。答えを見つけて自分のスキルが向上したことを喜びました。しかし、それだけでなく、彼は他のカモメに自分の学んだことを教えることにも喜びを感じたのでした。

しかし、ジョナサンのこのアイディアは温かく迎え入れられませんでした。変化は物事の真相のようで、まずは抵抗されることが多いのです。

人生の意味、そして生きがいを追究するカモメより信頼できるカモメを私は知らない。

かもめのジョナサン、リチャード・バック

 

ステージが1つ終われば、次が始まる

困難や他人の誤解を乗り越えた者だけに天国へのドアは開かれます。しかし、これは宗教的な意味での「天国」ではありません。むしろ、自分を鏡に映し出したときに生まれる天国のことです。この天国は、本来の自分になりたいと思ったときに現れます。そして、それを達成したときには独立心も生まれます。

島の上を飛ぶカモメ

自分に正直になるこの練習は、抑えることのできないほどの情熱に対する報いです。その時初めて新しい革命を迎え入れることができるのです。なぜなら、人生は、ジョナサンのように力強く、活力に満ちているからです。そして、すべてのプロセスは、私たちを満たすと同時に、未完全な部分も残すのです。この矛盾と上手く付き合う能力こそが空虚感から解放される鍵です。この空虚感は、目的もなくさまよっているときに感じるものです。

結局のところ、記憶が大切なのです。かもめのジョナサンの言葉を借りると、「無論、地上は彼がいろんなことを学んできた場所ではあったが、こまかい点はぼっとかすんでしまっている。なにやら餌を奪いあって争ったことや、追放のうきめにあったことなども・・・」 最も重要なことは、ジョナサンは決して自分の心の中から自分を追放しなかったということです。

https://exploringyourmind.com/jonathan-livingston-seagull-believing-in-yourself/