感情曲線とは

2019年11月27日
感情曲線は、感情が発生し、それが完全に消えるまでの動きを示します。ここでは、心の展開を使い、感情がもっとも強力な時に避けるべき3つのことをお話します。

感情とは、抵抗できない、強烈な影響を与える負荷のある主観的状況だと多くの専門家は定義します。感情を明示的に表現するのは困難ですが、主観的状況は誰もがはっきりと説明できます。

例えば、怒りを感じた時や幸せな時の状況を説明することは可能です。悲しみから恐怖までの感情の多くが、同じように発展しますそこで使われるのが感情曲線です。

 

なぜ感情があるのか?

マルティネス・サンチェス(2011)などの研究者によると、重要な感情的できごと(愛する人の喪失で泣くこと、愛情の表現など)を抑制したり表現しないと、著しい精神的過活動、免疫低下、短期および長期にわたる精神的健康やメンタルヘルスのネガティブな影響の原因となると言います。

この場合、なぜ感情や表現が重要になるのでしょうか? ホメオスタシスや生存に関わる個人内機能、本質的に、より社会的な個人外機能の存在が指摘されています。

感情曲線

 

個人内要因

  • 感情は様々な認知的、生物的、行動的反応システムを調和させます。
  • 感情がなければ抑制される行動を活発化させます。例えば、運動神経が高くない人も、恐怖にかられると速く走ることができます。また、自ら平和主義者と言う人も、怒っている時、困っている人を守ろうとします。
  • 感情は闘いや脅威に向けて体に準備をさせます

(恐怖を感じる時などに)危険な刺激に対し反応し、体がアラームをならすと、視床下部-下垂体-副腎系(HPA軸)が活発になります。副腎が活性化され、糖質コルチコイドが放出されます。攻撃を受けたかのように、体は、身体的痛みを軽減するためにアドレナリンや内因性オピオイドを放出します。また、同時に、消化器官など闘いに必要のないシステムは抑制されます。

危険な状態に置かれると、恐怖が心拍をあげ、怪我の場合は赤血球を放出するため脾臓を収縮させ、瞳孔を広げます。

感情は情報を素早く処理するのに役立っています。脳は、問題となっている刺激の特性を素早く評価し、そのおかげで、できるだけ早く最も適切な反応をすることができるのです。

個人外要因

感情は、あなたの意図を人に伝え、あなたが感じていることを共有するのに役立ちます。表情、姿勢、声をコントロールし、人の行動にも影響を与えることができます。

アリストテレスは、「人間は政治的動物で、感情は社会的役割を果たす」と言いました。感情は人の好意に影響を与えます。誰かの手を借りたい時、悲しみを使う人もいれば、愛情や喜びなどを使う人もいます。社会的関係において感情が果たす役割の例に限りはありません

 

感情曲線

感情を最大の強さで長期間保つことは難しいものです。実際、普通の感情の発展は曲線を描きます。初めに、感覚は強くなっていきます。そして、強さは最大を過ぎると、軽減していきます。

これは、直感的なようでもありますが、多くの人が日常生活で、特にメンタルヘルスにおいて、考えないことでもあります。この曲線は不安やパニックなどの感情にも当てはまります。10分以上続くことはほとんどありません。

恐怖、怒り、悲しみに関する感情の強さが最大の時、人は行動しやすくなります。セラピーに通う人の多くがまさにこれを理由にセラピーを受けています。感情の強さが最大の時にする行動は、逆効果になることが多いのです。

 

セラピーで感情のコントロールの仕方を学ぶ

セラピーの初めの頃、患者が自分の反応のコントロールの仕方を知らない時、感情曲線を説明すると役に立ちます。感情をコントロ―ルするのではなく、うまく統制されていない強い感情が原因となっているネガティブな結果を避けることが目的です。

うつ病、不安、悲愴を抱える患者が、感情がどのように働くかを知っておくことは非常に有益です。セラピストは、感情の強さが最大の時どうすべきかについても説明すべきでしょう。セラピーを続けるうちに、患者の強烈な感情的反応の経験は和らいでいくでしょう。

感情曲線

 

感情の強さが最大の時に避けるべきこと

怒り、悲しみ、恐怖、幸せに関わらず、強い感情を抱いている時に避けるべき3つのことをお話しておくことは重要でしょう。この時に取る行動は合理的ではないため、専門家はこれを避けることを勧めています。

感情曲線の頂点で避けるべきこと

  • 決断をする。臨床うつ病の女性を例にしましょう。とても落ち込んでいる時に決断をすることがどんなに危険かを彼女に知らせることが大切です。決断は、必ず、その時に彼女が感じている深い悲しみや落ち込みと繋がっています。もっとも悪い瞬間に決断することを避けられると、自殺や自傷など残虐な結果を防ぐことができます。
  • 問題を解決しようとする。特定のできごとが問題となり、強い感情が発生した場合、その感情を抱いている間は、修復しようとしない方が良いでしょう。合理的な脳が休んでいる間は、通常、問題を解決する時に使うツールがすべてそろっていない状態です。それだけでなく、一瞬のフラストレーションは誤った行動にもつながりかねません。感情の強さが落ち着くのを待つのが一番良いでしょう。
  • 考える。感情は、終わりのない、劇的、非合理的、意味のない思考につながります。このような思考は、同じ強さの新たな感情を生むことがあり、これは非合理的行動を導きかねません。

これらを避け、強い感情を抱いている時にできる、何か代わりになるもののリストを作っておくと便利です。考えたり、問題を解決したり、決断するのを避ける物事を書きだします。そして、次に感情曲線の頂上に立った時に使えるよう備えておきましょう。

  • Palmero, F y Martínez-Sánchez, F. (2008). Motivación y emoción. Madrid: McGraw-Hill.