感情の制御と摂食障害
もしかしたら、立ち止まって考えたことはないかもしれません。しかし、誰もが同じように感情を認識して、受け入れて、制御する能力を持っているわけではありません。さて、このテーマを持ちだしたところで、何かが自分を不快にしているのに、それをほとんど認識できないような人が頭に浮かんできますか?
あるいは、あなたが知っている人の中で、感情をうまく管理できていない人はいますか?こういった人を知っている多くの人は、この人が不安症や悲しみの問題を抱えていることに気づいています。もしかしたら、このような傾向に自分自身が当てはまるという人もいるでしょう。自分の感情を認識して、受け入れて、制御することは、摂食障害などの様々な精神障害に影響力があります。詳しく見ていきましょう!
「最も重要な富は健康だ。」
-エマソン
感情の制御と摂食障害
まず、様々な研究によれば、摂食障害を患う人の感情の制御は、精神障害を患っていない人のものとは異なっています。このような人は、アレキシサイミアによりなりすい傾向があります。つまり、感情を特定して説明することがうまくできません。感じている感情を認識できなければ、それを制御する最も良い方法を選ぶことは困難です。
詳しく説明しましょう。自分が怒っていると気づかなかったら、どうして怒りをなくすために何かすることが出来るでしょう?難しいはずです。これは、摂食障害を患う人が持っている問題のひとつです。さらに、マイナスな点がもう一つあります。嫌な気分を軽減するのに、不適切な戦略を使うことです。つまり、自分が嫌な気持ちだと気づいている時、こういった人はポジディブで適応的な方法では自分の感情に「対処」しません。
「賢い人は、健康は人類の最大の恵みだと考えて、自分自身の思考で病気からすら恵みを得ることを学ぶべきだ。食べ物は薬だ。」
– ヒポクラテス
こういった人は、逃げ、回避、否定で感情に対処します。このようなふるまいは、大抵リバウンド効果を生み出し、ネガティブな感情の慢性化につながります。例を見てみましょう。この問題を持つ人は、食べたら太ると考えているために気分が悪くなります。食べ物を制限することで、不安に対処します。短期的には、不快感は軽減されるかもしれません。
しかし、長期的に見れば、このせいでどんどんと少ない食事量に対するネガティブな感情は深まっていきます。少なくとも、不快感は進行的に大きくなっていきます。この悪循環は、過食にも見られます。気分が悪いからものを食べますが、食べすぎることで自分を苦しめてしまい、その結果吐きます。 自分のしていることは間違っているとはわかっているため、ネガティブな感情を再び感じます。
摂食障害を患う人の感情の制御を改善することが重要な理由
すでにご説明した通り、摂食障害における感情の制御の影響と、それを改善する必要性は明らかかと思います。食事の制限や過食(それに伴う嘔吐)を、別の対処方法やより適切な感情管理法に変えることが重要です。
しかし、このような症状に苦しむ時に現れる病的なふるまいを改善することだけが大事なのではありません。感情を受け入れ、特定し 、表現することにはかなりのメリットがあり、肉体的・精神的な幸福の感覚を生み出します。
さらに、適応的な対処法を通じて、ネガティブな感情を適切に制御できるようになることは、不安症、悲しみ、怒りの度合いを軽減してくれます。実際、摂食障害を持つ人の感情の制御の改善は、予後を劇的に改善させるということがわかっています。
「食べることは物理的な快楽だけではない。きちんと食べることによって、人生に驚くべき喜びを得て、親切で幸せな仲間を得られる。士気のためにかなり重要であるということだ。」
– エルザ・スキャパレッリ
写真:オレンカ・コトック、ノーウッド・シームス、ジャイロ・アルゼット