家庭内でのそれぞれの役割

生殖能力のための技術や科学は発展してきましたが、赤ちゃんが父親と母親のもとに生まれることに変わりはありません。子どもは、面倒をみてくれる家族がいなくては生き延びることができません。この仕組みによって家庭内での役割が決定していますが、それは精神的な発達のためにも大切なのです。
家庭内でのそれぞれの役割
Elena Sanz

によって書かれ、確認されています。 心理学者 Elena Sanz.

最後の更新: 23 5月, 2020

家族とは組織化されたシステムであり、社会における基本的な核です。言い換えると、ルールや、価値観、ある種の行動基準をもった集団であるとも言えます。家庭内にはヒエラルキーや役割もあります。そしてこれらは全て社会にも反映されているのです。

家族のメンバーの社会との接し方は、家庭内でのお互いの接し方を決定づけるものです。家族のメンバーそれぞれが物事の善し悪しの指針をもっており、一般的には行動を通して考えを伝え合っています。また、家族のそれぞれが何をすべきかという明確な考えも持っています。家庭内での役割はこのようにして決定されます。

それぞれの役割の定義や、その役割が家庭内でどのように果たされるかは、誰のメンタルヘルスにとってもとても重要です。これは分かりやすく、健全な関係性を築くためにも絶対に必要なことです。当たり前のようにも思えるかもしれませんが、近年はこれがそれほど単純でなくなっています。その結果として、社会におけるヒエラルキーや権威的な存在、エゴの境界線が明確でなくなっているのです。

家庭内 役割

家庭内の基本の役割

家庭内での役割の中で最も基本的かつ決定的な役割は、夫婦間の役割です。時間とともにとても混乱してくる可能性があるのもこの役割です。これは夫婦の間で成り立っており、性的関心、家族の決定、パートナー間の感情的なつながりなど、子どものいない空間がその要素となっています。

それから母親の役割、父親の役割があります。これらの役割の定義は文化的な文脈によるところが大きいものの、ほとんど全ての文化に共通して見られる要素がいくつかあります。

  • 母親の役割は、根本的に感情的なものです。その機能は子どもに対して保護とサポートを提供することです。
  • 一方で父親の役割は、母親と子どもとの間にあります。母親と子供という二人組のでできることの限界を広げ、物事の許容範囲などを示します。

家庭内での役割には他に、兄弟の役割と子どもの役割があります前者は兄弟や姉妹の間にあり、仲間内での協力的な関係性の基盤を築くために役立ちます。後者は子どもが親ともつ絆です。ヒエラルキーを尊重し、権威的な存在の意味を習得することに関わる役割です。

夫婦間の役割の問題点

ここまで述べてきたことは家庭内での役割の理論的な枠組みです。しかしながら、現実では必ずしもこのようであるとは限りません。親が自らの役割を放棄してしまい、子どもにその領域に足を踏み入れることを許してしまったら、その結果は深刻なものとなり得ます。

一般的に、両親の争いを目撃した子どもは、罪悪感や不安感を抱きます。子どもに対するその影響の深刻さは、争いの程度によりますが、どのような場合においても、一方または両方の親がこの争いによって権威をある程度失うことになります。

親が性的な自己表現をするところを子どもが目にするのも良くありません。子どもをひどく混乱させてしまう可能性があります。子どもの年齢や、どれだけの知識があるかによって、彼らを怖がらせたり、刺激したり、動揺させてしまう原因となります。その結果は様々ですが、通常の発達が妨げられることが一般的です。

母親と父親の役割

家族という単位の中では親の役割は最も重要です。まずは夫婦として、それから母親や父親として、これらの役割は全て互いに関係し合っています。理想的な母親の役割は、優しさや、身体的な愛情、精神的なサポートをもって子どもの面倒をみる「子どもをはぐくむ母親」です。

しかし女性の中には、子どもを唯一の愛情の対象に変えてしまう人がいます。父親を軽視したり軽蔑したりして、所有欲が強く、過保護な絆を子どもとの間に作ってしまうのです。また、中には子どもと全く絆を作らない、母親不在のケースもあります。いずれの場合も、精神的な影響は同様に破壊的なものです。

父親的な存在や父親の役割はたいてい、容認できる行動の指標を作ることです。父親は、母親と子どもの間の共生を調整する第三者的な存在です。母親の宇宙に独占的に閉じ込められることから、ある意味で子どもを救う役割をしているのです。

今日の社会では、「父親」という言葉や父親の役割が過小評価される傾向があります。父親不在や、父親の役割が薄弱な場合は、子どもとの境界線を引くのに苦労するでしょう。こういったタイプの父親をもつ子どもは、限度をわきまえていないことが珍しくありません。

 


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  • Alberdi, I. (2004). Cambios en los roles familiares y domésticos. Arbor, 178(702), 231-261.

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