家族と縁を切るということ

お互いに距離を置き、家族を引き離した兄弟や親と人は疎遠になります。家族と縁を切る時、問題の中心にあるのは、深く埋め込まれた痛み、不満、不幸せです。
家族と縁を切るということ
Valeria Sabater

によって書かれ、確認されています。 心理学者 Valeria Sabater.

最後の更新: 21 12月, 2022

もしあなたが家族と話をしない仲なのであれば、その決断をしたのには必ず理由があるでしょう。この種の決断は軽いものではなく、困難な道をたどります。家族と縁を切る理由は様々で、摩擦や意見の相違、開いた心の傷、変わる気がないことなどがあるでしょう。

家族に関する専門家は、このような隔たりは、人が経験するもっともつらい状況への反応だと言います。これは、家族とコミュニケーションを取らないことを決めたからと言って人は苦しむということを意味するのではありません。反対に、境界線を引くことで楽になることもあります。心の痛みは過去の体験から生じ、その体験が、縁を切る動機づけになります。

社会はこのような決断を厳しくとらえがちです。家族とコミュニケーションをとらないことにした人は、すぐに「悪い」とレッテルを貼られてしまいます。まったく共感されないことは珍しくありません。このような重要な決断をした裏に、どんな行為や環境があったのか尋ねる人もあまりいません。

ここで伝えるべき重要な点は、縁を切ると決めたからと言って、苦悩が終わるとは限らないということです。困難や痛みを伴う過去に本当に対峙したいのであれば、セラピストの助けが必要かもしれません

「自分の好きな人と一緒にいることで充分だと学んだ」

-ウォルト・ホイットマン-

家族 縁を切る

家族と縁を切ることは難しい決断

一般的に、人は自分の限界だと感じた時、家族と縁を切ります。関係が崩れ、すべての交流がネガティブで、関係に毒があると感じます。ついに決断する時は重要な瞬間ですが、これは突然起こるのではありません。このきっかけとなった問題が起こったのは、ずっと前なのです。

これは簡単な決断ではなく、軽く決められるものではありません。非常に難しいもので、家族と縁を切った人を支える組織があるほどです。

2015年、ケンブリッジ大学の家族研究センターは絶縁に関する研究結果を発表しました。よくある問題でありながら、社会でタブーとされているものをより良く理解することが目的です。

この研究は、「隠された声:大人における家族の絶縁」と題されました。様々ある中で、家族と縁を切る時、家族の他の人にも怒りを生むことが明らかになりました。

また、その決断への明確な理由(虐待やひどい扱いなど)があるかは、問題にならないこともあると言います。皆がこのような決断を尊重したり、人の体験に共感できるわけではありません

家族 縁を切る

家族から縁を切られることは感情的につらく、複雑です

家族との絶縁は18~60歳の人に影響します。正式に大人になるまで待ち、決断する人もいます。また、もっと時間をかける人もいます。

しかし、それを恐怖、ためらい、社会的圧力のために躊躇することがあります。私達は幼い頃から、家族と距離を置くことは誤りだと教わりますね。それでも、家族と縁を切る人の数は常に増えています。ジョシュア・コールマンなど家族心理学者は、これは研究や意識が必要な「静かな現実」だと主張します。

家族と話すのをやめると、複雑な感情の道のりを経験することになり、これについて口を開くことは簡単ではありません。この決断のきっかけとなった苦しみや問題は存在し続け、どう対処してよいかわからないでしょう。

また、恥を感じる人も多くいます。「良い」家族がいないこと、サポートや愛を求め、家族に頼れないことに恥を感じます。家族の他の人の意見により、自分の決断が正しかったのか不安になり、落ち込みます

家族に縁を切られたという汚名、社会的孤独は、考えられるべき重要な問題です。

家族と縁を切る 恥

家族と縁を切ることは正しい決断?

先にも言ったように、家族と話さないという決断は、誰にとっても軽いものではありません。わがままやティーンエージャーが起こしたかんしゃくの結果ではありません。

多くの場合、深い所で長い間熟成された何かが存在しています。重大な決断の裏には、虐待、侮辱、サポートの欠如、存在を見てもらえないという思い、愛情の欠如などがあったかもしれません。

人はそれぞれ、独自の方法で異なる経験をします。上に挙げたことをどれも経験しない人がいる一方で、毎日すべてに苦しんでいる人もいるでしょう。どちらにしろ、未解決の衝突が、絶縁のきっかけになっていることは明らかです。

家族と縁を切りたくないのであれば、皆の不平不満を認め、検証し、ポジティブな変化を起こせるよう、問題に取り組みましょう。

距離を置くことが唯一の方法である時

もし、それができないのであれば、距離を置くことが良いでしょう。そのプロセスをできるだけ簡単にするため、次をお勧めします。

  • どの頻度で会うか決める。出し抜けに、もう二度と会わないと決めるのではなく、2週間に1回、月1回など時間を共に過ごすようにしましょう。また、どのくらいの時間会うかも考えましょう。
  • 一番良いコミュニケーション法を選ぶ。お互いに良い方法は何でしょう?家に行く?カフェで待ち合わせ?電話?メール?
  • 過程の評価。数か月後、どのように進んだかみてみましょう。月1回で充分でしょうか?年2回が良いでしょうか?あるいは、まったくコミュニケーションをとらない方が良いかもしれません。正解はありません。個人の状況によるのです。

最後に、家族と縁を切ることで必ずしも問題がなくなるわけではありません。未解決な部分が多かったり、後味の悪い経験になることもあります。有害な家族とコミュニケーションを断ち、それでも尚、気持ちが晴れないのであれば、心理療法士の元を訪れると良いかもしれません


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  • Agllias, Kylie. (Sep 2013). Family Estrangement. Encyclopedia of Social Work. Subject: Couples and Families, Aging and Older Adults, Children and Adolescents. DOI: 10.1093/acrefore/9780199975839.013.919

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